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妊活・妊娠中のヘアカラー・パーマは大丈夫?安全性と賢い選択のポイント

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「妊活中に髪を染めてもいいの?」
「胚移植後だけど、ヘアカラーは控えるべき?」
「妊娠中にパーマをかけたいけれど、赤ちゃんへの影響が心配…」

妊活中や妊娠中は、今まで当たり前だった美容習慣も、その安全性について不安に感じるものですよね。特に、化学薬品を使用するヘアカラーやパーマは、多くの方がその影響を気にされるテーマです。

このブログでは、最新の研究や医療ガイドラインに基づき、妊活中・妊娠中のヘアカラーやパーマのリスク、そして安全に美容を楽しむための具体的なポイントを詳しく解説します。

妊活中・妊娠中のヘアカラー・パーマの安全性:最新の知見

これまでの研究や医療ガイドラインでは、妊娠中のヘアカラーやパーマが直接的に胎児に大きなリスクをもたらすという確固たる証拠は示されていません。しかし、化学薬品を扱う以上、リスクがゼロではないことも事実です。

💡染毛剤の種類と知っておきたいこと

  • 一時染毛剤(ヘアカラー、ヘアリンス、ヘアマニキュア、カラートリートメントなど): これらは髪の表面に色を定着させるものが多く、頭皮への浸透は限定的であるため、比較的安全と考えられています。ただし、一部のタール系色素はアレルギーや皮膚炎を引き起こす可能性がありますので、注意が必要です。
  • 永久染毛剤(酸化型染毛剤:ヘアカラー、ヘアブリーチなど): 髪の内部に浸透して色を定着させるため、頭皮から化学物質が吸収される可能性があります。特に、酸化型染毛剤に含まれるアミノフェノール類フェニレンジアミン類といった成分は、動物実験において強いアレルギー反応や生殖細胞毒性のリスクが示された報告があります。また、NPO法人「食品と暮らしの安全」が2001年に北里研究所と共同で行った調査では、全てのヘアカラー剤に乳がん細胞を増殖させる「環境ホルモン作用」が確認されたと報告されており、2015年には消費者庁が酸化染毛剤に対する注意喚起を行っています。妊活中の女性にとって、不妊のリスクの一つに「環境ホルモンの影響」が挙げられることを考えると、無視できない情報です。
  • パーマ液: ヘアカラーと同様に化学反応を利用した製品です。パーマ液の成分が生殖細胞毒性や発がん性を持つという明確なデータは現時点では確立されていませんが、安全性が完全に保証されているわけではありません。

📝最新の医療ガイドラインの推奨

2022年に発表された欧州産科婦人科学会のガイドラインなど、最新の医療ガイドラインでは、妊娠中にヘアカラーを行うことについてのリスクは非常に低いとされています。しかし、「リスクが低い」と「リスクがない」は異なります。特に、妊活中の女性や胚移植後でデリケートな時期にある方は、化学物質への不必要な暴露はできる限り避けるべきだという考え方が推奨されています。

妊活中・妊娠中にヘアカラーやパーマを検討する際の具体的な注意点

  • 妊娠初期(特に12週まで)を避ける: 妊娠初期は、胎児の重要な器官が形成されるデリケートな時期です。この時期の化学物質への暴露は、できるだけ避けることが望ましいとされています。安定期に入る妊娠中期以降(13週目以降)にヘアカラーを行う方が、より安全であると考えられます。特に、胚移植後の着床期〜妊娠初期は、体に負担をかけないよう、できるだけ控えるのが賢明でしょう。
  • 植物由来や低刺激の製品を推奨: 化学物質の刺激を最小限に抑えるため、ヘナや植物性のヘアカラー、カラートリートメントなど、より肌や髪に優しい製品を選ぶことが推奨されます。
  • 使用前には必ず「パッチテスト」を行う: 妊娠中は、ホルモンバランスの変化によって、肌が敏感になることがあります。今まで問題なく使っていた製品でも、アレルギー反応や皮膚炎を引き起こす可能性があるので、使用前には必ずパッチテスト(皮膚反応試験)を行い、異常がないかを確認することが非常に重要です。
  • 通気の良い場所で行う・吸入を避ける: 自宅で施術を行う際は、必ず換気が良い場所で行い、化学薬品の揮発性物質を吸い込まないように注意しましょう。美容室でも、換気が十分に行われているか確認すると良いでしょう。
  • 頭皮への薬剤付着を最小限に抑える: ヘアカラー剤を塗布する際は、直接頭皮に薬剤がつかないように、髪の根元から少し離して塗るなどの工夫を美容師さんに相談してみましょう。
  • 担当医や美容師に相談する: 不安な場合は、必ず担当の産婦人科医や不妊治療専門医に相談しましょう。

美容師さんのリスクと対策について

  • 妊孕性のリスク増加: 不妊症や生理不順のリスクが増加する可能性が指摘されています。
  • 妊娠中の異常: 低体重児、流産、早産、周産期死亡などのリスクが高まる可能性があります。
  • 胎児の異常: 母親や父親が美容師の場合のリスクも報告されています。

😷美容師が取るべき防護策

  • 防護具の使用: マスクや手袋、保護眼鏡などを適切に使用し、皮膚や呼吸器への化学薬品の暴露を最小限に抑えましょう。
  • 換気を良くする: サロン内の換気を十分に行いましょう。
  • 化学薬品の取り扱いを慎重に行う: 適切な使用方法を遵守し、安全対策を講じましょう。

まとめ:確定的なリスクはなくても、慎重な選択を

妊活中や妊娠中のヘアカラー・パーマについては、現時点で確定的なリスクが明確にされているわけではありません。しかし、化学薬品を扱う以上、可能な限り慎重な選択をすることが重要です。

特に、妊娠初期や胚移植後のデリケートな時期は避ける植物由来や低刺激の製品を選ぶ、そしてパッチテストを必ず行うといった点を心がけましょう。

宇都宮鍼灸良導絡院では、妊活中の皆様の心身の健康をサポートしています。もし、ヘアカラーやパーマの安全性についてさらに不安な点があれば、お気軽にご相談ください。私たちは、あなたが安心して妊活・マタニティライフを送れるよう、全力でお手伝いいたします。

妊娠中のヘアカラーの安全性と注意点を解説するイメージイラスト

📚参考文献

妊活中や妊娠中の美容について、不安なことはありませんか?ご自身の体と赤ちゃんのために、賢い選択をしていきましょう。

宇都宮鍼灸良導絡院では、一人ひとりの体調やお悩みに合わせた丁寧な施術を行っております。鍼灸についての疑問や、お身体の不調についてのご相談もお気軽にどうぞ。ご予約はこちらから可能です。

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