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妊活中の男性必見!「過度な運動」が精子力を下げる理由と適切な運動習慣

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健康のために運動を日課にしている男性は多いでしょう。しかし、妊活中の男性にとって、過度な運動はかえって精子の健康に悪影響を及ぼす可能性があります。「どの程度の運動が過度なの?」「妊活中のランニングは精子に悪いの?」と不安に感じている方もいるかもしれません。

この記事では、「過度な運動」が精子力を下げる科学的な理由と、精子の質を高めるための適切な運動量、そして日常生活でできる対策を、最新の知見に基づいて詳しく解説します。

過度な運動が精子に与える影響:酸化ストレスとは?

適度な運動は、血行を促進し、ホルモンバランスを整えるため、精子の健康に良い影響を与えます。しかし、マラソンやトライアスロンといった激しい運動や、長時間の高負荷トレーニングは、体内で「活性酸素」を過剰に発生させます。

活性酸素は、増えすぎると「酸化ストレス」を引き起こし、細胞にダメージを与えます。精子は、細胞膜が酸化されやすい不飽和脂肪酸でできているため、この酸化ストレスに非常に弱いです。

精子が酸化ストレスを受けると、以下のような悪影響が報告されています。

  • 精子の運動能力の低下: 精子のエネルギー源となるミトコンドリアがダメージを受け、運動率が低下します。
  • 精子のDNA損傷: 精子の遺伝子情報(DNA)が損傷し、受精や着床に悪影響を与える可能性があります。
  • 奇形精子の増加: 精子の形態に異常が生じる割合が増加します。

これらの影響により、精子の受精能力や妊娠率が低下することが示されています。

どのくらいからが「過度な運動」?

では、具体的にどの程度の運動が精子にダメージを与える可能性があるのでしょうか? 「過度な運動」の基準は個人差がありますが、一般的な目安は以下の通りです。

🏃激しい有酸素運動

マラソン、トライアスロン、プロレベルのサイクリングなど、1回の運動で90分以上にわたる高強度の有酸素運動は、精子の酸化ストレスを増加させるリスクが高いとされています。

  • 妊活中のランニング: 継続的な高強度のランニング(マラソン練習など)は、精子の質に影響を及ぼす可能性があります。ただし、週に数回の軽めのジョギングであれば、健康維持に役立ち、精子に悪影響を及ぼすリスクは低いと考えられます。

💪高負荷の筋力トレーニング

重量挙げやクロスフィット、ハードなボディビルディングなど、体に大きな負担をかけるトレーニングも注意が必要です。週に5日以上、毎回90分以上の高強度なトレーニングを継続する場合、過剰な活性酸素が発生し、精子の健康に影響を与える可能性があります。

🍀推奨される運動量

米国スポーツ医学会(ACSM)など複数の機関は、健康維持のためには週に150分程度の中等度の有酸素運動を推奨しています。これは、1日30分程度のウォーキングや軽いジョギングを週に5日行う程度の運動量です。妊活中の男性も、この程度の運動を目標にすると良いでしょう。

精子の酸化ダメージを防ぐための対策

過度な運動を避けることに加え、日々の生活習慣を工夫することで、精子の酸化ストレスを効果的に防ぐことができます。

対策1:抗酸化物質を積極的に摂取する

食事から抗酸化作用のある栄養素を積極的に摂り入れましょう。

  • ビタミンC・E: 新鮮な野菜(ブロッコリー、ピーマンなど)、果物、ナッツ、オリーブオイル
  • リコピン: トマト、スイカ
  • コエンザイムQ10: 魚介類(イワシ、サバなど)、肉類、ナッツ
  • ポリフェノール: 緑茶、ブルーベリー、カカオ

これらの食品をバランス良く摂取することで、体内の酸化ストレスを軽減し、精子の保護に役立ちます。

対策2:適切な運動強度と頻度を心がける

激しい運動を避ける代わりに、ウォーキング、軽めのジョギング、ストレッチ、ヨガなど、心拍数が上がりすぎない程度の運動を取り入れましょう。これらの運動は、血行を促進し、ストレスを軽減するため、精子の質向上にも良い影響を与えます。

対策3:十分な休息と睡眠を確保する

睡眠不足や過度のストレスも、酸化ストレスを増加させる大きな要因です。夜更かしを避け、毎日7〜8時間の質の良い睡眠を確保しましょう。しっかりと体を休めることが、精子の生成と回復には不可欠です。

対策4:過度の飲酒と喫煙を避ける

喫煙は精子のDNA損傷を直接引き起こし、精子の質を著しく低下させます。また、過度な飲酒も精子に悪影響を及ぼすことが知られています。妊活中は禁煙し、飲酒も適量を心がけましょう。

まとめ:賢く運動して、精子力を守ろう

妊活中の男性にとって、運動は「やりすぎ」に注意が必要です。マラソンや高負荷の筋力トレーニングなど、過度な運動は精子に酸化ストレスを与え、精子力を低下させるリスクがあります。

運動を日課にしている方は、週150分の中等度の運動を一つの目安にしてみてください。また、食事から抗酸化物質を積極的に摂り、十分な睡眠を確保することで、精子を守り、健康的な妊活をサポートすることができます。

運動は、やめるのではなく、賢く続けることが大切です。 適切な運動習慣と生活習慣で、精子力を高め、妊娠への一歩を踏み出しましょう。

過度な運動に取り組む男性のイメージ

📚参考文献

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