
【片頭痛と東洋医学】雨の日・気圧で悪化する頭痛を体質から考える
ズキズキとこめかみが痛む、吐き気がする、光や音がつらい、雨の日や気圧の変化で頭痛が悪化する——。
このような片頭痛に悩んでいる方は少なくありません。片頭痛は「ただの頭痛」ではなく、生活習慣、睡眠、ストレス、ホルモン変動、天候の変化など、さまざまな要因が重なって起こることがあります。
西洋医学では、片頭痛は中等度から重度のズキズキした痛み、吐き気、光や音への過敏、前兆を伴うことがある頭痛として説明されています。一方、東洋医学では、片頭痛を「気・血・津液(水分)」の巡りや、五臓のバランスの乱れとして捉えます。
特に、ストレスや緊張と関係しやすい「肝」、胃腸や水分代謝と関係する「脾」の状態が、頭痛の出方に影響すると考えます。
- 片頭痛は、ストレス・睡眠不足・月経周期・天候や気圧の変化など、複数の要因が重なって起こることがあります。
- 東洋医学では、片頭痛を「気・血・津液(水分)」の巡りや、「肝」「脾」などのバランスから考えます。
- こめかみのズキズキ、イライラ、目の疲れを伴う場合は「肝陽上亢タイプ」の傾向が考えられます。
- 雨の日や湿気で頭が重くなる、むくみや胃腸の不調を伴う場合は「痰湿阻絡タイプ」の傾向が考えられます。
- 体質に合わせたセルフケアは役立ちますが、強い頭痛や今までと違う頭痛がある場合は、早めに医療機関へ相談することが大切です。


目次
片頭痛は「体質」と「誘因」が重なって起こることがある
片頭痛は、ひとつの原因だけで起こるとは限りません。次のような要因が重なることで、頭痛が起こりやすくなることがあります。
- ストレスや緊張
- 睡眠不足、または寝すぎ
- 空腹
- 月経前後などのホルモン変動
- 天候や気圧の変化
- 光・音・においなどの刺激
- アルコールや特定の食品
「雨の日に頭痛が出る」「気圧が下がる前に体調が悪くなる」という方もいます。天気の変化は片頭痛の誘因のひとつとされ、気圧や湿度、降雨などが関係する可能性があると考えられています。
ただし、天気だけが原因というより、睡眠不足・ストレス・疲労・月経周期など、複数の誘因が重なって発作につながることが多いと考えられます。
東洋医学でみる片頭痛の考え方
東洋医学では、片頭痛を「どこが痛むか」だけでなく、痛みの性質、悪化しやすいタイミング、胃腸の状態、むくみ、冷え、ストレス、月経周期などを含めて考えます。
同じ片頭痛でも、こめかみがズキズキして、イライラや目の疲れを伴う方と、頭が重だるく、雨の日や湿気で悪化しやすい方では、背景にある体質が異なると考えます。
ここでは、片頭痛で比較的よくみられる体質として、「肝陽上亢タイプ」と「痰湿阻絡タイプ」に分けて考えてみます。
片頭痛の体質チェック
肝陽上亢タイプ|ストレス・緊張・のぼせと関係しやすい頭痛
次の項目に当てはまるものが多い方は、「肝陽上亢タイプ」の傾向があるかもしれません。
- こめかみから頭頂部にかけてズキズキ痛む
- ストレスがかかると頭痛が出やすい
- イライラしやすい
- 目が充血しやすい
- 眼精疲労を感じやすい
- 顔がほてりやすい
- 耳鳴りを感じることがある
- 月経前に頭痛が悪化しやすい
- 寝不足や過労で頭痛が出やすい
東洋医学では、「肝」は気の巡りや感情、自律神経のような働きと関係が深いと考えます。ストレスや緊張が続くと、肝の気が上にのぼりやすくなり、頭部に熱や血の偏りが生じることで、こめかみや頭頂部のズキズキした痛みにつながると考えます。
このタイプは、頑張りすぎる方、緊張を抜くのが苦手な方、睡眠不足が続いている方にみられやすい傾向があります。
肝陽上亢タイプのセルフケア
このタイプでは、まず頭にのぼった熱や緊張をゆるめることを意識します。
- 夜更かしを避ける
- スマホやパソコンの見すぎを控える
- 深呼吸や散歩で緊張を抜く
- アルコールや辛いものを控えめにする
- 月経前は予定を詰め込みすぎない
- 目の疲れをためないように休憩を入れる
食材では、セロリ、トマト、小松菜、春菊、菊花茶など、熱を冷まし巡りを整えるようなものを取り入れる考え方があります。ただし、冷えが強い方は冷たいものを摂りすぎないよう注意が必要です。
おすすめのツボとしては、足の甲にある太衝(たいしょう)がよく用いられます。足の親指と人差し指の骨の間をたどり、指が止まるくぼみ付近にあります。強く押しすぎず、気持ちよい程度にゆっくり刺激しましょう。
痰湿阻絡タイプ|雨の日・湿気・胃腸の弱さと関係しやすい頭痛
次の項目に当てはまるものが多い方は、「痰湿阻絡タイプ」の傾向があるかもしれません。
- 頭が重だるい
- 頭全体が締めつけられるように感じる
- 雨の日や湿気の多い日に悪化しやすい
- 気圧の変化で体調が崩れやすい
- めまいや吐き気を伴うことがある
- 胃腸が弱い
- 食後に眠くなりやすい
- むくみやすい
- 体が重く、だるさが取れにくい
- 甘いものや冷たい飲み物をよく摂る
東洋医学では、「脾」は胃腸の働きや水分代謝と関係すると考えます。脾の働きが弱くなると、体内の余分な水分が停滞しやすくなり、これを「湿」や「痰湿」と表現します。
痰湿がたまると、気血の巡りが妨げられ、頭が重い、だるい、締めつけられる、吐き気を伴うといった不調につながると考えます。
雨の日や湿度が高い日に頭痛が悪化しやすい方は、もともとの体質に加えて、外からの湿気や気圧変化が影響している可能性があります。
痰湿阻絡タイプのセルフケア
このタイプでは、余分な湿をためないこと、胃腸に負担をかけないことが大切です。
- 冷たい飲み物を控える
- 甘いものを摂りすぎない
- 食べすぎ、飲みすぎに注意する
- 軽い運動で汗をかく
- 湯船につかって体を温める
- 雨の日は無理な予定を入れすぎない
- 胃腸を休ませる時間をつくる
食材では、ハトムギ、とうもろこし、黒豆、しょうが、ねぎ、きのこ類などが取り入れやすいです。冷たいサラダやアイス、甘い飲み物が多い方は、まず温かい汁物や常温の飲み物に変えるだけでも、体の重だるさが変わることがあります。
おすすめのツボとしては、すねの外側にある豊隆(ほうりゅう)がよく用いられます。膝と足首の中間あたり、すねの外側の筋肉がふくらむ部分にあります。頭の重さ、痰湿、むくみ、胃腸の不調が気になる方に使われることがあります。
雨の日・気圧で頭痛が悪化する人が意識したいこと
「雨の日に頭痛が出る」「低気圧の前に体が重くなる」という場合、東洋医学では、体内の水分代謝や自律神経の乱れを含めて考えます。
西洋医学的にも、天候の変化は片頭痛の誘因のひとつとされます。ただし、天気だけで頭痛が起こると決めつけるのではなく、睡眠不足、疲労、ストレス、空腹、月経周期なども一緒に記録しておくことが大切です。
おすすめは、頭痛日記をつけることです。
- 頭痛が起きた日
- 天気や気圧の変化
- 睡眠時間
- 食事内容
- 月経周期
- ストレスの有無
- 薬を飲んだタイミング
- 痛みの強さ
これらを記録しておくと、「自分は雨の日だけでなく、寝不足と空腹が重なると悪化しやすい」「月経前と気圧低下が重なるとつらい」など、自分のパターンが見えやすくなります。
西洋医学的にみた片頭痛の特徴
片頭痛は、次のような特徴を伴うことがあります。
- 片側、または両側にズキンズキンとした痛みが出る
- 中等度から重度の痛みになることがある
- 吐き気や嘔吐を伴う
- 光や音に敏感になる
- 体を動かすと悪化する
- 数時間から数日続くことがある
- 視界にキラキラした光が見えるなど、前兆を伴うことがある
片頭痛の治療には、発作時に使う薬や予防薬など、症状や頻度に応じた選択肢があります。セルフケアは大切ですが、片頭痛が頻繁に起こる場合や、日常生活に支障がある場合は、自己判断で我慢し続けず、医療機関に相談することも大切です。
すぐに受診した方がよい頭痛
片頭痛だと思っていても、別の病気が隠れていることがあります。次のような頭痛がある場合は、早めに医療機関を受診してください。
- 今まで経験したことがないほど強い頭痛
- 突然バットで殴られたような激しい頭痛
- 手足のしびれ、ろれつが回らない、意識がぼんやりする
- 発熱や首の硬さを伴う
- 頭を打ったあとに出てきた頭痛
- 日に日に悪化していく頭痛
- 50歳以降に初めて出てきた強い頭痛
- 妊娠中・産後の強い頭痛
- 鎮痛薬を頻繁に使わないと過ごせない頭痛
このような症状は、片頭痛以外の病気が関係している可能性もあるため、注意が必要です。
片頭痛は「薬だけ」ではなく、体質と生活を見直すことも大切
片頭痛があると、「また痛くなるかもしれない」と不安になり、外出や仕事、家事の予定を立てにくくなることがあります。
もちろん、必要なときに薬を使うことは大切です。痛みを我慢し続けることが、かえって生活の質を下げてしまう場合もあります。
その一方で、東洋医学の視点を取り入れると、「なぜ自分はこのタイミングで頭痛が出やすいのか」「どのような体質傾向があるのか」を見直すきっかけになります。
ストレスで悪化しやすい方は、肝の高ぶりを鎮めるケアを。雨の日や湿気で悪化しやすい方は、痰湿をためにくい生活を。このように、自分の体質に合わせたセルフケアを少しずつ取り入れることで、片頭痛と上手につき合いやすくなります。
この記事のまとめ
片頭痛は、ストレス、睡眠、ホルモン変動、天候、気圧、食事など、さまざまな誘因が重なって起こることがあります。
東洋医学では、片頭痛を「気・血・津液の巡り」や「肝・脾のバランス」から考えます。こめかみのズキズキ、イライラ、目の疲れがある方は「肝陽上亢タイプ」、雨の日の頭重感、むくみ、胃腸の弱さがある方は「痰湿阻絡タイプ」の傾向が考えられます。
ただし、東洋医学的な体質分類は診断ではありません。頭痛が強い、頻度が多い、今までと違う症状がある場合は、医療機関で相談することが大切です。
日々の生活では、頭痛日記をつけながら、自分の誘因や体質傾向を把握し、無理のない範囲で睡眠、食事、運動、ストレスケアを整えていきましょう。
片頭痛は東洋医学で改善できますか?
東洋医学では、片頭痛を体質や生活習慣、気血水の巡りの乱れから考えます。鍼灸や養生によって、頭痛が出やすい体質や緊張、冷え、むくみ、胃腸の弱さなどに働きかけることはできますが、すべての片頭痛が必ず改善するわけではありません。症状が強い場合や頻度が多い場合は、医療機関での診察も大切です。
雨の日や気圧の変化で頭痛が出るのはなぜですか?
雨の日や気圧の変化は、片頭痛の誘因のひとつとされています。東洋医学では、湿気や水分代謝の乱れ、自律神経の不安定さが関係すると考えることがあります。ただし、天気だけが原因とは限らず、睡眠不足、疲労、ストレス、月経周期などが重なることで頭痛が出やすくなることもあります。
片頭痛の体質は自分で判断できますか?
チェックリストで体質の傾向を知ることはできますが、自己判断だけで決めつける必要はありません。こめかみのズキズキやイライラが強い方は「肝陽上亢タイプ」、頭の重だるさやむくみ、胃腸の弱さがある方は「痰湿阻絡タイプ」の傾向が考えられます。実際には複数の体質が重なっていることもあります。
片頭痛があるときにツボ押しをしても大丈夫ですか?
軽い頭痛や予防的なケアとして、太衝や豊隆などのツボをやさしく刺激することは取り入れやすい方法です。ただし、強い痛みがあるときに無理に押したり、痛みを我慢して刺激を続けたりする必要はありません。強い頭痛、吐き気、しびれ、ろれつが回らないなどの症状がある場合は、ツボ押しよりも医療機関への相談を優先してください。
片頭痛で病院に行く目安はありますか?
今までにない強い頭痛、突然起こる激しい頭痛、手足のしびれ、言葉が出にくい、発熱、首の硬さ、意識がぼんやりするなどの症状がある場合は、早めの受診が必要です。また、鎮痛薬を頻繁に使っている場合や、頭痛で日常生活に支障が出ている場合も、一度医療機関で相談しておくと安心です。
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📚参考文献
この記事の監修者


院長:宇都宮 泰子
(うつのみや やすこ)
FEMICA認定妊活指導士/鍼灸学修士/MBA(経営管理修士)
はり師・きゅう師(国家資格)
- 日本フェムライフ統合ケア協会 代表理事
- 日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー
- 日本生殖医学会会員
不妊・不育症を専門とし、東洋医学と生殖医療の両面から体質改善をサポート。大学院研究員としての研究活動も行いながら、臨床現場で妊活支援に従事している。
※本記事は一般的な医学情報を提供するものであり、診断・治療を目的とするものではありません。治療方針は必ず主治医の指示に従ってください。
片頭痛を体質から見直したい方へ
片頭痛は、痛みが出ている時だけでなく、日頃の疲れやストレス、睡眠の乱れ、胃腸の弱さ、むくみや冷えなどが関係していることもあります。
「雨の日になると頭が重い」「気圧の変化で体調が崩れやすい」「ストレスがたまるとこめかみが痛くなる」など、頭痛の出方にはその方の体質があらわれることがあります。
宇都宮鍼灸良導絡院では、東洋医学の視点からお身体の状態を確認し、頭痛そのものだけでなく、頭痛が起こりやすい背景にある体質や自律神経の乱れにも目を向けて施術を行っています。
お薬だけに頼るのが不安な方、片頭痛を繰り返していて生活に支障を感じている方は、無理に我慢せず、一度ご相談ください。
ご自身の頭痛のタイプを知り、日々の過ごし方や体質改善のきっかけを見つけることから始めてみましょう🍀







