治療院ブログ

幸せホルモン「オキシトシン」とは?妊娠・妊活との関係性もご紹介!

 更新日:

オキシトシンって、どんなホルモン?

オキシトシンは、脳の視床下部で作られ、下垂体後葉から分泌されるペプチドホルモンです。

古くは分娩時の子宮収縮や、授乳時の射乳反射を担う「生殖のホルモン」として知られてきました。しかし、近年では中枢神経での働きが注目され、ストレスの調整や社会的な絆・信頼感の形成にも関わることから、「幸せホルモン」や「愛情ホルモン」とも呼ばれています。

なぜ「幸せホルモン/愛情ホルモン」と呼ばれるの?

オキシトシンが心地よさや安心感と結びつくのは、主に以下の作用があるからです。

1. ストレスをやわらげる働き

オキシトシンは強力な抗ストレス作用を持ちます。特に、「誰かに支えられている」といった社会的サポートがある状況で働くことで、ストレスホルモン(コルチゾール)の上昇や不安感が抑えられることが示されています。人に支えられているという文脈で、ストレス保護的に働きやすいと考えられます。

2. 心地よい触れ合いで分泌が高まる

オキシトシンは愛情あるタッチや心地よい身体接触によって分泌が高まりやすいのが特徴です。

  • 足裏マッサージなどでも血中オキシトシンの上昇や脳反応の変化がみられ、施術やマッサージのような心地よい身体接触でストレス関連指標が下がるというデータもあります。
  • 犬と飼い主が見つめ合ったり、触れ合ったりすることで、双方の尿中オキシトシンが高まり、絆を強めるフィードバックが起こることも示されています。

3. スキンシップとの深い関係

性的興奮やオルガスムの際に血中オキシトシンが上昇することが古くから示されています。これは、子宮や精管などの平滑筋収縮を介して生理的な反応を助けている可能性があります。

“幸せだけ”ではないオキシトシンの「文脈依存性」

オキシトシンは単なる「幸福感のスイッチ」ではありません。

むしろ、社会的に重要な手がかりの目立ちやすさ(サリエンス)を高める調整役と考えられています。そのため、状況や個人の特性によっては、「内集団ひいき」など、望ましくない排他的な反応が強まる場合もあるため、「万能な幸福薬」ではないと理解することが重要です。

妊娠・妊活との最新の関係

妊活の文脈において、オキシトシンは注目されていますが、その作用は複雑です。

1. ストレス緩和を通じた間接効果

妊活期は心理的負担が大きく、睡眠や食事、通院継続などの行動に影響しがちです。オキシトシンは人に支えられた文脈でストレス反応を和らげるため、間接的にセルフケアの質や“続けやすさ”を後押しする可能性があります。

注意点: 現時点では「オキシトシンを投与すれば妊娠率が上がる」とは言えません。

2. 子宮の動き(ペリスタルシス)への影響

子宮や内膜にはオキシトシン受容体があり、オキシトシンは子宮の収縮(ペリスタルシス)を高めます。一方で、体外受精の胚移植の際、子宮の「うねり」が強すぎると妊娠率が低いという研究もあり、活動が過剰だと着床を妨げる可能性も示唆されています。

3. 体外受精での拮抗薬の利用

胚移植中の過度な子宮収縮を抑える目的で、オキシトシンの働きを抑える拮抗薬(アトシバン)を用いると、反復着床不成功例の一部で妊娠率が上がる可能性が示されています。ただし、結果は一貫しておらず、標準治療として万人に推奨される段階ではありません。使用の適応は生殖医療の専門医と相談が必要です。

4. 男性不妊との関連

ヒト精子でオキシトシン関連遺伝子の発現が確認され、運動率との関連が示唆された報告はありますが、介入試験で精液所見などが一貫して改善したとは言えず、現時点では基礎研究段階の知見と捉えるのが妥当です。

日常でできる「オキシトシンを味方にする」工夫

医療的な介入を検討する前に、日々の生活でオキシトシンの働きを促すような工夫を取り入れてみましょう。

  • 安心できるタッチを増やす
    抱きしめる、手をつなぐ、心地よいオイルケアやマッサージ、肌ざわりの良い寝具など。不快な接触は逆効果なので、無理せず、自分が心地よいと感じるものを選ぶことが大切です。
  • 人や動物とつながる時間をつくる
    信頼できる人との会話やサポート共有、ペットとのスキンシップやアイコンタクトなど、絆や安心感を深める時間を持つ。
  • 医療用オキシトシンの自己判断使用は避ける
    作用は文脈依存で副作用や適応もあるため、使用の是非は必ず専門医と相談してください。

まとめ

オキシトシンは、分娩・授乳を担う「生殖のホルモン」であると同時に、触れ合い・信頼・安心感と結びついた「社会脳のモジュレーター」でもあります。

妊活では、心地よい接触や人の支えのある環境づくりを通じてストレスを整えることが間接的な追い風になり得ます。一方で、子宮の収縮や社会的バイアス増強など、状況によって望ましくない側面もあり得ることを理解し、量や場面のバランスを意識することが大切です。

無理のないセルフケアと、必要に応じた専門職のサポートを上手に組み合わせましょう。

妊娠しやすい身体づくりを始めませんか?

宇都宮鍼灸良導絡院は、大阪市都島区にある妊活専門の鍼灸院です。体質改善から不妊治療のサポートまで、患者様一人ひとりに合わせた施術をご提供しています。妊活や体調のお悩みなど、どうぞお気軽にご相談ください🍀

24時間予約受付中

このページのトップへ