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妊活中に激しい運動は大丈夫?女性の卵子の質と運動の関係

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「妊活中だからこそ運動をして体を整えたい!」と思う方は多いですが、実は運動のしすぎは卵子の質やホルモンバランスに悪影響を与えることがあります。

本記事では、妊活中の女性に向けて「運動と卵子の質の関係」「妊娠可能期の運動は安全か?」を、最新の研究をもとにわかりやすく解説します。

エネルギー利用可能性(EA)とは?

妊活中の運動を考えるうえで重要なのがエネルギー利用可能性(EA: Energy Availability)です。

EA = 摂取エネルギー - 運動で消費したエネルギー

つまり、運動をした後に体の働きを維持するために残るエネルギーのことを指します。

  • EAが十分 → ホルモンバランスが整い、生殖機能や骨密度、免疫機能も正常に働く
  • EAが低下(エネルギー不足) → 脳が「繁殖は後回し」と判断し、生殖機能を抑制する

EAが慢性的に不足すると、

  • 月経不順や排卵障害
  • 卵子の質の低下
  • 着床しづらい子宮環境

などにつながるリスクがあります。

運動は卵子の質にどう影響する?

適度な運動は血流改善やホルモンの安定に役立ち、卵巣に酸素や栄養が行き渡りやすくなります。その結果、卵子の質を保つサポートになります。

しかし、過度な運動でEAが不足すると、

  • エストロゲン分泌が減少し卵胞発育が不十分になる
  • 視床下部性無月経により排卵が止まる
  • 黄体機能不全で着床しづらくなる

といった影響が生じることがあります。つまり、「運動=良い」ではなく、「適度」が重要なのです。

妊娠可能期(排卵期〜高温期)の運動は?

「妊娠の可能性がある時期に運動をしていいの?」という疑問はとても大切です。

排卵期の運動

  • 軽いウォーキングやストレッチ → 血流を促進し、排卵や受精にプラス
  • 長時間のランニングや無酸素系の激しい筋トレ → 卵胞発育やホルモンに悪影響を及ぼす可能性

高温期(排卵後〜生理前)の運動

  • 着床の準備をしている大切な時期
  • 激しい運動は体温上昇や子宮環境に負担をかける可能性
  • ヨガやストレッチなどリラックス効果のある運動が安心

研究でも、軽度〜中等度の運動は妊娠率を高める可能性がある一方で、過度な運動は妊娠率を下げることが報告されています。

女性特有のリスク:女性アスリートの三主徴

過剰な運動と食事制限が重なると、女性には「女性アスリートの三主徴」と呼ばれる症状が現れやすくなります。

  • 低EA(エネルギー不足)
  • 無月経
  • 骨密度低下(骨粗鬆症)

これはアスリートに限らず、一般の女性でも起こる可能性があり、将来的な妊娠力低下につながるため注意が必要です。

妊活中におすすめの運動

◎ 取り入れたい運動

  • ウォーキング(20〜30分/日):血流改善・基礎代謝UP
  • ヨガ:自律神経を整え、ストレスを軽減
  • ストレッチ:骨盤周りの血流改善

× 控えたい運動

  • マラソンや長距離ランニング
  • ハードな筋トレ
  • サイクリング(骨盤周囲の温度上昇に注意)

まとめ

妊活中の女性にとって、運動は「体を整える味方」にも「卵子の質を損なうリスク」にもなりえます。

  • エネルギー利用可能性(EA)を意識することが重要
  • 卵子の質を守るには、適度な運動+十分な栄養+休養が必須
  • 妊娠可能期は、激しい運動を避け、ウォーキングやヨガなどで血流を整える

「頑張りすぎない運動習慣」が、妊娠への近道になります。

📚参考文献

  • Loucks AB. (2007). Energy availability and infertility. Curr Opin Endocrinol Diabetes Obes, 14(6), 470–476.
  • De Souza MJ, et al. (2014). Hypothalamic amenorrhea in athletes. Semin Reprod Med, 32(6), 433–441.
  • Wise LA, et al. (2012). Physical activity and fertility in women: prospective study. BMJ, 345, e4978.

妊活中の女性が運動後に疲れを感じている様子

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