妊活中にセロトニンが重要な訳
目次
セロトニン
脳内の神経伝達物質のひとつで、ドパミン・ノルアドレナリンを制御し精神を安定させる働きをする。
他の神経伝達物質であるドパミン(喜び、快楽など)やノルアドレナリン(恐怖、驚きなど)などの情報をコントロールし、精神を安定させる働きがあります。
セロトニンが低下すると、これら2つのコントロールが不安定になりバランスを崩すことで、攻撃性が高まったり、不安やうつ・パニック症(パニック障害)などの精神症状を引き起こすといわれています。
近年、セロトニンの低下の原因に、女性ホルモンの分泌の減少が関係していることが判明し、更年期障害と関わりがあることが知られるようになりました。
セロトニンは痛みを抑制
脳内の神経伝達物質であるセロトニンは「痛み」を抑制してくれます。痛みの感じ方には個人差がありますが、妊活中に様々な部位の痛みを感じる方は必見です。
セロトニンが不足してしまうと、痛みを感じやすくなり痛みに弱くなってしまう場合があります。妊活をされている方には、原因不明の体の痛みを訴える方がいらっしゃいます。全てがセロトニンの不足とは言えませんが、セロトニンが関与し、セロトニンが不足しているサインの可能性があります。
ホルモンバランスにも関係する
心が折れて、次に進めない、しばらく休みたいというお声を聴きます。
妊活中は思うように結果がでなくて辛い思いをすることが度々あります。良好胚を移植しても着床しない、着床したのに流産したり、採卵しても空砲だったり、強制的にリセットになったり…。このような状況は強いストレスを受けています。
妊活中のストレスと痛み
妊活中だけではなく、ストレスは心や体を蝕み、脳のセロトニン神経を弱らせます。また、原因不明の痛みを抑えることは脳内のセロトニン神経を活性させ、脳内のセロトニン神経を鍛えてセロトニンを増やすことが肝要です。
痛みに敏感は注意
痛みに敏感な人は痛みの閾値が低くなっており、すなわちセロトニン神経が弱り、セロトニンが不足してることが考えられます。
マイナスの感情(怒り、不安、悲しみ等)は痛みの閾値が低くなり(感じやすくなる)
プラスの感情(喜び、安心、楽しさ等)は痛みの閾値が高くなると言われています。
身体の痛みをよく感じるようになった。肩や背中、腰が痛い、頭痛、PMSや月経痛が悪化した。などセロトニン神経が弱っているサインでもあり、放っておくとうつ病や自律神経失調症になる可能性もあるので、注意が必要です。
月経周期によるホルモン不足
月経周期によるホルモンバランスの乱れもセロトニン不足を引き起こします。
セロトニンを増やすには
・早寝早起き
・太陽光を浴びる
・リズミカルな運動をする
・食事はよく噛む
・腸内環境を整える
・セロトニンを増やす必須アミノ酸をとる
(セロトニン合成に必要な栄養素『トリプトファン』を多く含む食材は、主に豆腐、納豆、味噌、しょうゆなどの大豆製品。
チーズ、牛乳、ヨーグルトなどの乳製品、米などの穀物などです。その他、ごま、ピーナッツ、卵、バナナにも含まれています。
また、肉や魚にもトリプトファンが多く含まれますが、動物性タンパク質に含まれるBCAAというアミノ酸はトリプトファンを脳へ取り込みにくくするため、植物性タンパク質から取ることをお勧めします。
ただし、動物性たんぱく質も「炭水化物、穀物、芋、果物など」と「ビタミンB6」を一緒に摂ると血糖が上昇してBCAAが筋肉に作用されるため、脳内でのトリプトファン合成が促進されます。
肝心なのは、バランスよく主食、主菜、副菜を揃えて食事をすることで、必要とされるトリプトファンは摂取できます。)
(ビタミンB6は、鮭、サバ、さんまなどの魚類、鶏胸肉、ささみなどの脂身の少ない肉類、酒粕、抹茶、ゴマなどに豊富に含まれています。)
すぐにセロトニンは増加しません。上記のことを継続することが大事です。
参照:日本医科大学 薬理学講座 小林克典 2022年7月18日検索
参考文献:小山なつ 痛みと鎮痛の基礎知識 技術評論社
鍼灸の効果
鍼灸は痛みをおさめることができます。
不安感を取り除き、自律神経を整え、筋緊張による血行不良を減少させることができますし、
内分泌系にも働きかけることができます。
心が疲れているときは、特に鍼灸がおすすめです。