男性不妊のリスク!ご主人への質問でわかる
ご主人に質問するだけでわかる男性不妊リスク!男性不妊のセルフチェック
妊活というと女性が主体となって取り組むイメージがありますが、実際には不妊の原因の約半数は男性側にも関係していると言われています。男性不妊の原因には、精子の質や数の低下、精子の通り道の問題、ホルモンの異常などさまざまな要因があります。
しかし、男性不妊は自覚症状がほとんどないため、気づかないうちに妊娠の妨げになっていることも…。そこで、奥さんがご主人に質問するだけで簡単にチェックできる方法を紹介します!
🔍 ご主人に聞いてみよう!男性不妊リスクをセルフチェック ✅
1.「睾丸の大きさ、小さくない?硬くない?」
➡ 精子を作る能力に関係するポイント!
精巣(睾丸)の大きさや質は、精子を作る機能に直結します。正常な睾丸の大きさは3〜5cm程度とされ、小さすぎる場合は精子の生産能力が低下している可能性があります。また、硬すぎる場合も異常のサインかもしれません。
2.「子どもの頃、停留睾丸って言われた?」
➡ 生殖機能の低下と関係することがある
停留睾丸とは、本来なら生まれる前に陰嚢へ降りてくるはずの睾丸が、お腹の中や鼠径部にとどまったままの状態を指します。放置されると精巣の温度が高いままとなり、精子の生産能力が低下することがあります。
3.「鼡径ヘルニアの手術したことある?」
➡ 手術後の影響で精子の通り道が狭くなっていることも
鼡径(そけい)ヘルニアとは、腸の一部が筋膜の隙間から飛び出してしまう状態で、手術で治療することが一般的です。ただし、鼡径ヘルニアの手術後に精管がダメージを受け、精子の通り道が狭くなることがあるため、不妊の原因になることがあります。
4.「おたふく風邪で睾丸が腫れたことある?」
➡ 思春期以降のおたふく風邪が原因で精巣がダメージを受けることも
思春期以降におたふく風邪にかかると、約30%の確率で睾丸炎を引き起こすと言われています。炎症が強いと、精子を作る細胞がダメージを受け、精子の生産能力が低下する可能性があります。
5.「副睾丸炎や前立腺炎になったことある?」
➡ 精子の通り道に影響することがある
副睾丸や前立腺に炎症が起こると、精子の通過が妨げられたり、精液の質が低下することがあります。
6.「精液の色や粘り気が気になったことある?」
➡ 精液の色や粘性の異常は不妊のサインかも!
正常な精液の色は乳白色から灰白色ですが、以下のような色の変化が見られた場合は何らかの異常のサインかもしれません。
- 黄色みが強い場合:感染症の可能性
- 赤みや茶色みがある場合:出血の可能性
- 透明に近い場合:精子濃度が低い可能性
また、精液の粘性も重要です。射精直後はやや粘り気がありますが、15〜30分程度で液状化します。
- 射精直後から水のように薄い → 精子濃度が低い可能性
- 固まりすぎている → 精子がうまく運ばれない可能性
- 30分以上たっても液状化しない → 精子の運動に影響する可能性
7.「精索静脈瘤って言われたことある?」
➡ 精巣周辺の血流が悪くなると、精子の質や数が低下することも。
8.「抗がん剤や放射線治療を受けたことある?」
➡ 精巣の細胞にダメージを与えることがある
抗がん剤や放射線治療はがん細胞だけでなく、精子を作る細胞にもダメージを与えるため、一時的または永続的に精子の生産が低下することがあります。
1つでも当てはまるなら専門医に相談を!精液検査で精子の状態を確認しましょう。妊活は夫婦で協力することが大切です!
参考文献
- 男性不妊.pdf, 『腎と透析 Vol. 97 増刊号 2024』, 白石晃司, 山口大学大学院医学系研究科泌尿器科学講座
- 日本生殖医学会, 男性不妊の診断と治療ガイドライン
- WHO精液検査基準(2021年版)