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意外と知らない女性の不妊因子と男性の不妊因子

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不妊因子とは?

不妊症の原因となる「不妊因子」は、妊娠が成立するまでに何らかの問題が発生することによって引き起こされます。妊娠は視床下部-下垂体-卵巣系のホルモン分泌が正常に行われ、卵子と精子が出会い、受精卵が子宮内膜に着床するという複雑な過程を経て成立します。したがって、これらの各段階で異常が起きると、不妊症につながるのです。

不妊因子の説明画像

女性の不妊因子

女性に関連する不妊因子は、いくつかのカテゴリーに分類されます。

  • 卵管因子

    卵管が閉塞または狭窄することで、精子と卵子が出会うことができず、不妊が起こるケースです。また、卵管周囲の癒着によって卵子が卵管に取り込まれない「ピックアップ障害」も原因の一つです。

  • 排卵因子(内分泌系の異常)

    視床下部、下垂体、卵巣系に何らかの異常があり、正常に排卵が行われない場合です。月経不順や無排卵、ホルモンバランスの乱れによる排卵障害が該当します。早発閉経もここに含まれます。

  • 子宮因子

    子宮の問題で受精卵が着床しにくい状態を指します。子宮筋腫や子宮腺筋症、子宮内膜ポリープなどが原因で、子宮内膜への着床が困難になります。

  • 頸管因子

    子宮頸管から分泌される頸管粘液の質や量に問題がある場合、精子がスムーズに子宮へ到達できなくなります。頸管粘液分泌不全などが原因で、精子の通過障害が起こります。

  • 免疫因子

    精子を異物として認識し攻撃する「抗精子抗体」によって、精子の運動能力が低下し、受精が妨げられることがあります。

  • 原因不明

    すべての検査を行っても明確な原因が特定できない場合です。加齢による卵子の質の低下や、子宮内膜のホルモン感受性の低下などが想定されます。

男性の不妊因子

男性側にも不妊因子が存在し、精子の数や運動能力、形態の異常、精子DNAの損傷などが原因となる場合があります。男性不妊症の診断には、精液検査が一般的に行われますが、1回の検査だけではわからないこともあります。

不妊因子の頻度

不妊症の原因の41%が「女性のみ」、24%が「男性のみ」、そして24%が「男女双方」に原因があるとされています。また、11%は現時点で原因不明とされています。

まとめ

不妊症は、さまざまな因子が複雑に絡み合って引き起こされるため、原因を特定するための詳細な検査が不可欠です。不妊因子を正確に把握し、適切な治療を行うことで、妊娠の可能性を高めることができます。年齢や生活習慣など、早期の診断と治療が重要です。

参考文献

日本産婦人科学会

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