眠っている時に首を冷やすと疲れが取れない理由
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眠っている時に首を冷やすと疲れが取れない理由
- 血液循環の低下
首には脳に酸素と栄養を供給する頸動脈が通っています。首が冷えると血管が収縮し、血流が悪くなることで脳や筋肉への酸素供給が不足し、疲労感が残る可能性があります。 - 神経機能の乱れ
首には自律神経の通り道があり、ここが冷えると交感神経が優位になりやすくなります。これにより、深い睡眠が妨げられ、回復力が低下します。 - リンパの滞り
首はリンパ節が集まる場所でもあります。冷えによってリンパ液の流れが悪くなると、老廃物の排出が滞り、翌朝に疲労感を感じることがあります。
首は「脳の一部」と考えるべき?
首そのものは脳そのものではありませんが、脳と身体をつなぐ重要な役割を担っているため、広い意味では「脳の延長部分」と捉えることもできます。その理由は以下の通りです。
- 脳への栄養供給の通路
首を通る血管(頸動脈や椎骨動脈)は脳に酸素と栄養を送り届けています。これらの血流が阻害されると、脳の働きに直接影響を及ぼします。 - 脳からの指令を伝える経路
脳からの神経信号を全身に伝える脊髄は、首を通っています。首の状態が悪いと神経伝達が滞り、身体の調整機能に影響を及ぼします。 - 脳脊髄液の循環
首を通る脳脊髄液の流れがスムーズであることは、脳や脊髄の健康維持に欠かせません。この流れが乱れると、疲れや不調を感じやすくなります。
寝るときの首のケア方法
- 温度を保つ
特に冬場は、ネックウォーマーや薄手のスカーフを使って首を冷やさないようにしましょう。着衣も工夫し冷気が首元に入らないようにします。 - 適切な枕を使用する
高さや形状が首に合った枕を使うことで、血流や神経の圧迫を防ぎ、首周りの緊張を和らげます。 - 寝室の温度管理
寝室が寒すぎる場合は加湿器や暖房器具で適度な温度に保つことが重要です。
首を守って質の良い睡眠を
首は脳と体をつなぐ重要な部位であり、冷やすことで全身の機能に影響を与えることがあります。首を温かく保つことで、血流やリンパの流れが整い、翌朝の目覚めがスッキリとしたものになります。ぜひ、睡眠環境を見直し、首をいたわるケアを取り入れてみてください。
参考文献
- 松井孝嘉(2012)「頸性神経筋症候群」『NURES TREND』7月号
- 松井孝嘉『「スマホ首」が自律神経を壊す』