
ステロイドで睾丸が小さくなる?【筋トレと精子の関係性】
「最近、疲れやすい」「以前ほど意欲が湧かない」――そんな変化は、体力だけでなく“生殖のはたらき”にも影響します。男性は35歳前後から精子の運動率や形態の指標が少しずつ低下しやすく、妊活においては生活習慣の質が結果を分ける大きなカギになります。
本記事では、筋トレは味方・ステロイドは敵という明快な結論を出しつつ、精子の質を落とさずに「強い体」をつくるための安全な実践ポイントをわかりやすく解説します。
目次
年齢と精子の“老化”は、30代から静かに始まる
「スタミナが切れやすい」「疲れが取れにくい」――そんな体調の変化は、精子にも反映されます。30代以降は、運動率や形態などの良好な所見の割合が下がりやすく、35歳前後から全体的な精子所見が下り坂になる傾向が知られています。だからこそ、今の生活をどう整えるかが重要です。
筋トレは“ほどよく”やれば妊活の追い風
レジスタンストレーニング(筋トレ)は、テストステロン分泌や代謝の健全化を通じて、適度な強度なら精子の質の改善と相性が良いとする報告が増えています。特に有酸素運動+筋トレの併用は有望。やり過ぎは逆効果になることがあるため、中等度×継続が基本です。
実践目安
- 週3〜4日・1回30〜45分の中等度トレ(会話はできるが息は上がる程度)
- 全身の複合種目(スクワット、ヒップヒンジ、プッシュ/プル)中心
- 就寝直前の激しい追い込みは避け、7〜8時間の睡眠を死守
- 体脂肪はゆっくり落とす(急激な減量はホルモンに不利)
「ステロイドで金玉が小さくなる」は本当?
本当です。アナボリックステロイドや外因性テストステロンは、脳―下垂体―精巣(HPG)軸を抑制し、LH/FSH分泌が低下→造精機能が止まりやすい→精巣萎縮や無精子症という流れが起き得ます。中止後に回復する場合もありますが、数か月〜1年超かかることも。妊活期にこの「時間」を失うリスクは大きいため、自己判断での使用は厳禁です。最近話題のSARMsも“安全な代替”ではありません。
“筋トレ=良い”を安全に最大化するコツ
- 化学的ドーピング(AAS/SARMs/自己輸入テストステロン等)は避ける。
- 中等度×計画性:6〜12回で限界の重量を基準に、失敗反復の多用はしない。
- 酸化ストレス対策:過剰高強度・寝不足は精子DNA断片化(DFI)悪化の要因。睡眠・栄養を優先。
- 骨盤底筋も“鍛える”:スクワット等の下肢複合種目に加えてPFMT(骨盤底筋トレ)で勃起機能をサポート。
- 熱・圧迫対策:長時間の高温(サウナの過度利用、ノートPCの膝上使用、タイトな下着)を避ける。
生活習慣の“効く”基本
- 食事:亜鉛・セレン・ビタミンE、DHA/EPA、色の濃い野菜・果物をバランス良く
- 睡眠:毎日同時刻に寝起き、7〜8時間
- 体重:過体重も痩せ過ぎもNG。ゆるやかな改善を
- ストレス:トレーニング・入浴・呼吸法をルーティン化して自律神経を整える
こんな時は検査・相談を
- 1年以上妊娠に至らない、または流産を繰り返す
- AAS/外因性テストステロン歴がある、またはサプリ・プロホルモンで不安
- トレーニングで慢性的な過労感が強く、性機能や睡眠の質が落ちていると感じる
宇都宮鍼灸良導絡院では、肩こり・腰痛などの不調ケアも同時に整え、骨盤内の血流や自律神経の安定を後押しします。女性不妊・男性不妊にお悩みの方はまずお気軽にご相談ください。
まとめ
- 筋トレは妊活の味方、ステロイドは妊活の敵。
- 目指すのは中等度×継続の全身トレーニング+十分な睡眠・栄養。
- AAS/SARMs/外因性テストステロンはHPG軸を抑えて造精機能を止め、回復に数か月〜1年超かかることも。妊活期は特に厳禁。
- “強い体づくり”は、ホルモン・血流・自律神経を整えるトータルケアが近道。迷ったら、まずは検査と専門家への相談を。
📚参考文献
- 男性の加齢と精子:30–35歳以降の所見低下(レビュー・総説)
- 運動と精子:有酸素+筋トレの有効性(RCT含む・総説)
- AAS・外因性テストステロンと不妊:造精機能抑制/回復に平均約10か月(系統的レビュー・臨床論文)
- 骨盤底筋トレ(PFMT)と勃起機能の改善(臨床研究・レビュー)
- SARMsの抑制リスク(レビュー)
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宇都宮鍼灸良導絡院は、大阪市都島区にある妊活専門の鍼灸院です。体質改善から不妊治療のサポートまで、患者様一人ひとりに合わせた施術をご提供しています。妊活や体調のお悩みなど、どうぞお気軽にご相談ください🍀