体外受精・胚移植後の食事【妊娠を後押しする栄養とは?】
「胚移植を終えたあと、どんな食事に気をつけたらいいですか?」
このようなご質問を多くいただきます。妊娠を望む方にとって、移植後の数日はとても大切な時期。身体を整え、着床をサポートするためにも、日々の食事と水分の摂り方に意識を向けてみましょう。
水分の摂りすぎに注意
近年、熱中症対策やコロナ禍で「1日○リットルの水を飲もう」という情報が多く見られました。しかし、水分を必要以上に摂りすぎると、実は血液が薄まり、栄養が子宮まで届きにくくなることがあります。
また、羊水は海水に近い塩分濃度を保っています。そのため水分を過剰に摂取し続けると、羊水の濃度も薄くなってしまう可能性があるのです。
水分摂取のポイント
「飲みすぎず、飲まなさすぎず」を意識しましょう。お味噌汁や漬物など、日本古来の食事から自然な塩分を取り入れましょう。
移植後におすすめの食事の考え方
胃腸を冷やさない・疲れさせない
夏場や暑い時期は水分や冷たい食べ物の摂りすぎで、胃腸が弱っていることが多く見られます。胃腸が疲れていると、栄養をしっかり吸収できず、妊娠力も下がってしまいます。冷たい飲み物や食事は控えめに、温かく消化のよいものを選びましょう(例:おかゆ、煮物、味噌汁)
消化に良いものを食べる
消化には想像以上のエネルギーを必要とします。移植後は、そのエネルギーを着床に使ってもらえるように、胃腸に負担をかけない食事を心がけてください。
糖分を控える
白砂糖を多く摂取すると、身体のエネルギーをつくるために必要なビタミンB群やミネラルを大量に消費してしまいます。移植後は特に白砂糖を使った甘いものを控えてください。甘味が欲しいときは、甘酒や黒糖、果物を少量にとどめましょう。
血液の質も妊娠に影響します
脂っこいものや甘いものの摂りすぎは、「瘀血(おけつ)」という血液の巡りが悪くドロドロした状態を招きます。血流が悪くなると、子宮や卵巣への栄養供給も滞ってしまうため、なるべくシンプルで整った和食中心の食生活をおすすめします。
最後に
胚移植後は、身体を“戦える状態”にするのではなく、“守れる状態”に整えることが大切です。日々の食事と水分摂取を意識することで、着床を助ける体内環境を整えることができます。
とはいえ、すべての方に当てはまるわけではなく、体質や体調により最適なケアは異なります。ご不安な方は、お気軽に当院までご相談ください。
※すべての方に効果を保証するものではありません。体感には個人差があります。