
不妊と疲労:見過ごされがちな繋がりと鍼灸によるアプローチ
更新日:
不妊と疲労は現代人に共通する課題。実はこの二つには密接な関係があり、東洋医学では一体のものとして考えます。この記事では、その関係性と鍼灸による改善法を詳しく紹介します。
目次
日本における疲労の実態と不妊への影響
厚生労働省のデータによると、約6割が疲労を感じており、不妊に悩む夫婦は5.5組に1組。このことから、慢性的な疲労が不妊に影響している可能性が示唆されます。
疲労の種類と症状
- 急性疲労:睡眠で回復する短期的疲れ
- 亜急性疲労:1週間ほど続く疲労
- 慢性疲労:6ヶ月以上続く深刻な疲労
身体的・精神的な疲れに分類され、それぞれ異なる症状が出ます。
不妊治療における疲労の原因
- パソコン作業
- 残業
- 顧客対応
- 職場の人間関係
- 長時間拘束
これらは体力的負担に加えて精神的ストレスを伴い、不妊治療の妨げになります。
科学的視点:活性酸素と酸化ストレスの影響
疲労が蓄積すると活性酸素が過剰発生し、細胞や卵子・精子にダメージを与えます。これが「酸化ストレス」となり、妊娠率の低下に繋がります。
東洋医学の視点:気血両虚証とは
疲労=気虚状態であり、進行すると血虚へ。これが合併したものを気血両虚証と呼び、妊娠力低下と関係しています。
臓腑との関係性
- 肝:目の酷使や情緒不安と関連
- 脾:気の生成を司り、思い悩みにも関係
- 腎:生殖機能の根源とされる
鍼灸による改善アプローチ
以下のツボを刺激することで、疲労を軽減し、妊娠しやすい体づくりが可能になります:
- 中脘:気の生成を助ける
- 足三里:全身の気血を補う
- 関元:生殖力の向上
- 気海:全身の活力アップ
- 太白:脾を整え、気血を作る
- 肺兪・脾兪:呼吸器・消化器の調整
自宅でのお灸ケアも効果的です。
まとめ:疲労の回復が妊娠力アップの鍵
疲労は妊娠を阻む要因のひとつ。鍼灸で体と心のバランスを整え、自然な妊娠力を取り戻しましょう。
妊活でお悩みの方は、ぜひ宇都宮鍼灸良導絡院までご相談ください。経験豊富な鍼灸師が全力でサポートいたします。
参考文献
- 酸化ストレスと不妊症の関係
- 日本産婦人科医会 愛護的ケア
- 『鍼灸臨床マニュアル』北村智・森川和宥