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ほうれん草×ベーコンは危険?食べ合わせによる発がん性リスクと対策

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昔から「うなぎと梅干」「スイカと天ぷら」など、一緒に食べると体に悪いと言われる「食べ合わせ」の俗説を耳にしたことがある方は多いでしょう。これらは科学的な根拠が乏しいものが多いですが、現代においては、加工食品や添加物が関わる「科学的な食べ合わせのリスク」が注目されています。

この記事では、現代の食品に含まれる特定の成分が体内で化学反応を起こし、発がん性物質を生成する可能性について、最新の知見と具体的な対策を詳しく解説します。過度に恐れるのではなく、「知って工夫する」ことで、より安全で健康的な食生活を送りましょう。

現代の食卓に潜む「科学的な食べ合わせ」の危険性

かつての食べ合わせの多くは迷信でしたが、現代の食環境では、加工食品に含まれる食品添加物が予期せぬ化学反応を引き起こすリスクがあります。中でも、特に注意が必要だと指摘されているのが、「亜硝酸塩(あしょうさんえん)」と「アミン」の組み合わせです。

👿亜硝酸塩とアミンが結合すると「ニトロソアミン」に

亜硝酸塩とアミンという物質が体内で同時に存在し、特定の条件下で化学反応を起こすと、国際がん研究機関(IARC)により「グループ2A(おそらくヒトに対して発がん性がある)」または「グループ1(ヒトに対して発がん性がある)」に分類される「ニトロソアミン」という強力な発がん性物質が生成される可能性があります。

🥓日常によくある“ニトロソアミン生成の可能性がある食べ合わせ”の例

これらの組み合わせは、通常の摂取量で即座に健康被害が出るわけではありませんが、「継続的な摂取」と「特定の反応条件(高温調理など)」が重なることでリスクが高まると考えられています。

  • ほうれん草(硝酸塩)+ベーコン(亜硝酸塩由来・アミン)

    ・ほうれん草などの葉物野菜には、土壌中の硝酸態窒素を吸収した硝酸塩が多く含まれています。体内で一部が亜硝酸塩に変換される可能性があります。

    ・ベーコン、ハム、ソーセージなどの加工肉製品には、発色剤として亜硝酸ナトリウム(亜硝酸塩)が添加されていることが多く、肉のタンパク質が分解されてできるアミンも含まれています。

    ・この組み合わせを高温で調理(炒める、焼くなど)すると、ニトロソアミンが生成されるリスクが高まります。

  • 漬物(亜硝酸塩)+焼き魚(アミン)

    ・一部の漬物には、発色や保存のために亜硝酸塩が使用されていることがあります。

    ・魚介類には、タンパク質の分解で生じるアミンが豊富に含まれています。

    ・特に、焼き魚のように高温で調理されたものと同時に摂取すると、体内でのニトロソアミン生成の可能性が指摘されます。

  • たらこ(発色剤に亜硝酸塩)+スパゲッティ(アミン)

    「たらこ 食べ合わせ 悪い」と検索される方が多いのは、たらこに含まれる発色剤(亜硝酸ナトリウム)と魚卵に含まれるアミンが、加熱調理(たらこスパゲッティなど)によってニトロソアミンを生成する可能性が指摘されているためです。

  • ハム(発色剤に亜硝酸塩)+卵(アミン)

    ハムエッグのように、ハムと卵を一緒に高温で調理する際に注意が必要です。卵黄に含まれるレシチンなどが分解されてアミンを生成する可能性があります。

  • 焼き魚(アミン)+しょうゆ(亜硝酸塩)

    醤油の原料である大豆には硝酸塩が含まれ、発酵過程で一部亜硝酸塩に変換される可能性があります。また、加工食品ではありませんが、魚のアミンと組み合わせることで、高温・反応条件が揃うと危険性が指摘されています。

  • レモン+紅茶

    これはニトロソアミンとは異なるメカニズムですが、輸入レモンなどに使用されるOPP(オルトフェニルフェノール)などの防カビ剤が、紅茶のカフェインと反応し、健康への影響が懸念されるケースも指摘されています。

一工夫でリスクを下げる!今日からできる食べ方の工夫

これらのリスクは、日々のちょっとした工夫で大きく下げることができます。過度に心配せず、賢く対処しましょう。

1. 「抑制因子」を一緒に摂る

特定の栄養素は、ニトロソアミンの生成を抑制する働きがあることが分かっています。特に意識して摂取したいのは以下の成分です。

  • ビタミンC: 亜硝酸塩とアミンが結合する前に、亜硝酸塩を別の物質に変化させることで、ニトロソアミンの生成を強力に阻害します。
  • ポリフェノール: 抗酸化作用により、ニトロソアミン生成に関わる活性酸素の働きを抑える可能性があります。
  • ビタミンE: 抗酸化作用を持ち、ニトロソアミンの生成を抑制する効果が期待されます。

🐟具体的な食べ方の工夫例

  • ほうれん草+ベーコン:パセリ、レモン汁・酢を加える、食後に柑橘類やキウイを摂る。
  • 漬物+焼き魚:緑茶、大根おろしを添える。
  • たらこ+スパゲッティ:パセリをたっぷり、加熱を控える、生が最も安全、食後にビタミンC豊富な野菜。
  • ハム+卵:酢やマヨネーズ、ビタミンC豊富な野菜と一緒に。
  • 焼き魚+しょうゆ:大根おろし、ポン酢、レモンやすだちを添える。

2. 加工食品の摂取量を控える

発色剤として亜硝酸塩が添加されている加工肉製品(ハム、ベーコン、ソーセージなど)や、たらこ、明太子などの魚卵は、摂取頻度や量に注意しましょう。完全に避ける必要はありませんが、毎日のように大量に摂ることは見直しても良いかもしれません。

3. 新鮮な食材を選ぶ

野菜などに含まれる硝酸塩は、鮮度が落ちると亜硝酸塩に変化しやすくなります。新鮮な野菜を選び、適切に保存して早めに食べきることを心がけましょう。

4. 調理法を工夫する

ニトロソアミンは高温で生成されやすい性質があります。亜硝酸塩を含む食品を調理する際は、揚げたり焦げ付かせたりするような高温調理を避け、茹でる、蒸すといった方法を検討するのも良いでしょう。

食品のリスクを“怖がる”より、“知って工夫する”が大切

現代の食卓には、利便性や美味しさを追求した結果、複雑な成分が組み合わさった加工食品が多く存在します。それらの中には、知らず知らずのうちに体に負担をかける可能性があるものも含まれています。

しかし、過度に恐れて食事がストレスになってしまっては本末転倒です。大切なのは、以下の3つのポイントを意識することです。

  • 適切な知識を持つ
  • 食材の選び方や調理法を工夫する
  • 添加物や加工食品の摂りすぎを避ける

これらの意識を持つだけで、日々の食事をより安心で健康的なものに近づけることができます。ぜひ、今日から実践してみてください。

📚参考文献

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