36歳 ご主人は精索静脈瘤 自然周期での胚盤胞移植で妊娠
大阪市からお越しのKさん(36歳)が妊娠されました。
原因は男性不妊
- Kさんが初めて宇都宮鍼灸良導絡院にお越しになったのは2023年10月です。Kさんのご友人が当院でご懐妊されて、その方からのおすすめでお越しくださいました。
- それまでに3年の不妊期間がありました。タイミング療法、体外受精をされていて、妊娠しにくい原因は、Kさんご本人は特に原因はなく、男性不妊でご主人(36歳)の精索静脈瘤ということが分かりました。
- 精子の数が100分の1程度で運動率も低く、「自然妊娠は不可能」と不妊治療専門クリニックから指摘されました。精索静脈瘤の手術は受けられましたが、そこまで改善しないだろう。とも言われていました。
- 当院にお越しになる数日前に初めての採卵を終えたばかりで、移植に向けて鍼灸で身体を整えたいとご希望でした。
男性不妊について
「ヒト精液検査と手技 WHOラボマニュアル第5版」は、世界中の不妊治療施設で広く参考にされてきました。2021年7月には最新版である第6版が発表され、精液所見における基準値も更新されています。
パラメータ | 2011年(第6版) | 2010年(第5版) |
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精液量(ml) | 1.4 (1.3~1.5) | 1.5 (1.4~1.7) |
精子濃度(100万/ml) | 16 (15~18) | 15 (12~16) |
総精子数(100万/精液中) | 39 (35~40) | 39 (33~46) |
運動率(%) | 42 (40~43) | 40 (38~42) |
前進運動率(%) | 30 (29~31) | 32 (31~34) |
生存率(%) | 54 (50~56) | 58 (55~63) |
正常形態率(%) | 4 (3.9~4.0) | 4 (3.0~4.0) |
このデータは、「自然妊娠に成功した男性100人のうち、最も低い値(下位5%)はどれくらいだったか?」という統計に基づいており、いわば自然妊娠できた人たちの最低ラインを示しています。つまり、この基準値は「自然妊娠できた男性の中で最も数値の低い人の範囲」であり、残りの95%はこの基準を上回っていたということになります。
精液所見が基準値を超えていても、すべての男性が自然妊娠させられるわけではありません。精液所見は変動が大きく、1回の検査結果だけで判断するのではなく、5回程度の検査で平均的な状態を把握することが重要です。
目安として、精液量1.4ml、精子濃度1,600万/ml、精子運動率42%以上であれば自然妊娠の可能性がありますが、これを下回ると男性不妊の可能性があります。
第6版WHOマニュアルでは、精子DNA断片化検査や酸化ストレス測定が新たに追加され、精子の「質」にも注目が集まっています。加齢や生活習慣の乱れによって精子のDNAが損傷し、妊娠率の低下や流産リスクが高まることもあります。酸化ストレスの改善には、生活習慣の見直しや抗酸化サプリ(コエンザイムQ10・オメガ3など)が有効です。
また、鍼灸は乏精子症・精子無力症などの改善にも効果が期待されます。精液所見の向上を目指すうえで、検査と併せて鍼灸の活用もご検討ください。
移植に向けての鍼灸
Kさんは初診時より貧血傾向がみられ、問診では目まい・立ちくらみ・冷え・頭痛・肩こり・首こり・腰痛・足のむくみやだるさ、さらには月経時の吐き気など、多くの不定愁訴を抱えていらっしゃいました。日頃からお仕事のストレスも大きく、自律神経の乱れがうかがえました。自律神経が乱れると、内臓全体への血流量が低下し、さまざまな不調を引き起こします。中でも、首や肩のこりは自律神経の働きをさらに低下させる要因となります。
慢性的な肩こりや首こりによって自律神経の機能が阻害されると、卵巣や子宮をはじめとした内臓の働きにも悪影響が及び、内膜が厚くなりにくい、月経周期の乱れ、排卵障害などを引き起こす可能性があります。そのため、妊活における身体づくりでは、肩こりや首こりのケアも非常に重要です。
施術では、毎回Kさんの首・肩のこりをはじめとする不定愁訴を丁寧に伺い、その日の体調に合わせた鍼灸を行ってまいりました。Kさんは鍼灸刺激に敏感な体質であったため、施術後にだるさが残らないよう刺激量を細かく調整しながら進めていきました。継続して鍼灸を受けていただくうちに、当初多かった不調が徐々に軽減し、生理痛やレバー状の塊が軽くなったとご実感いただけました。また、姿勢不良などの骨格のゆがみに対しては、不妊整体にてメンテナンスを行い、仕事終わりの疲れ方が改善され、歩き方も良くなったとのお声をいただきました。
その後、採卵を終え、2周期の休養を経て迎えた自然周期での凍結融解胚盤胞移植(SEET法)にて、見事陽性反応を確認することができました。移植周期には、内膜がしっかりと厚くなるよう、鍼灸およびレーザー施術にてしっかりとサポートを行いました。現在は妊娠20週を迎え、安定期を目前にマタニティ鍼灸を継続されています。
Kさん、このたびは本当におめでとうございます。これからも安心・安全なマタニティライフを送っていただけるよう、心を込めてサポートさせていただきます。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
Kさん妊娠お喜びの声
▢ お悩みの症状またはご来院当初の目的をお聞かせください
クリニックでの体質チェックの結果がとても悪く、移植に向けて早急に生活習慣などを見直す必要があったので、とりあえず鍼灸に通って体をととのえてもらおうと思ったため。
▢ 鍼灸以外で妊娠(陽性反応)された方法に〇をつけてください
体外受精・顕微授精・胚盤胞移植(シートあり)
▢ ご自身で「これは良かった!」「自分に合っていた!」と思われた妊活があればお教えください
レーザー・温活・サプリメント・漢方
▢ 鍼灸施術を受けていただいた感想をお聞かせください
通い続けるうちに、後頭部のコりがほぐれて、頭がひとまわり小さくなった感覚になりました。毎年冬は、寒さにより体がコリかたまってしんどくなるのですが、この冬はその症状がなく、リラックスして治療に専念することができました。あと私はもともと姿勢が悪く骨盤もゆがんでるので、骨盤矯正もうけたのですが、次の日から 仕事後の疲労度が違ってびっくりしました。(座り方が変化したからかな?)
▢ 同じように悩まれている方へアドバイス(ご自身でやって良かったこと、若しくは続けることが出来たセルフ妊活など) やメッセージがあればお願いいたします
- 温かい飲み物をのむ(レンジでいちいち温める。白湯もレンジでつくる。)
- お風呂で身体をあたためる
- 葉酸サプリ、ビタミンD(クリニックの血液検査で不足してた)
- 移植した当日からビタミンEをのむ
- 漢方薬をのむ
- 腹巻き。冬はレッグウォーマーも。
- ストレス・疲れをためない。自分の機嫌をとって、楽しくすごす。
※【免責事項】すべての方にあてはまるものではありません。効果の実感には個人差があります。