
梅雨の不調はなぜ起こる?湿度でだるい原因と東洋医学の養生法
梅雨の時期になると、「身体が重い」「朝からだるい」「むくみやすい」「頭が重い」「胃腸の調子が悪い」と感じることはありませんか?
梅雨の不調は、単なる気のせいではありません。高い湿度、気圧の変化、日照不足、寒暖差などが重なることで、自律神経や体温調節、水分代謝に負担がかかりやすくなります。
西洋医学では、気圧や湿度による自律神経の乱れとして説明されることが多く、東洋医学では「湿邪(しつじゃ)」や「脾(ひ)」の働きの低下として考えます。
この記事では、梅雨にだるくなる原因を、現代医学と東洋医学の両方の視点からわかりやすく解説します。
- 梅雨の不調は、湿度・気圧変化・日照不足・寒暖差などが重なって起こりやすくなります。
- 湿度が高いと汗が蒸発しにくくなり、体温調節に負担がかかることで、だるさや疲労感につながることがあります。
- 東洋医学では、梅雨の不調を「湿邪」や「脾の弱り」と考え、身体の重だるさ・むくみ・胃腸の不調などと関連づけて捉えます。
- 冷たいものや甘いものの摂りすぎを控え、温かく消化にやさしい食事を意識することが、梅雨の養生につながります。
- 室内の湿度管理、軽い運動、睡眠、呼吸、ツボ押しなどを取り入れることで、梅雨のだるさをやわらげる助けになります。


目次
梅雨に不調が出やすい主な原因
梅雨の不調には、いくつかの要因が重なっています。
特に関係しやすいのは、次の3つです。
- 気圧の変化による自律神経の乱れ
- 高い湿度による体温調節のしにくさ
- 日照不足による睡眠や気分への影響
気象の変化によって体調が悪くなる状態は、一般的に「気象病」と呼ばれることがあります。正式な単一の病名というより、天候の変化に伴って起こる頭痛、めまい、倦怠感、関節痛、気分の落ち込みなどの不調をまとめた表現です。
気圧の変化と自律神経の関係
梅雨は低気圧の日が続きやすく、気圧の変動も大きくなります。
私たちの身体は、気温・湿度・気圧などの変化に合わせて、血流や体温、発汗、内臓の働きなどを調整しています。その調整に深く関わるのが自律神経です。
気圧の変化は、耳の奥にある「内耳」が関係していると考えられています。内耳が気圧変化を感知し、その刺激が脳や自律神経に影響することで、頭痛・めまい・だるさ・痛みなどにつながる可能性があるとされています。
そのため、梅雨になると毎年のように体調が崩れる方は、「気合いが足りない」のではなく、気象変化に身体が敏感に反応している可能性があります。
湿度が高いと、なぜ身体がだるくなるのか
梅雨のだるさには、湿度の高さも大きく関係しています。
湿度が高いと、汗が蒸発しにくくなります。汗は蒸発するときに身体の熱を逃がす役割がありますが、湿度が高い環境ではその働きがうまくいきにくくなります。
その結果、身体に熱がこもりやすくなったり、体温調節に負担がかかったりして、だるさや疲労感につながることがあります。
また、湿度が高いと寝苦しくなり、睡眠の質が下がることもあります。睡眠が乱れると自律神経の回復が追いつきにくくなり、翌朝のだるさや頭重感につながりやすくなります。
東洋医学では「湿邪」が梅雨の不調に関係すると考える
東洋医学では、梅雨のような湿気の多い環境が身体に影響して不調を起こす場合、その湿気を「湿邪(しつじゃ)」と考えます。
湿邪には、次のような特徴があります。
- 重い
- 粘りやすい
- 滞りやすい
- 下半身にたまりやすい
そのため、湿邪の影響を受けると、身体が重い、頭が重い、むくみやすい、胃腸がすっきりしない、関節が重だるいといった不調が出やすくなります。
東洋医学でいう「湿」は、単に外の湿度だけを指すものではありません。身体の中で水分代謝がうまくいかず、余分な水分が停滞している状態も含めて考えます。
東洋医学の「脾」は胃腸の働きに近い考え方
梅雨の不調を考えるうえで大切なのが、東洋医学の「脾(ひ)」です。
ここでいう脾は、西洋医学の脾臓そのものとは異なります。東洋医学における脾は、胃腸を中心とした消化吸収の働きや、食べたものからエネルギーを作り、全身に運ぶ働きに近い概念です。
脾の働きが弱ると、食べ物から十分なエネルギーを作りにくくなり、水分代謝も滞りやすくなります。
その結果、次のような不調が出やすくなります。
- 食後に眠くなる
- 胃もたれしやすい
- お腹が張る
- 下痢しやすい
- むくみやすい
- 身体が重い
- 疲れが取れにくい
梅雨は外からの湿気が多いだけでなく、冷たい飲み物や生もの、甘いものを摂りすぎることで胃腸の働きが落ちやすい時期でもあります。
つまり、梅雨の不調は「外の湿気」と「内側の水分代謝の低下」が重なることで起こりやすくなるのです。
梅雨に不調が出やすい人の特徴
次の項目に複数当てはまる方は、梅雨の湿気や気圧変化の影響を受けやすいかもしれません。
- 朝起きても疲れが取れにくい
- 雨の日や曇りの日にだるくなりやすい
- 食後に眠くなりやすい
- 胃もたれしやすい
- お腹が張りやすい
- 下痢や軟便になりやすい
- 手足が冷えやすい
- むくみやすい
- 甘いものや冷たい飲み物が好き
- 舌のまわりに歯型がつきやすい
- 頭が重く感じることが多い
これは診断ではありませんが、梅雨時期の体調管理を見直す目安になります。
梅雨の不調と胃腸・メンタルの関係
梅雨になると、身体のだるさだけでなく、気分が落ち込みやすい、やる気が出にくいと感じる方もいます。
その背景には、日照不足や睡眠リズムの乱れが関係することがあります。光は体内時計や気分の調整に関わっており、季節による日照時間の変化は、睡眠や気分に影響することがあります。
また、近年は「腸脳相関」といって、腸と脳が神経・ホルモン・免疫などを通じて相互に影響し合うことも注目されています。
東洋医学では、脾は「思い悩むこと」に影響を受けやすいと考えます。現代医学の腸脳相関とは考え方が異なりますが、胃腸の状態と心身の安定は関係するという点では、重なる部分があります。
梅雨の不調を整えるには、気分だけを無理に前向きにしようとするのではなく、胃腸・睡眠・呼吸・身体の巡りを整えることが大切です。
梅雨の不調をやわらげる食事のポイント
梅雨の時期は、胃腸に負担をかけすぎない食事を意識しましょう。
特に大切なのは、冷たいもの・甘いもの・脂っこいものを摂りすぎないことです。
冷たい飲み物、アイス、生野菜、刺身、甘いお菓子、揚げ物などが続くと、東洋医学でいう脾の働きが弱り、湿がたまりやすくなると考えます。
おすすめは、温かく消化にやさしい食事です。
- 味噌汁
- スープ
- おかゆ
- 温野菜
- 生姜を使った料理
- 鶏肉
- 山芋
- かぼちゃ
- 小豆
- とうもろこし
- はとむぎ
ただし、特定の食材だけで不調が治るわけではありません。大切なのは、胃腸に負担をかけず、身体を冷やしすぎない食べ方を続けることです。
湿度によるだるさを防ぐ生活習慣
室内の湿度を調整する
室内の湿度が高いと、汗が蒸発しにくくなり、体温調節に負担がかかります。除湿機やエアコンの除湿機能を使い、室内を過ごしやすい状態に整えましょう。
寝る前の室温・湿度管理も大切です。寝苦しさが続くと睡眠の質が下がり、翌日のだるさにつながります。
軽く汗をかく習慣をつくる
梅雨は外出が減り、身体を動かす機会が少なくなりがちです。
激しい運動でなくても、次のような軽い運動がおすすめです。
- 軽いストレッチ
- 室内ウォーキング
- ヨガ
- ラジオ体操
- 半身浴
東洋医学では、気血水の巡りが滞ると重だるさが出やすいと考えます。無理のない範囲で身体を動かすことで、巡りを助けやすくなります。
朝に光を浴びる
梅雨は曇りや雨の日が多く、日光を浴びる時間が減りやすくなります。
朝にカーテンを開ける、曇りの日でも外の光を浴びる、短時間でも外に出るなど、体内時計を整える工夫をしましょう。
冷えすぎを避ける
湿度が高い時期は蒸し暑い一方で、エアコンによる冷えも起こりやすくなります。
特に首・お腹・足首が冷えると、胃腸の働きや血流に影響しやすくなります。薄手の羽織りものや靴下などで、冷えすぎないように調整しましょう。
梅雨の不調におすすめのツボ
セルフケアとして、ツボ押しを取り入れるのもおすすめです。
強く押しすぎる必要はありません。気持ちよい程度の圧で、ゆっくり呼吸しながら行いましょう。
足三里(あしさんり)
足三里は、胃腸の働きを整える代表的なツボです。膝のお皿の外側下から、指4本分ほど下がったところにあります。
胃もたれ、疲れやすさ、食欲不振が気になる方におすすめです。
陰陵泉(いんりょうせん)
陰陵泉は、水分代謝を助けるツボとしてよく使われます。すねの内側の骨を下から上になぞり、膝の下あたりで指が止まるくぼみにあります。
むくみ、身体の重だるさ、湿気による不調が気になる方に向いています。
豊隆(ほうりゅう)
豊隆は、体内の余分な湿をさばく目的で使われるツボです。すねの外側、膝と外くるぶしの中間あたりにあります。
胃の重さ、むくみ、身体のだるさがあるときにおすすめです。
復溜(ふくりゅう)
復溜は、水分バランスや冷えに関わるツボです。内くるぶしから指3本分ほど上、アキレス腱の少し前にあります。
足のむくみや冷えが気になる方に使いやすいツボです。
呼吸を整えることも梅雨の養生になる
梅雨の時期は、身体が重く感じるだけでなく、呼吸が浅くなりやすい方もいます。
浅い呼吸が続くと、首や肩に力が入り、自律神経も緊張しやすくなります。
おすすめは、吐く息を少し長めにする呼吸です。
- 鼻から4秒吸う
- 口から6〜8秒かけて吐く
- これを3〜5分ほど繰り返す
吐く息を長くすることで、緊張がゆるみやすくなります。寝る前や、雨の日にだるさを感じるときに取り入れてみてください。
受診を考えた方がよい梅雨の不調
梅雨の不調の多くは、生活習慣の調整で軽くなることもあります。
ただし、次のような場合は、自己判断せず医療機関に相談してください。
- 強い頭痛が続く
- めまいやふらつきが強い
- 胸の痛みや息苦しさがある
- 手足のしびれや麻痺がある
- むくみが急に強くなった
- 発熱や強い倦怠感がある
- 気分の落ち込みが長く続く
- 日常生活に支障が出ている
「梅雨だから仕方ない」と我慢しすぎないことも大切です。
まとめ|梅雨の不調は、湿度・気圧・胃腸の弱りが重なって起こりやすい
梅雨の不調は、気のせいではありません。
高湿度による体温調節の負担、気圧変化による自律神経の乱れ、日照不足による睡眠や気分への影響が重なることで、だるさ・頭重感・むくみ・胃腸の不調が出やすくなります。
東洋医学では、梅雨の不調を「湿邪」や「脾の弱り」として考えます。
大切なのは、湿をためこまない生活を意識することです。
冷たいものを摂りすぎない、温かい食事を選ぶ、軽く身体を動かす、室内の湿度を整える、睡眠を大切にする。こうした小さな積み重ねが、梅雨のだるさをやわらげる助けになります。
梅雨になると毎年つらい方、胃腸の不調やむくみ、身体の重だるさが続く方は、体質に合わせたケアを取り入れてみてください。
梅雨になると毎年だるくなるのは、体質のせいですか?
梅雨のだるさには、湿度の高さや気圧の変化、自律神経の乱れ、睡眠の質の低下などが関係します。体質だけが原因とは限りませんが、胃腸が弱い方、むくみやすい方、冷えやすい方は、湿気の影響を受けやすい傾向があります。
湿度が高いと、なぜ身体が重く感じるのですか?
湿度が高いと汗が蒸発しにくくなり、体温調節に負担がかかりやすくなります。また、東洋医学では湿気が体内に停滞すると、身体の重だるさやむくみ、頭重感につながると考えます。
梅雨の不調には、どんな食事がおすすめですか?
冷たい飲み物や甘いもの、脂っこいものを摂りすぎず、温かく消化にやさしい食事を意識しましょう。味噌汁、スープ、温野菜、生姜を使った料理、山芋、鶏肉、小豆、とうもろこしなどは、梅雨時期の食事に取り入れやすい食材です。
梅雨のだるさを感じるとき、運動しても大丈夫ですか?
強い疲労感や体調不良があるときは無理をせず休むことが大切です。ただし、軽いストレッチや室内ウォーキング、ヨガなど、無理のない運動は血流や巡りを助け、重だるさの軽減につながることがあります。
梅雨の不調で病院に行った方がよい場合はありますか?
強い頭痛、めまい、息苦しさ、胸の痛み、手足のしびれ、急なむくみ、発熱、強い倦怠感などがある場合は、梅雨の不調と決めつけず医療機関に相談してください。日常生活に支障が出るほどつらい場合も、早めに相談することが大切です。
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📚参考文献
- ツムラ|「天気で体調が悪くなる」は気のせいじゃない – 医師インタビュー
- ツムラ|気象病とは?天気の変化による不調と漢方の考え方
- 厚生労働省|職場における熱中症予防対策マニュアル
- 慶應義塾大学保健管理センター|熱中症の予防
- Carabotti M, et al. The gut-brain axis: interactions between enteric microbiota, central and enteric nervous systems. Ann Gastroenterol. 2015.
- Camilleri M. Serotonin in the Gastrointestinal Tract. Curr Opin Endocrinol Diabetes Obes. 2009.
この記事の監修者


院長:宇都宮 泰子
(うつのみや やすこ)
FEMICA認定妊活指導士/鍼灸学修士/MBA(経営管理修士)
はり師・きゅう師(国家資格)
- 日本フェムライフ統合ケア協会 代表理事
- 日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー
- 日本生殖医学会会員
不妊・不育症を専門とし、東洋医学と生殖医療の両面から体質改善をサポート。大学院研究員としての研究活動も行いながら、臨床現場で妊活支援に従事している。
※本記事は一般的な医学情報を提供するものであり、診断・治療を目的とするものではありません。治療方針は必ず主治医の指示に従ってください。
梅雨のだるさや重だるさが続く方へ
梅雨の時期は、湿度や気圧の変化によって自律神経が乱れやすく、身体の重だるさ・むくみ・胃腸の不調・頭重感などが出やすくなります。
「毎年この時期になると調子が悪い」「休んでも疲れが取れにくい」「胃腸の不調やむくみが気になる」という方は、身体の巡りや自律神経のバランスが乱れているサインかもしれません。
宇都宮鍼灸良導絡院では、東洋医学の視点から体質や不調の出方を確認し、胃腸の働き・冷え・むくみ・自律神経の乱れなどをふまえて、お一人おひとりに合わせた鍼灸施術を行っています。
セルフケアを続けても梅雨の不調がつらい方は、無理に我慢せず、身体を整えるきっかけとして鍼灸を取り入れてみてください🍀







