
奥さん38歳・ご主人52歳(橋本病)転院後の胚盤胞移植で妊娠・出産
大阪府平野区からお越しのMさんご夫婦(奥様38歳/ご主人52歳)が体外受精で妊娠されました。
目次
おふたりとも不妊因子をお持ちのMさんご夫婦
2022年3月に当院にお越しになったMさんご夫婦は、妊娠を望まれて1年が経過し、自費治療で体外受精(IVF)の段階にいらっしゃいました。保険診療開始を待つ間も、積極的に治療を進められていました。
奥様は、不妊治療専門クリニックで子宮筋腫(経過観察)、甲状腺機能低下症(橋本病)と診断され、チラージンを服用中でした。月経周期は24~26日。以前あったPMS(月経前症候群)のような症状は最近はないとのこと。その他、肩こりや便秘などの不定愁訴がありました。
一方、ご主人(52歳)はクリニックの精液所見から乏精子無力症と診断されていました。
- 精子濃度:380万(基準値1600万)
- 運動率:30%(基準値42%)
- 前進運動率:20%(基準値30%)
ご主人も腰痛や便秘などの不定愁訴があり、精力減退を感じていらっしゃいました。
ご夫婦は、体質改善と今後の不妊治療を見据えて、当院での不妊鍼灸をご希望されました。
これまでの採卵では受精卵が胚盤胞まで成長せず
鍼灸を始める前、Mさんご夫婦は初めての体外受精に臨みましたが、5個採取できた卵子が受精後に成長が止まり、胚盤胞まで育たないという結果に。ご主人の精液所見も運動率が低い状態でした。
採卵後の周期はお休み周期でタイミング法を予定されており、次の周期に採卵するか迷われている状況でした。
当院では、タイミング法・採卵のいずれにも対応できるよう、卵巣や精巣の血流を促進し、卵胞や精子の成長をサポートする施術と、その日の体調に応じた施術を実施しました。
鍼灸を始めてからの採卵で受精結果が向上
鍼灸開始から2周期後の採卵で、初期胚1個、胚盤胞4個を凍結でき、今までで一番多い凍結数を達成。「鍼灸のおかげ」と大変喜んでいただけました。
ご主人の精液運動率は50%となり、基準値を上回る良い結果に。また、不妊治療以外の不定愁訴も改善しました。
- 奥様:小学生の頃からあった首・肩こりが楽に。採卵後に不安定になりがちだった精神状態も安定し、よく眠れるようになりました。
- ご主人:便秘や頻尿が改善。
3度の移植陰性とセカンドオピニオン
採卵結果が向上し、いよいよ迎えた移植でしたが、残念ながら初回を含め3回の移植が連続で陰性に終わってしまいます。
その後も採卵では15個以上の卵子が採取できるものの、凍結できたのは初期胚1個、胚盤胞3個程度で、グレードも良好とは言えない状態が続きました。
この現状を打破するため、Mさんご夫婦はセカンドオピニオンを決断されます。
転院先で無事ご懐妊されました
セカンドオピニオン先のクリニックの診療内容に納得されたMさんは、凍結卵を残したまま、転院を決意されました。
転院先のクリニックでは、まず2回目の着床の窓検査を実施。1回目とは異なるタイプの検査で、結果は「+1日」でした(1回目の結果は「ゼロ」)。
そして、転院後の1回目の採卵で、19個の卵子を採取し初期胚1個、胚盤胞8個(良好胚)を凍結という、今までを更に上回る結果に。
この良好胚を移植した結果、めでたく陽性反応が確認されました!
妊娠後も妊娠維持のためマタニティ鍼灸を継続され、つわり、肩こり、逆子の治療を行いました。現在妊娠35週を迎え、もうすぐご出産です。
Mさん、この度は本当におめでとうございます。クリニックでの治療に加え、鍼灸、食事、運動、生活習慣の見直しなど、お二人で力を合わせて頑張ってこられた成果です。出産まで、引き続きしっかりサポートさせていただきます。
追記:2025年10月現在、Mさんは2人目不妊の鍼灸でお越しいただいております。今回も妊娠・出産までしっかりさせていただきます!
体外受精・移植において鍼灸を介入することで、卵子の回収数や胚の凍結結果、さらに移植の結果に変化が見られることがあります。これは、自然妊娠やタイミング法、人工授精の場合でも同様に妊娠の可能性を高める効果が期待できます。
鍼灸(レーザー)の施術は、自律神経を介して卵巣(精巣)への血流を促進し、卵胞や精子の成長を促します。逆に言えば、血流が不十分だと卵胞の成長や発育も不十分になることが考えられます。
特に35歳を過ぎると、男女ともに精子・卵子の状態が低下する確率が高まります。これにより、成熟卵が採れない、受精障害や胚盤胞まで成長しない、流産のリスク上昇などが起こりやすくなります。不妊の原因は男女同等にあります。
鍼灸レーザーは、子宮・卵巣(精巣)への血流を改善することで、卵子(精子)の状態を改善する効果が期待されます。
移植周期においては、以下の施術を行います。
- 子宮内膜が充分な厚みを持てるよう子宮への血流を促進する施術
- 受精卵が着床できるよう自律神経を介して免疫にはたらきかける施術
卵巣・子宮への血流が促進された状態を常に維持することが妊娠において重要です。そのため、患者様には週に1回(場合によっては4〜5日に1回)の継続的な鍼灸施術を推奨しています。
男性不妊の評価基準として、WHOの「ヒト精液検査と手技 WHOラボマニュアル第6版(2021年7月発表)」が最新の情報です。
このデータは、自然妊娠した男性の下位5%以上の所見であれば、自然妊娠の可能性があるという「自然妊娠する必要最低限のデータ」を示すものであり、平均値や自然妊娠を保証するものではありません。
検査項目と下限基準値は以下の通りです。
- 精液量:1.4ml
- 精子濃度:1600万/ml
- 総精子数:39
- 運動率:42%
- 前進運動率:30%
- 正常形態率:4%
例えば、精液量が1.4ml、精子濃度が1,600万個/ml、精子運動率が42%以上であれば、自然妊娠の可能性があります(女性側の状況にもよります)。これらのデータ以下の場合、男性不妊の可能性が考えられます。
新たな検査と精子の質
>第6版では、精子DNA断片化検査や精液中酸化ストレス測定などの新しい検査項目が追加されました。
加齢や生活習慣の悪化により、精子は酸化ストレスの影響を受け、DNAが損傷することがあります。DNA損傷がひどくなると、受精率・妊娠率の低下、流産率の上昇につながり、これは精子の質の低下を意味します。酸化ストレスが高い場合は、生活習慣の改善に加え、コエンザイムQ10やオメガ3脂肪酸など、抗酸化作用のあるサプリメントの摂取が効果的です。精液検査と鍼灸精液検査は最も簡単で確実な検査です。見た目の運動率や濃度だけでなく、DNA損傷を調べるなど、なかなか妊娠に至らないご夫婦は一度検査を受けてみましょう。
鍼灸では、精子濃度、運動率などの向上が期待できます。
- 乏精子症(精子の数が少ない)
- 精子無力症(精子の動きが悪い)
- 乏精子症と精子無力症の両方
これらの症状は、鍼灸により精液所見が正常値に改善することが期待できます。セルフケアだけでは基準値を超えることが難しいなどお悩みの場合は、ぜひ鍼灸という方法を選択肢に入れてみてください。
Mさん妊娠お喜びの声
▢ お悩みの症状またはご来院当初の目的をお聞かせください
来院の1年ほど前から何度か体外受精の採卵をするも、胚盤胞まで育ってくれず、身体の中から整えたくて来院しました。主人の検査結果もよくなかったので途中から主人も一緒に通わせて頂きました。
▢ 鍼灸以外で妊娠(陽性反応)された方法に〇をつけてください
体外受精(顕微受精)
▢ ご自身で「これは良かった!」「自分に合っていた!」と思われた妊活があればお教えください
レーザー・ウォーキング・サプリメント・食生活にこだわった
▢ 鍼灸施術を受けていただいた感想をお聞かせください
来院する前は、肩こりや首こりもひどくつねにダルく疲れやすかったですが、鍼灸をして頂いてからあまり気にならなくなり元気にすごせる様になりました。毎回体調にあわせて丁寧に施術して下さいます。一番大きく効果を感じたのは主人の検査結果でした。私の主人は50歳を超えていますが通う前は体外受精でも難しいと言われていたのに、いつ検査しても基準値以上の結果がでる様になりました。採卵前のご主人様の鍼灸はとくにオススメです。
▢ 同じように悩まれている方へアドバイス(ご自身でやって良かったこと、若しくは続けることが出来たセルフ妊活など)やメッセージがあればお願いいたします。
妊活はいつ結果がでてくれるのかわからず辛い事もありましたが、鍼灸中にプロの方に相談できて、応援して下さり、帰りはいつも元気になります。1人で悩まずストレスをためない事が一番大事だと感じています。いつもありがとうございます。あと妊活は1人ではできません。できればご夫婦そろって通われる事が近道になると思います。一番いいタイミングで赤ちゃんが来てくれる事を願っています。
※【免責事項】すべての方にあてはまるものではありません。効果の実感には個人差があります。