
29歳(低AMH 1.7)初めての体外受精・初期胚移植で妊娠
大阪市からお越しのHさん(29歳)が妊娠されました。
初めての体外受精で妊娠されたHさん
Hさんが当院にご来院くださったのは2021年5月のことです。それまでに8ヶ月の不妊期間があり、人工授精を試みられていましたが、妊娠には至っていませんでした。クリニックでの検査では、低AMH(値 1.7)と診断されておりました。Hさんは、体質改善と人工授精、移植に向けて鍼灸をご希望でした。
鍼灸を始められた5月は、人工授精の周期でしたが、残念ながら結果は陰性でした。しかし、鍼灸を継続されるうちに、生理痛が軽減していったとのことでした。
生理痛と鎮痛剤の影響について
生理痛があると、多くの方が鎮痛剤を服用する回数が増えてしまいがちです。しかし、鎮痛剤は排卵に影響を及ぼすと言われています。また、体を冷やしてしまうとも言われており、生理中は骨盤内がうっ血しやすい状態であるため、冷えは好ましくありません。
鎮痛剤の服用が冷えを招くことで悪循環になり、妊活には好ましくない状態を作ってしまいます。特に排卵時期に服用すると、排卵障害が起こりやすいとも言われています。
週に一度の鍼灸を受けていただくと、まず生理痛が軽くなり、月経の状態が整うことを実感していただけるでしょう。
体外受精へのステップアップと妊娠
その後、Hさんはタイミング法を2回されてから、体外受精にステップアップされました。8月に行った採卵では7個の卵子が採れ、全て未成熟でしたが、培養によって成熟卵に成長させることができ、3個が受精し、1個(3日目胚)を凍結することができました。
その後、1周期お休みをはさんで、10月に行った初期胚(3日目)移植で、めでたく陽性反応が確認されました。
Hさん、本当におめでとうございます。今後もお身体を大事になさってください。何かお困りのことがありましたらいつでもサポートさせていただきます。
AMH(抗ミュラー管ホルモン)の特徴として、年齢とともに値が減少する傾向にはあるものの、年齢に相関せず個人差が大きい点が挙げられます。国内外の研究からも、AMH値は正規分布を示さず、同一年齢層でも標準偏差が大きいことが報告されています。
このことから、AMH値は基準値を設定し、正常か異常かを判断する値ではないと考えます。
また、年齢は妊娠率と相関しますが、AMH値と妊娠しやすさは相関しないことも知られています。つまり、AMHにおける卵巣予備能の評価は、妊孕性の評価ではなく、不妊治療が可能な期間を予測する指標と考えるべきです。
AMH値が検出限界レベルの限りなくゼロに近い女性でも妊娠する可能性はあり、実際にそうした妊娠例もあります。
低AMHの方への治療方針
低AMHに対しては、残存する卵子数を予測することで、その機会をいかに有効に使うかを考え、いたずらに時間を費やすことなく、早期に治療段階をステップアップし、1~2年で結果を出すよう目指した方がよいと考えます。
また、低AMH値の患者様には、妊孕性が低いことを断じて落胆させるのではなく、「短期間治療しかできないので頑張ろう」と励ますような言葉をかけることが大切です。
AMHの有効性
AMHは、体外受精の際に採卵数とよく相関する点が挙げられます。また、高AMHの患者様に対して調節卵巣刺激を行う際は、過剰卵巣刺激症候群(OHSS)を予防する刺激法を検討する一助になります。
Hさん妊娠お喜びの声
▢ お悩みの症状またはご来院当初の目的をお聞かせください
顕微授精するための体づくり
▢ 鍼灸以外で妊娠(陽性反応)された方法に〇をつけてください
体外受精(顕微授精)
▢ ご自身で「これは良かった!」「自分に合っていた!」と思われた妊活があればお教えください
ヨガ・ストレッチ・ウォーキング・サプリメント
▢ 鍼灸施術を受けていただいた感想をお聞かせください
毎回体調をカウンセリングしてくださるので、その日に合った施術をしてもらえます。回数を重ねることに酷かった生理痛が改善されていったことが嬉しかったです。大きい目的は顕微受精のためでしたが、思わぬところも体質改善にされていきました。
▢ 同じように悩まれている方へアドバイス(ご自身でやって良かったこと、若しくは続けることが出来たセルフ妊活など)やメッセージがあればお願いいたします。
私は面倒くさがりなので続けることを目標にウォーキングなどを頑張りました。たまに体がしんどい日はサボりながらも続けることができたので、完璧を目指さなくて良かったと思います。採卵の結果はあまり良くなく、7個中1個の初期胚を凍結という結果でしたが緩く上記を続けた結果、一回目の移植で陽性判定をもらえました!
※【免責事項】すべての方にあてはまるものではありません。効果の実感には個人差があります。