月経血の成分と役割【実はすごいその力とは?】
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月経血の成分
月経血は単なる血液ではなく、多様な成分を含む複雑な分泌物です。月経血は、女性の体が毎月の周期で子宮内膜を排出する際に放出される血性分泌物です。一般的に「血液」として認識されていますが、実際にはさまざまな成分が含まれています。
月経血の構成成分
月経血は大部分が血液のように見えますが、血液の含有率は個人によって異なります。全血比にして1.6〜81.7%であり、平均は約36.1%です。大まかには、血液は約40%を占めますが、その他の分泌物も重要な役割を果たしています。
主要成分
- 血液:全体の約40%を占める。
- 子宮体組織液:主な成分であり、月経血の量を決定する要因。
- 腟液:腟からの分泌物であり、月経血に混ざる。
- 頸管粘液:子宮頸管からの分泌物。
- 子宮内膜の崩壊組織:子宮内膜が剥がれ落ちた組織片。
- 腟上皮細胞:腟壁から剥がれ落ちた細胞。
- 細菌:月経中に存在する通常の腟内細菌。
酵素の役割
月経血には、特定の酵素が含まれており、これらは子宮内膜の分解と抗菌作用に寄与します。
- プロテアーゼ:子宮内膜の組織を分解する酵素。これにより、月経血が体外に排出されやすくなります。
- リゾチーム:抗菌作用を持つ酵素で、細菌の成長を抑制します。
特有の臭気
月経血には特有の臭気がありますが、これは以下の要因によるものです。
- 血液の分解:血液中の成分が分解される過程で生じる臭気。
- 外陰部の皮脂腺の分泌物:皮脂や汗が混ざることで生じる臭気。
衛生とケア
月経中の適切な衛生管理は、感染の予防や快適さを保つために重要です。以下の点に注意しましょう。
- 定期的なナプキンやタンポンの交換:血液や分泌物の蓄積を防ぐ。
- 適切な洗浄:外陰部を清潔に保つため、温水で優しく洗浄する。
参考文献
- 臨床婦人科産科 45巻4号 (1991年4月発行)
- 「月経血の成分と性状」石津 日出雄(岡山大学医学部・法医学)