
【自律神経】夏のむくみ対策に!東洋医学の「脾」を整えて体質改善
更新日:
日本の夏、特に梅雨から盛夏にかけて感じる体の重だるさや足のむくみ。つらいこの症状、東洋医学では「湿邪(しつじゃ)」という考え方が深く関連しています。
東洋医学の「湿邪」とは?夏のむくみの正体
湿邪は空気中の湿気や、体が冷えることで内に溜まった余分な水分を指します。日本の蒸し暑い気候はまさに湿邪を招きやすい環境です。
- 重い(重濁性):体が重だるく感じる
- 粘る(粘滞性):症状が長引きやすい
- 下に沈む(下注性):足などにむくみやだるさが出やすい
湿邪が溜まると、水分代謝を司る「脾(ひ)」の働きが妨げられ、むくみなどの症状が現れやすくなります。
「脾」の働きと水分代謝の関係性
東洋医学における「脾」は、消化・吸収、全身への栄養運搬(運化作用)、そして水分代謝(運化水湿作用)を担っています。
湿邪が脾を弱らせると、水分代謝が停滞し、まるで体内の排水溝が詰まったように余分な水分が溜まりやすくなります。その結果、以下のような不調が現れます:
- むくみ(浮腫):足や顔、まぶたなどに症状が出やすい
- 体の重だるさ:全身が鉛のように感じる
- 食欲不振・胃もたれ:消化機能が低下
- 下痢・軟便:水分の吸収が乱れる
- 頭重感・めまい:湿気が頭に溜まることによる
甘いもの好きは要注意?「脾」と甘味の関係
東洋医学の「五味」によれば、甘味は「脾」を養う一方で、過剰摂取は脾に大きな負担をかけます。特に加工食品や砂糖が多い甘いものは要注意。
過剰な甘味は水分代謝をさらに悪化させ、むくみや体の重だるさ、消化不良など負の連鎖を招きます。甘いものを欲しがる自分に気づいたら、それは脾の疲れのサインかもしれません。
夏のむくみ対策:脾を労わる東洋医学的アプローチ
- 湿邪を避けて排出する:
- 除湿を徹底:室内の湿度管理を
- 冷やさない摂食:冷たい飲物を控える
- 適度な発汗:ウォーキングや軽運動で汗をかく
- 入浴習慣:湯船に浸かって温まり代謝促進
- 脾を養う食事:
- 温かい食事を中心に
- カボチャ・サツマイモ・米・豆類など自然な甘味素材
- 利水食材:ハトムギ、小豆、きゅうり、冬瓜、トウモロコシのひげなど
- 控えたいもの:生冷食、冷飲、油っぽいもの、乳製品、精製糖
- ストレスケア:ストレスは「気」の巡りを滞らせ、脾の機能を弱らせます。趣味やリラクゼーションで心身を整えましょう。
今年の夏は湿邪の影響を軽減し、脾をケアして「むくみ知らず」の軽やかな体を目指しましょう。