治療院ブログ

海外通販で「クロミッド(クロミフェン)」を購入しても大丈夫?

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最近、若い患者さまから「海外の通販でクロミッドを買って飲んでいる」というご相談を受けました。理由は「以前クリニックで処方されたことがある」「普通に通販で売っている」「妊娠率を上げたい」——たしかに、そう感じてしまう状況はあります。

結論から言うと、クロミッド(有効成分:クロミフェンクエン酸塩)は医師の診断と監督のもとでのみ服用すべき薬です。個人輸入や自己判断の継続はおすすめできません。その理由を、国内の添付文書・学会情報・厚労省の注意喚起を踏まえて解説します。

日本で処方される「クロミッド」と海外品の“本質的な違い”

日本で流通する「クロミッド錠50mg」は処方箋医薬品で、承認された効能・用量・禁忌・モニタリング方法が添付文書で定められています(富士製薬工業/PMDA公開資料)。同薬は排卵障害による不妊の排卵誘発や、男性の乏精子症に対する精子形成の誘導に用います。

一方、海外通販で流通する「Clomid」「Fertomid」などの海外製品は、国・メーカー・ロットで品質管理・表示・用法の基準が異なり、添付文書の言語や内容も日本の承認内容と一致しないことがあります。厚生労働省も、個人輸入品は効能・用量・安全性表示が不十分だったり、偽造品の可能性があると注意喚起しています。

自己判断での服用が危険な理由(医学的)

禁忌・慎重投与となる背景疾患がある

日本の添付文書では、エストロゲン依存性腫瘍(乳がん・子宮内膜症性病変などの悪性腫瘍・疑い)、妊娠・授乳、肝障害/肝疾患、原因不明の不正出血、下垂体腫瘍などが禁忌・注意として明記されています。子宮筋腫や子宮内膜症のある方、肝機能に問題のある方は悪化の恐れが示されています。自己判断では見落としやすい重要ポイントです。

有害事象とモニタリングの必要性

クロミフェンは多胎妊娠(双胎など)のリスク増加、視覚症状(かすみ・光視症)、卵巣腫大、まれに卵巣過剰刺激症候群(OHSS)などの副作用が報告されています。視覚症状が出たら中止と眼科受診が推奨され、各周期で妊娠の有無・卵巣の状態・出血状況などのチェックが必須です。自己購入ではこの安全管理ができません。

法的・制度的な注意(個人輸入)

処方箋医薬品の個人輸入には数量上限(通常1か月分)の枠組みがあり、医師の処方や指示が確認できないと輸入自体が認められない品目もあると厚生労働省は明記しています。

さらに、個人輸入は偽造医薬品や不適切表示のリスクが高い主要ルートであることがPMDA資料でも指摘されています。安全性の担保が困難です。

「以前も処方された=今も安全」ではない理由

体質や疾患は変化します。
添付文書では、各治療周期ごとに妊娠の除外、視覚症状の有無、卵巣腫大や基礎体温の確認などを求めています。3クール反復でも排卵性月経が得られない場合は中止など、中断基準も設定されています。同じ薬でも“今の状態”に合わせた再評価が必要です。

海外通販の代わりに——医師の下で取れる選択肢

日本の学会情報では、PCOSなどの排卵障害に対する第一選択は経口薬(クロミフェンやレトロゾール)、反応不十分な場合はFSH製剤など段階的に検討します。患者背景に応じて薬剤選択・用量調整・変更を行うのが基本です。

まとめ:個人輸入のクロミッドはおすすめできません

医師管理下でないクロミフェン使用は、禁忌見落とし・副作用対応遅れ・偽造品混入などのリスクが大きい。

日本の承認製品には明確な禁忌・中止基準・モニタリングが定められているため、自己判断での服用は避け、必ず医療機関で相談を。

法制度上も、処方箋医薬品の個人輸入は厳格な制限があり、適正使用の観点から強く非推奨です。

吐き気・体調不良が出ている場合は直ちに服用を中止し、婦人科(生殖医療)で評価を受けてください。視覚症状があれば緊急受診が必要です。

📚参考文献

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