
白髪が増えると妊娠しにくい?女性ホルモン・不妊治療と髪の変化の関係を解説
「最近、白髪が増えた」「妊活を始めてから抜け毛が気になる」「不妊治療中に髪がパサついてきた気がする」――このようなお悩みを抱える方は少なくありません。
髪の変化は見た目に影響しやすいため、不安になりやすいものです。とくに妊活中は、「白髪が増えると妊娠しにくいのでは?」「女性ホルモンが乱れているサインなのでは?」と心配になる方もいらっしゃるでしょう。
結論からいうと、白髪があること自体が不妊の原因だと示す明確な医学的根拠はありません。ただし、白髪や抜け毛の背景に、加齢、ストレス、栄養不足、甲状腺機能の異常、ホルモンバランスの乱れなどが隠れていることはあり、これらの一部は妊活にも関わることがあります。
この記事では、白髪と妊娠しやすさの関係、女性ホルモンと髪の変化、不妊治療中の抜け毛について、医学的に誤解のないよう整理して解説します。
- 白髪があること自体で、「妊娠しにくい」とは断定できません。
- ただし、白髪や抜け毛の背景に、加齢、ストレス、栄養不足、甲状腺機能の異常、ホルモンバランスの乱れなどが隠れていることはあります。
- 不妊治療中の抜け毛は、ホルモン変化やストレス、生活リズムの乱れなどが重なって起こることがあります。
- 髪の変化が気になるときは、髪だけで判断せず、月経周期や体調、睡眠、食事内容も含めて見直すことが大切です。
- 急に抜け毛が増えた場合や、白髪が若いうちから急増した場合は、婦人科や皮膚科、内科への相談も検討すると安心です。


目次
白髪があると妊娠しにくいの?
まず大切なのは、白髪がある=妊娠しにくいとは言えないということです。白髪は主に、髪の色をつくる細胞であるメラノサイトの働きが低下することで起こります。年齢、遺伝、酸化ストレス、栄養状態など、さまざまな要因が関わると考えられています。
そのため、白髪そのものを見て「不妊のサイン」と決めつけることはできません。ただし、若い時期から急に白髪が増えた場合には、体調の変化や栄養不足、強いストレス、甲状腺機能の異常などが背景にあることもあります。
つまり、白髪はそれだけで妊娠のしやすさを判断する材料にはなりませんが、身体全体の状態を見直すきっかけにはなります。
白髪と女性ホルモンの関係
「白髪は女性ホルモンが減ったせいですか?」というご質問はよくあります。しかし、白髪を単純にエストロゲン低下だけで説明することはできません。
一方で、ホルモン環境の変化が髪に影響すること自体はよく知られています。たとえば妊娠中はエストロゲンの影響で髪の成長期が長くなりやすく、出産後はホルモンバランスが大きく変化することで一時的に抜け毛が増えることがあります。
また、妊活世代では女性ホルモンだけでなく、男性ホルモンとのバランスも重要です。たとえば多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)では、排卵障害に加えて、薄毛、抜け毛、ニキビ、多毛などがみられることがあります。
そのため、髪の悩みがあるからといってすぐに「女性ホルモンの低下」と決めつけるのではなく、月経周期や排卵の有無、ほかの体調変化も含めて考えることが大切です。
不妊治療中に抜け毛が増えることはある?
不妊治療中に「抜け毛が増えた気がする」と感じる方はいます。実際に、ホルモン治療、心理的ストレス、睡眠不足、食欲低下などが重なることで、抜け毛が起こりやすくなることがあります。
髪が一時的に抜けやすくなる状態として知られているのが休止期脱毛です。これはホルモン変化やストレス、発熱、栄養不足、薬剤などをきっかけに起こることがあり、原因となる出来事の数週間から数か月後に目立つことがあります。
不妊治療では、排卵誘発やホルモン補充に伴う身体の変化、治療に対する緊張や不安、生活リズムの乱れなどが重なりやすいため、髪に影響が出ることがあります。
ただし、すべての方に起こるわけではなく、程度にも個人差があります。「不妊治療をしているから必ず抜け毛が増える」というわけではありません。
白髪・抜け毛の背景に考えたいこと
妊活中に髪の変化が気になるときは、「不妊だから」とひとつの理由に結びつけすぎず、ほかの原因も含めて整理することが大切です。
加齢による変化
年齢とともに白髪が増えやすくなるのは自然なことです。妊娠率が年齢の影響を受けやすくなる時期と、白髪が増えやすくなる時期が重なるため、両者が結びついて見えやすい面があります。
栄養不足
鉄、ビタミンB12、葉酸、たんぱく質、銅などの不足は、髪の健康に影響する可能性があります。極端なダイエットや偏った食事が続いている場合は注意が必要です。
甲状腺機能の異常
甲状腺機能低下症や甲状腺機能亢進症では、脱毛や髪質の変化だけでなく、月経異常や妊娠しづらさにつながることがあります。疲れやすさ、寒がり、動悸、体重変化などがある場合は確認が大切です。
ストレス
妊活や不妊治療は、心身に大きな負担がかかることがあります。ストレスが髪やホルモン環境に影響する可能性はありますが、「ストレスがあると妊娠できない」と単純に言えるわけではありません。ただ、ストレスケアが大切なのは確かです。
PCOSやホルモンバランスの乱れ
抜け毛や薄毛が目立つ場合は、排卵障害や高アンドロゲン状態が関わっていることもあります。月経不順やニキビ、多毛などがある場合は、婦人科で相談すると安心です。
東洋医学ではどう考える?
東洋医学では、髪は「血」や「腎」の状態を映すものと考えます。白髪、抜け毛、パサつきなどを、単なる美容上の悩みではなく、疲労の蓄積や血の不足、加齢や消耗のサインとしてとらえる視点があります。
たとえば、白髪や抜け毛が目立つ状態を、腎精の不足や血虚と関連づけて考えることがあります。こうした考え方は西洋医学の診断名とは異なりますが、妊活中の体調変化に気づくためのひとつの見方にはなります。
ただし、東洋医学の考え方だけで判断するのではなく、必要に応じて婦人科や皮膚科、内科での評価とあわせて考えることが大切です。
妊活中に髪の変化が気になるときの対処法
髪の変化が気になるときは、まず「いつから増えたか」「何か生活の変化があったか」を振り返ってみましょう。
- 不妊治療を始めた、または薬が変わった
- 仕事や家庭で強いストレスが続いている
- 睡眠不足が続いている
- ダイエットや食欲低下がある
- 月経不順や体重変化、疲れやすさがある
こうした点が重なっている場合は、髪だけの問題ではなく、身体全体のバランスが崩れている可能性があります。
受診を考えたいケース
- 急に抜け毛が増えた
- 地肌が目立つほど薄くなった
- 若いうちから白髪が急増した
- 月経不順や強い疲労感、動悸、体重変化を伴う
- 半年以上改善しない
このような場合は、婦人科だけでなく、皮膚科や内科への相談も検討すると安心です。
生活面で見直したいこと
- 極端な食事制限を避ける
- たんぱく質、鉄、ビタミンB群を意識する
- 睡眠時間を確保する
- ストレスを抱え込みすぎない
- 刺激の少ないヘアケアを心がける
抜け毛の中には、一時的なホルモン変化やストレスに伴うものもあります。必要以上に不安になりすぎず、原因を整理しながら落ち着いて対応していくことが大切です。
まとめ
白髪があるから妊娠しにくい、とは言えません。ただし、白髪や抜け毛の背景に、加齢、ストレス、栄養不足、甲状腺機能異常、ホルモンバランスの乱れ、不妊治療の影響などが隠れていることはあります。
妊活中に髪の変化が気になったときは、髪だけを見て不安になるのではなく、月経や排卵の状態、体調の変化、生活習慣もあわせて見直すことが大切です。
東洋医学では、こうした髪の変化を身体からのサインとしてとらえます。美容の問題として片づけず、身体全体を整えるきっかけとして活かしていく視点も役立つでしょう。
白髪が増えると妊娠しにくくなりますか?
白髪が増えたこと自体で、妊娠しにくいとは言えません。ただし、白髪の背景に加齢やストレス、栄養不足、甲状腺機能の異常などがある場合は、体調全体を見直すきっかけになります。
白髪は女性ホルモンの低下が原因ですか?
白髪を女性ホルモンの低下だけで説明することはできません。髪の色はメラノサイトの働きに関係しており、年齢、遺伝、酸化ストレス、栄養状態など、さまざまな要因が関わると考えられています。
不妊治療中に抜け毛が増えることはありますか?
あります。不妊治療では、ホルモン変化や心理的ストレス、睡眠不足、食欲低下などが重なることで、抜け毛が起こりやすくなることがあります。ただし、すべての方に起こるわけではなく、程度にも個人差があります。
白髪や抜け毛が気になるときは、何科に相談すればいいですか?
月経不順や排卵の悩みがある場合は婦人科、抜け毛や頭皮の症状が目立つ場合は皮膚科、疲れやすさや体重変化、動悸などがある場合は内科も相談先になります。症状に応じて複数の科を併用することもあります。
髪の変化があれば、すぐに病気を疑ったほうがいいですか?
必ずしもそうではありません。加齢や一時的なストレス、生活習慣の乱れで変化が出ることもあります。ただし、急に抜け毛が増えた、若いうちから白髪が急増した、ほかの体調不良もあるという場合は、早めに相談すると安心です。
📝こちらの記事もおすすめです
📚参考文献
- Daulatabad D, Singal A, Grover C. Premature Graying of Hair: Review with Updates.
- Bhat RM, Sharma R, Pinto AC, et al. Epidemiological and Investigative Study of Premature Graying of Hair.
- Female Pattern Hair Loss: An Overview with Focus on the Genetics.
- Female pattern hair loss and polycystic ovarian syndrome.
- Telogen Effluvium – StatPearls.
- Malkud S. Telogen Effluvium: A Review.
- The relationship between stress and infertility.
- Infertility and cortisol: a systematic review.
- ACOG. Skin Conditions During Pregnancy.
- CLOMID Prescribing Information.
- MedlinePlus. Letrozole.
この記事の監修者


院長:宇都宮 泰子
(うつのみや やすこ)
FEMICA認定妊活指導士/鍼灸学修士/MBA(経営管理修士)
はり師・きゅう師(国家資格)
- 日本フェムライフ統合ケア協会 代表理事
- 日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー
- 日本生殖医学会会員
不妊・不育症を専門とし、東洋医学と生殖医療の両面から体質改善をサポート。大学院研究員としての研究活動も行いながら、臨床現場で妊活支援に従事している。
※本記事は一般的な医学情報を提供するものであり、診断・治療を目的とするものではありません。治療方針は必ず主治医の指示に従ってください。
髪の変化が気になる方へ
白髪や抜け毛が気になると、「妊活に影響しているのでは」と不安になることがあるかもしれません。ただ、髪の変化だけで妊娠のしやすさは判断できず、実際にはストレス、睡眠、食事、冷え、ホルモンバランスなど、さまざまな要因が重なっていることも少なくありません。
宇都宮鍼灸良導絡院では、妊活中のお悩みを髪や見た目の変化だけで切り離さず、月経周期や体調、生活習慣も含めて全身のバランスをみながら整えていくことを大切にしています。
「病院に通っているけれど、体調面も整えていきたい」「不妊治療中の不安や冷え、疲れもあわせて相談したい」という方は、どうぞ無理のない範囲でご相談ください。
お身体の状態に合わせて、妊活と並行しやすい施術プランをご提案いたします🍀







