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妊娠判定までによくある症状|症状がなくても大丈夫?判定日前に知っておきたいこと

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胚移植や人工授精のあと、妊娠判定日までの期間は、いつもなら気にならない身体の変化にも敏感になりやすいものです。

「下腹部がチクチクする」「胸が張らなくなった」「眠くて仕方がない」「まったく症状がないけれど大丈夫?」

このような不安を感じる方は少なくありません。

しかし、最初に知っておいていただきたいのは、妊娠判定前の症状だけで、妊娠している・していないを判断することはできないということです。

妊娠初期にみられる身体の変化には個人差があり、不妊治療中は黄体ホルモン製剤などの薬剤による症状が重なることもあります。

この記事では、妊娠判定日までにみられることがある34の身体の変化と、症状がない場合の考え方、受診が必要な症状について解説します。

この記事の要点まとめ
  • 妊娠判定前の症状だけで妊娠の有無は判断できません。
  • 下腹部痛・胸の張り・眠気・吐き気などは、妊娠していない周期にも起こります。
  • 何も症状がなくても、妊娠している可能性はあります。
  • 少量の出血があっても、着床した証拠とは限りません。
  • 強い腹痛や大量出血、急激なお腹の張りなどは、判定日を待たず医療機関へ相談してください。
  • 処方された黄体補充薬などは自己判断で中止しないことが大切です。

妊娠判定までにみられる34の症状一覧

妊娠判定前には、さまざまな身体の変化を感じることがあります。

ただし、以下の34項目は妊娠したことを示すチェックリストではありません。妊娠と関係なく起こる症状も含まれています。

気になる症状を確認しながら、それぞれの特徴を見ていきましょう。

① お腹・下腹部まわりの症状(1〜8)

  1. 下腹部のチクチク・ズキズキした痛み
  2. 下腹部の張りや重だるさ
  3. 下腹部が引っ張られる感じ
  4. 生理前のような鈍い痛み
  5. 足の付け根の突っ張り感
  6. お腹の張り・ガスがたまる感じ
  7. 便秘
  8. お腹がゆるくなる

下腹部の違和感や張りは、妊娠判定前に感じることがある症状です。

しかし、こうした症状は通常の黄体期にもみられ、採卵後の卵巣の腫れや、ホルモン製剤の影響などが関係している場合もあります。

そのため、「チクチクするから着床した」「痛みがなくなったから妊娠していない」とは判断できません。

軽い違和感であっても、痛みが強くなる場合や片側に偏った痛みが続く場合は、通院先に相談しましょう。

② 出血・おりものの変化(9〜11)

  1. 少量の出血(茶色っぽい・ピンクっぽい出血)
  2. おりものの量が増える
  3. おりものの色や質感が変化する

妊娠初期に少量の性器出血を経験する方がいることは、研究でも報告されています。

Harvilleらの前向き研究では、妊娠初期の出血は月経予定日頃にみられることがありましたが、着床日そのものに起こることはまれでした。

この研究では、出血が着床によって起こるという仮説を支持する結果は得られていません。

参考:Harvilleらの研究(PubMed)

したがって、「少量の出血=着床したサイン」と決めつけないことが大切です。

また、胚移植後に使用する膣剤の影響や、膣内への刺激などで少量の出血やおりものの変化が生じることもあります。

ただし、出血の原因を症状だけで判断することはできません。出血があった場合は、量や色、痛みの有無を確認し、通院先の指示に従ってください。

③ 胸の症状(12〜15)

  1. 胸の張り
  2. 胸の痛み・チクチク感
  3. 乳首が敏感になる
  4. 下着が擦れて痛む

胸の張りや痛みは、妊娠初期にも月経前にもみられる症状です。

特に、プロゲステロンなどを使用して黄体補充を行っている場合は、薬剤の影響で胸の張りを感じることがあります。

一方、妊娠していても胸の張りをほとんど感じない方もいます。

「昨日まで胸が張っていたのに、今日は張らない」という変化だけで、妊娠の結果や経過を判断することはできません。

④ 体温・全身の症状(16〜25)

  1. 高温期が続く
  2. 微熱っぽさ・身体のほてり
  3. 寒気・風邪のひき始めのような感じ
  4. だるさ・倦怠感
  5. 強い眠気
  6. 寝つきが悪い・眠りが浅い
  7. むくみ
  8. 腰痛・腰の重さ
  9. 頭痛
  10. めまい・立ちくらみ

妊娠初期には、ホルモン環境の変化に伴い、眠気やだるさなどを感じることがあります。

しかし、こうした症状がいつから現れるかには、大きな個人差があります。

妊娠を希望する221人を追跡したSayleらの研究では、生児出産に至った136人のうち、最終月経開始から36日までに妊娠関連の症状が始まった方は約半数でした。

一方、妊娠8週の終わりまでには約89%が何らかの症状を経験していました。

参考:Sayleらの研究(PubMed)

つまり、妊娠が成立していても、判定日の頃にはほとんど症状が出ていない方がいるということです。

また、高温期が続くことや一時的に体温が下がることだけで、妊娠の有無は判断できません。特にホルモン補充周期では、自然周期とはホルモン環境が異なります。

なお、明らかな発熱や強い寒気がある場合は、妊娠症状と決めつけず、感染症などの可能性も考えて医療機関に相談してください。

⑤ 胃腸・味覚・嗅覚の変化(26〜30)

  1. 吐き気・胃のむかつき
  2. 食欲が増える、または落ちる
  3. においに敏感になる
  4. 味覚の変化(苦味・金属っぽい味など)
  5. 喉が渇きやすい

吐き気や胃のむかつきは、妊娠初期によく知られている症状の一つです。

妊娠を希望する女性256人を前向きに追跡したGadsbyらの研究では、吐き気・嘔吐を経験した241人のうち、約67%が排卵後11〜20日の間に症状を感じ始めていました。

参考:Gadsbyらの研究(PubMed)

ただし、この研究は主に自然妊娠を目指す女性を対象としており、不妊治療中の判定日前の症状をそのまま予測するものではありません。

吐き気があるから妊娠している、吐き気がないから妊娠していない、という判断はできません。

胃腸の不調やストレス、薬剤などによっても吐き気が起こることがあります。

⑥ 肌・排尿・気分の変化(31〜34)

  1. 肌荒れ・ニキビ
  2. 頻尿・トイレが近くなる
  3. 気分の浮き沈み・イライラ
  4. 不安感・落ち込み

ホルモン環境の変化に伴い、肌や気分、排尿などに変化を感じることもあります。

ただし、これらも妊娠に特有の症状ではありません。

特に妊娠判定を待つ期間は、期待と不安が入り混じり、睡眠や食事、生活リズムなどが変化しやすい時期です。

身体だけでなく、気持ちの変化が大きくなることも珍しくありません。

妊娠判定までに症状がなくても大丈夫?

妊娠判定日が近づいても、何の変化も感じないと不安になる方がいらっしゃいます。

しかし、症状がないからといって、妊娠していないわけではありません。

前述のSayleらの研究でも、生児出産に至った妊娠で、症状が始まる時期には個人差がありました。

最終月経開始から36日までに症状を感じ始めた方は約半数で、残りの方はそれより遅い時期に症状を感じ始めています。

そのため、判定日頃に症状がほとんどなくても、それ自体は妊娠の可能性を否定する理由にはなりません。

症状がないときに覚えておきたいこと
  • 胸の張りがなくても妊娠している場合があります。
  • 下腹部痛がなくても妊娠している場合があります。
  • 眠気や吐き気がなくても不自然ではありません。
  • 途中で症状がなくなっても、それだけで結果は分かりません。
  • 最終的な確認は、予定された妊娠判定で行います。

下腹部痛・出血・胸の張りで着床は分かる?

妊娠判定前に気になりやすい症状が、下腹部痛・出血・胸の張りです。

しかし、これらは妊娠が成立している場合にも、成立していない場合にもみられます。

下腹部がチクチクする場合

下腹部のチクチク感を「着床痛」と呼ぶことがありますが、痛みだけで着床したことを確認できるわけではありません。

腸の動きや月経前の変化、薬剤の影響などによる可能性もあります。

茶色い出血やピンク色のおりものがある場合

少量の出血がみられることはありますが、出血だけで着床したかどうかは分かりません。

膣剤による刺激などが関係する場合もあります。少量であっても、出血があれば通院先の案内に従って相談しましょう。

胸の張りが突然なくなった場合

胸の張りはホルモン環境や薬剤の影響を受けるため、日によって感じ方が変化することがあります。

胸の張りがなくなったことだけで、妊娠していない、あるいは妊娠が継続していないとは判断できません。

妊娠判定前の症状と黄体補充薬の関係

体外受精や胚移植では、黄体ホルモンの補充を行うことがあります。

プロゲステロン製剤などの影響により、次のような症状が現れる場合があります。

  • 胸の張りや痛み
  • 眠気やだるさ
  • 下腹部の張り
  • 便秘などの胃腸症状
  • 気分の変化
  • おりものや膣内の違和感

これらは妊娠初期にもみられることがあるため、妊娠による症状と薬剤による症状を区別することは困難です。

また、症状がなくなった場合や出血があった場合でも、処方されている薬は自己判断で中止せず、治療を受けている医療機関の指示に従ってください。

当院でお伝えしていること

妊娠判定を待つ期間は、小さな身体の変化が気になるものです。

宇都宮鍼灸良導絡院では、妊活中の体調についてご相談をいただいた際、症状だけで妊娠の結果を判断しないことを大切にお伝えしています。

また、睡眠や冷え、日々の疲れ、ストレスなどにも目を向けながら、できるだけ無理のない生活を心がけていただくようお話ししています。

鍼灸施術においても、その時々の体調や治療状況を確認し、必要に応じて通院先の医師への相談をおすすめしています。

妊娠判定日を待たずに受診・相談したい症状

妊娠判定前の身体の変化の多くは、妊娠の有無を判断する材料にはなりません。

一方で、症状によっては治療に伴う合併症や、早急な診察が必要な状態が隠れていることがあります。

次のような症状は通院先へ連絡してください

  • 腹痛が強い、または徐々に強くなっている
  • 出血量が増えている、月経のような出血が続く
  • お腹が急に大きく張ってきた
  • 短期間で急激に体重が増えた
  • 尿量が明らかに減っている
  • 強い吐き気や嘔吐が続く
  • 発熱や強い体調不良がある

特に、排卵誘発や採卵後に注意したいのが卵巣過剰刺激症候群(OHSS)です。

OHSSは、生殖補助医療に伴って起こることがある合併症です。ASRM(米国生殖医学会)のガイドラインでも、その予防と管理の重要性が示されています。

参考:ASRMガイドライン(PubMed)

特に緊急性が高い症状

次のような症状がある場合は、通院先の診療時間を待たず、救急医療機関への相談・受診が必要です。

  • 突然の激しい腹痛
  • 強い片側の下腹部痛や肩先の痛み
  • 失神しそうなめまい、意識を失う
  • 大量の出血
  • 強い息苦しさや胸の痛み

妊娠が成立していた場合には、子宮外妊娠(異所性妊娠)なども考慮する必要があります。妊娠判定前であっても、緊急性の高い症状は放置しないでください。

妊娠判定日までの過ごし方で大切なこと

妊娠判定を待っていると、どうしても身体の変化が気になりやすくなります。

「昨日あった症状が今日はない」「他の人には症状があるのに自分にはない」「これは着床のサインなのかな?」と考えてしまうこともあるでしょう。

しかし、妊娠初期症状には個人差があり、不妊治療中は薬剤の影響も重なります。

判定日までは、次のことを意識してみてください。

  • 症状の有無を妊娠の結果と結びつけすぎない
  • 処方された薬を自己判断で中止しない
  • 十分な睡眠と無理のない生活を心がける
  • 不安が強いときは医療機関や身近な人に相談する
  • 強い症状や気になる変化があれば早めに通院先へ連絡する

判定日までの間、身体の変化を妊娠の「答え合わせ」にする必要はありません。

症状があっても、なくても、それだけで結果を決めつけないことが大切です。

妊娠判定前の症状に関するよくある質問

Q1. 胚移植後、何も症状がなくても妊娠している可能性はありますか?

はい、あります。妊娠初期症状の出現時期には個人差があり、判定日頃にほとんど症状がない方もいます。症状がないことだけで妊娠の可能性を否定することはできません。

Q2. 下腹部がチクチクするのは着床したサインですか?

下腹部のチクチク感だけで着床したとは判断できません。月経前の変化や腸の動き、薬剤などによっても似た症状が起こることがあります。

Q3. 妊娠判定前に茶色い出血があっても大丈夫ですか?

少量の出血がみられることはありますが、原因を出血の色や量だけで判断することはできません。膣剤による刺激などの可能性もありますが、出血した場合は通院先に相談してください。強い痛みや大量の出血がある場合は、早急な受診が必要です。

Q4. 胸の張りがなくなったら妊娠していないのでしょうか?

いいえ。胸の張りには個人差があり、日によって変化することもあります。症状の変化だけで妊娠の有無は判断できません。

Q5. 妊娠判定前に市販の妊娠検査薬を使ってもよいですか?

判定日前の検査は、時期が早すぎると妊娠していても陰性になることがあります。また、hCGを含む注射薬を使用した場合には、その影響で陽性となることもあります。最終的な判断は通院先での妊娠判定に従ってください。

Q6. 出血や症状の変化があったら黄体補充薬を中止してもよいですか?

自己判断で中止しないでください。薬剤の継続や変更については、治療を受けている医療機関の指示に従いましょう。

まとめ|妊娠判定前の症状だけで結果は分かりません

胚移植後や人工授精後、妊娠判定日までには、下腹部痛・胸の張り・出血・眠気・吐き気など、さまざまな身体の変化を感じることがあります。

しかし、これらは妊娠している場合にも、妊娠していない場合にも起こることがある症状です。

最後に覚えておきたいこと
  • 症状の有無だけで妊娠の結果は予測できません。
  • 症状が途中でなくなっても、それだけで判断する必要はありません。
  • 少量の出血があっても、着床した証拠とは限りません。
  • 強い痛みや出血などは我慢せず医療機関に相談してください。
  • 黄体補充薬などは医師の指示に従って使用してください。

妊娠判定日を待つ期間は、不安を感じやすいものです。

身体の変化を気にしすぎて負担を抱え込まず、できるだけ普段どおりの生活を心がけながら、予定された判定日を迎えていただければと思います。

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📚参考文献

  • Sayle AE, Wilcox AJ, Weinberg CR, Baird DD.A prospective study of the onset of symptoms of pregnancy.J Clin Epidemiol.2002;55(7):676-680.doi:10.1016/S0895-4356(02)00402-X.
    PubMedで確認する
  • Gadsby R, Ivanova D, Trevelyan E, Hutton JL, Johnson S.The onset of nausea and vomiting of pregnancy: a prospective cohort study.BMC Pregnancy Childbirth. 2021;21:10.doi:10.1186/s12884-020-03478-7.
    PubMedで確認する
  • Harville EW, Wilcox AJ, Baird DD, Weinberg CR.Vaginal bleeding in very early pregnancy.Hum Reprod. 2003;18(9):1944-1947.doi:10.1093/humrep/deg379.
    PubMedで確認する
  • Practice Committee of the American Society for Reproductive Medicine.Prevention of moderate and severe ovarian hyperstimulation syndrome: a guideline.Fertil Steril. 2024;121(2):230-245.doi:10.1016/j.fertnstert.2023.11.013.
    PubMedで確認する
  • National Health Service (NHS).Ectopic pregnancy – Symptoms.
    NHS公式サイトで確認する

この記事の監修者

宇都宮泰子 監修者写真

院長:宇都宮 泰子
(うつのみや やすこ)

FEMICA認定妊活指導士/鍼灸学修士/MBA(経営管理修士)
はり師・きゅう師(国家資格)

  • 日本フェムライフ統合ケア協会 代表理事
  • 日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー
  • 日本生殖医学会会員

不妊・不育症を専門とし、東洋医学と生殖医療の両面から体質改善をサポート。大学院研究員としての研究活動も行いながら、臨床現場で妊活支援に従事している。

※本記事は一般的な医学情報を提供するものであり、診断・治療を目的とするものではありません。治療方針は必ず主治医の指示に従ってください。

妊娠判定までの不安や身体の変化が気になる方へ

胚移植後や人工授精後、妊娠判定日を待つ期間は、ちょっとした身体の変化にも不安を感じやすいものです。

「症状がないけれど大丈夫?」「下腹部の違和感が気になる」「判定日までどのように過ごせばよい?」など、お悩みを抱えている方もいらっしゃいます。

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