妊娠力をつける②不妊【不妊鍼灸・不育鍼灸】
前回は、妊娠力をつけるための「不妊予防」の概念についてご案内させていただきました。
今回は、東洋医学のひとつである「漢方」のご紹介をさせていただきます。
漢方を処方するにあたって、以下の4つの状態を確認することが基礎となっています。
①気・・・元気ややる気といった目には見えないエネルギーのこと
②血・・・血液や血液に含まれる栄養や酸素のこと
③水・・・体重の60%を占めるといわれている身体の中にある水分のこと
④腎精・・・両親から受け継いだ産まれながらのエネルギーのこと
人間は、これらの過不足によって、何らかの不調があらわれてきます。
たとえば、
「気」の不足が目立つ方は
・身体がだるい、疲れやすい、気力がない、食欲がない、下痢しやすい、すぐ眠くなる、冷えやすい、などといったことを訴えやすくなります。
このタイプの体質のことを「気虚」といいます。
不妊でお悩みの方に多くみられるのが、この「気虚」タイプの方です。
このタイプの方に処方される漢方は、胃の調子を整えることを第一にして、飲食からしっかり栄養を取り入れられるように身体づくりをしてくれるものです。
胃の機能が回復することによって、身体のなかに気血が巡り、充実するようになります。
また、気虚タイプに処方される漢方は精子の運動率をあげる目的でもよく用いられていますし、産後の疲労時や、ストレスにも効果が見られるようです。
この4つの診断以外にも、
季節によって弱りやすい臓器がありますし、
生まれながらの体質によって弱りやすい臓器もあります。
その日のストレスの程度や、ご本人の自覚症状も含めて漢方は処方されます。
その人をとりまく環境を含めて治療を組み立てることが漢方であり東洋医学の特徴なのです。
宇都宮鍼灸良導絡院では、漢方の販売等は行っておりませんので、具体的な処方例は控えさせていただきますが、不妊クリニックからも漢方はよく処方されているようです。
体質にあった漢方の服用で妊娠に至ったケースも多く見受けられます。
漢方薬はよく「効きが弱い」とか「副作用がない」と思われている方がいらっしゃいますが、そんなことはありません。
即効性があるものもありますし、副作用がおこることもあります。
漠然と長期間飲んだり、自己流で服用することは危険を伴いますのでご注意ください。
ご興味のある方は、お近くの漢方薬局や不妊クリニックで担当医に相談されてみてはいかがでしょうか。
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