
腎虚とは?原因や、食事や漢方・薬膳による対策をご紹介
血虚が「血の不足」によるものなら、腎虚は体のエネルギー源である「腎精(じんせい)」の不足が原因となります。腎精は生殖や成長、体力の基盤を支える大切なエネルギー。これが不足すると、月経の量や妊娠力だけでなく、体全体のバランスにも影響を与えてしまいます。
腎虚とは?
東洋医学でいう「腎」は、単に腎臓という臓器のことではなく、生命力や生殖力の根本を司るシステムを指します。腎虚とは、その働きが低下してエネルギー不足に陥った状態です。腎の弱り方には大きく分けて、冷えが強い「腎陽虚」と、ほてりや口の渇きが目立つ「腎陰虚」があります。いずれの場合も、生殖や月経を支える力が足りなくなり、経血の量が減少していきます。
腎虚タイプの症状
腎虚による月経異常では、次のような特徴がよく見られます。
- 経血量が極端に少ない、または年々減っている
- 色が黒っぽい、または赤黒い
- 出血がサラサラして塊が少ない
- 足腰のだるさ、腰痛、かかとの痛み
- 耳鳴り、めまい、物忘れなどの神経症状
- 夜間尿が増える
- おりものが水っぽく、サラサラして多い
- 舌の色が淡く、舌苔が白い
こうした症状が複数あてはまる場合、腎虚タイプの可能性が考えられます。
腎虚の原因
腎虚は、もともとの体質に加えて、生活習慣や病気による消耗が重なることで悪化します。
- 生まれつき腎の力が弱い体質
- 長期的な病気や慢性的な疲労による消耗
- 加齢や過労、産後の体力低下
- 冷えや不摂生、不規則な生活習慣
これらの要因が腎精を消耗し、月経や妊娠力を弱める原因となります。
腎虚タイプの対策
腎虚を改善するためには、「腎を補い、血を養う」ことが基本になります。
まず生活習慣では、
- 十分な睡眠をとること(特に夜10時〜深夜1時は腎の時間とされるため早寝が理想)
- 過労を避け、冷えから体を守ること
- 足腰を使う軽い運動を取り入れること
- 性交渉を控えめにし、精力の消耗を防ぐこと
といったことが大切です。
食事と薬膳によるケア
腎を補う食材を積極的に取り入れると良いとされます。
- 黒豆、黒ゴマ、黒きくらげなど「黒い食材」
- 山芋、蓮の実、栗
- くるみ、豚肉、鶏肉、うなぎ
- 生姜やにんにくなど体を温める薬味
反対に、腎を弱めるとされるものは控えましょう。
- 冷たい飲み物やアイス、生もの
- 刺激の強い香辛料(唐辛子やカレー粉など)
- 油っこいものや消化の悪い食材
- 甘いものや加工食品のとりすぎ
漢方薬の活用
腎虚タイプの月経異常に用いられる漢方薬にはいくつかの代表例があります。
- 冷えが強い人には「八味地黄丸」や「牛車腎気丸」
- ほてりや口の渇きがある人には「六味地黄丸」や「杞菊地黄丸」
- 月経量が少なく不妊傾向がある人には「帰腎丸」
体質や症状の傾向によって処方は異なるため、自己判断せず漢方専門家に相談することが望ましいです。
まとめ
腎虚タイプで経血が少ない場合、その背景には腎精の不足や体の基礎力の低下があります。生活習慣を整え、腎を補う食材や漢方薬を取り入れることで改善が期待できます。ただし、貧血やホルモン異常など西洋医学的な原因が隠れている場合もあるため、必要に応じて医療機関での検査もあわせて行うと安心です。
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