治療院ブログ

38歳 保険適用での移植6回陰性後に自然妊娠

投稿日:

大阪市からお越しのMさん (38歳)が妊娠されました。

 

当院にお越しになるまで2年の不妊期間

患者情報:

Mさん 38歳 職業は看護師(ご主人 38歳)

初診時の体調は良好。

鍼灸の経験はなし。

問診では、肩こり・腰痛・冷え性・むくみ・便秘・ストレス過多・学生時代にアトピー性皮膚炎の治療歴あり。

睡眠は、平均6時間 就寝0時~起床6時 夢をよく見る。

生理は、順調28~30日で規則的、生理痛あり。下腹部に重い痛みがあり、鎮痛剤を服用。経血量は多く、暗赤色。 PMSはイライラ、便秘がある。

食生活は、1日3食、外食は少ない。趣向品は甘いものを好み、お酒やたばこはなし。

2021年から妊娠を望まれて2年が経過、現在不妊治療のため不妊治療専門クリニックを通院され、体外受精の段階。今までに採卵2回(1回目凍結胚は1個、2回目は初期胚:1個、胚盤胞:4個凍結)、移植2回(保険適用)。1回目の移植で陽性が確認されたが8週で流産。次の移植の判定は陰性。クリニックの検査では、黄体ホルモン低値(移植後、ホルモン補充しても上がらない)、甲状腺機能がやや低値のためチラージン服用。

服用している薬・サプリメントは、チラージン、酸化マグネシウム(便秘)、葉酸・VE(妊活のため)

自身でされている妊活は、温活(全身浴)・運動・よもぎ蒸し。

 

なかなか前進しない不妊治療

Mさんは、体質改善と移植に向けて身体を整えたいとご希望し、2023年1月に宇都宮鍼灸良導絡院にお越しになりました。

 

鍼灸は、週に1回、その時の不妊治療の段階に合わせて、その日の体調を伺い体質改善の施術を行いました。

2023年1月 鍼灸を始められた周期はERA検査を実施されて次の周期に移植を予定されていました。

問診では体調良好とのことでしたが、お話を聞いていくと足のむくみとだるさ、肩こり、首の凝り(後頭部から耳の後ろ)、目の疲れ、頭痛、頻尿、便秘など様々な症状が慢性的に続いていることが分かりました。これらの症状は、生活習慣によるものや自律神経の乱れによる症状であるため、毎回その日の体調をお聞きし、その症状に合った鍼灸とERA検査に向けて子宮の血流促進をさせる鍼灸を行いました。

ERA検査後は、「内膜がいつもりより2ミリ厚くなっていて前回の鍼が効いたのかも。」と仰っていました。

2023年 2月 移植周期(保険適用3回目)。判定は残念ながら陰性でした。移植後、P4値が低いため薬を使用し補充していましたが、なかなか上がらないとのことでした。

2023年 3月 移植周期(保険適用4回目)。判定は陰性でした。今回の移植で残りの凍結卵は初期胚1個ありましたが再度採卵を行うことになりました。

2023年 4月 転院。採卵からもう一度治療をされるということでした。パートタイムで勤務されていて、職場を掛け持ちしながらの妊活だったので遅い時間まで診療しているところを選ばれました。

2023年 5月 クリニック転院。転院されたクリニックでは、1度タイミング療法をされてからの採卵でした。採卵周期での鍼灸は、卵巣への血流を促進させ今までよりも卵の質が良くなるよう鍼灸とレーザーを行いました。合わせて、毎回その日の体調をお聞きし治療を行いました。採卵の結果は、11個採れた卵から初期胚1個、胚盤胞3個凍結でき、「今まででグレードが1番良かった。」と仰っていました。

2023年 7月 お休み周期。次に自然周期での移植を予定されていました。今まで基礎体温がギザギザなことが多かったですが、「今週期はD2でしっかり低温期だったのが今日から体温が高温期みたいになった。」と仰っていました。今回、Mさんのホルモンバランスが良くなっているようです。

2023年 8月 移植周期(自然周期)。移植に向けて子宮への血流促進を図る鍼灸レーザーを行いました。D16 の時点で卵胞径は9ミリ、内膜は6ミリ。いつもD19頃に排卵されるので今回は成長がゆっくりとしていました。この時も子宮卵巣への血流促進を図り、翌週には卵胞の大きさが17ミリに成長していました。内膜の厚さは8.5ミリで「もう少し厚みが欲しい。」とクリニックから言われたとのことで本人に了承を得て、更に子宮の血流促進を図る手技を行い、内膜の厚さは8.5ミリから12,5ミリに変化していました。その後、凍結融解胚盤胞移植の結果はフライングでうっすら陽性反応が出ました。血液検査はhCG値10と低反応で化学流産になってしまいました。この結果にMさんは涙を流されていました。

 

2023年 9月 検査と採卵周期。不育症検査とトリオ検査(先進医療などの保険適用内)、PGT-A(クリニックでの研究モニター募集により)を予定されていました。不育症検査の結果は問題なし。EMMA検査で善玉菌がゼロと分かり抗生剤が開始されました。PGT-Aのために行った採卵は、17個見えていた卵から7個だけが採れ、5個成熟卵、1個授精し凍結結果はゼロでした。クリニックの先生から「今回は卵を多くとるため今までと違う卵巣刺激法を行った。次は針を変える若しくは卵子活性法を考えましょう。」とのことでした。前回より良くない結果にMさんは納得がいかない様子でした。

2023年 11月 採卵周期。今回もPGT-Aを予定されていました。D2での卵胞チェックは、卵巣左右に1個ずつ見えていました。見えている数が少ないのでPGT-Aを使用かどうしようか迷っておられました。この時も卵胞がしっかり成長してくれるよう卵巣への血流促進と体質改善の鍼灸を行いました。D13での卵胞チェックは11個の卵胞が見えました。最も大きいもので22ミリでした。MさんはPGT-Aを行う判断をされました。採卵の結果は、採れた数は約半分の6個でした。成熟卵は3個、胚盤胞は1個凍結(5BB)できPGT-Aに提出されました。この結果にMさんは涙を流されていました。採卵を続けるごとに結果が良くない方に進み、なかなか思うように治療が前に進まないことが続き、つらい気持ちで胸がいっぱいだったのかもしれません。

以前からご本人からも転院の相談を受けていたこともあり、このタイミングでMさんは転院することを判断されました。

2023年 12月 転院。新しいクリニックでの治療が始まりました。(この頃と同じ時にPGT-Aの結果が届きました。結果は破棄されることになりました。)

まずは、タイミング療法を受けながら基本的な検査をもう一度受けることになりました。検査から低AMHが分かりました。今まで気づいていなかった原因でサプリメント(DHEA)の服用が追加されました。

2024年 2月 採卵周期。新しいクリニックでの採卵(1回目)。卵巣刺激法はPPOS法。鍼灸も今まで通り卵巣への血流促進を図りました。結果は、7個見えていた卵から6個成熟卵が採れ、初期胚1個、胚盤胞5個が凍結でき過去最高の結果でした。この結果に少しホッとした様子でした。

2024年 3月 移植周期。保険適用最後の移植はSEET法を選択されました。今回は内膜の成長も順調とのことでした。融解した胚盤胞は4ABから5ABに変化しました。結果は残念ながら陰性でした。

この時、Mさんは「今までは採卵後の移植は、いつもP4が低く薬を追加しても改善しなかった。今回はP4値がしっかりある。薬の内容もシンプル。」と仰っていました。クリニックによって治療の考え方が違うことが分かりました。

 

お休み周期に自然妊娠

2024年 5月 お休み周期。次周期に移植を予定されていて、この間に子宮収縮検査を受けることになりました。また、Mさんは好きな沖縄旅行を計画されていました。旅行に行かれる前日に自然妊娠しているとご報告いただき、予想外の結果にMさんは驚かれていました。妊娠後もマタニティ鍼灸で妊娠8~10週の壁を越えて安定期に向けて、妊娠維持とつわり、便秘などの鍼灸を行い、2024年 10月 妊娠21週で鍼灸を卒業されました。妊娠30週で逆子が分かり、逆子治療を行い無事治ったと思われます。(逆子治療後、産科で確認し、もし戻っていなければまた連絡してくださいとお伝えしています。)

 

移植前のお休み周期で、なんとなくとったタイミング(本人談)で自然妊娠されました。体外受精の治療ステージでしたが、自然妊娠できる状態だったことが分かりました。

これまで週に1回の鍼灸レーザーで子宮卵巣の血流促進と体質改善の施術を継続していました。何が良かったのか分かりませんが、Mさんがされていたこと全てが良い結果に繋がったのだと思います。クリニックによって治療の考え方や受ける治療も全く違い、治療の結果による心への影響は計り知れません。なかなか治療が前に進まない状況が続き、精神的なダメージが卵子へ影響していたのかもしれません。転院したタイミングを機に状況が変わったことがMさんの精神に良い影響を与えたのかもしれません。当院では妊娠しやすい身体づくりはもちろん、心の健康も重視し患者さんの些細な変化を見逃さないようにしています。

クリニックを選ぶ時に何を重視するかは本当に大切で妊娠・出産までの道のりが大きく変わります。

 

Mさん、本当におめでとうございます。

出産まであとわずかとなりました。無事出産されることを願っております。また何かあればいつでもサポートさせていただきますのでよろしくお願いいたします。ご家族3人で幸せなご家庭を築かれていってください。

 

Mさん妊娠お喜びの声

▢お悩みの症状またはご来院当初の目的をお聞かせください。

 1回目の移植で稽留流産、2回目の移植が陰性となり、他に何か出来ることがないか探してい 時に鍼灸が良いと聞いたので挑戦してみようと思ったため。

 

▢鍼灸以外で妊娠(陽性反応)された方法に〇をつけてください。

自然妊娠 次の移植を控えていた前の周期で自己タイミング法での自然妊娠

 

▢ご自身で「これは良かった!」「自分に合っていた!」と思われた妊活があればお教えください。

 レーザー・温活・ウォーキング ・サプリメント

 

▢鍼灸施術を受けていただいた感想をお聞かせください。

 初めての鍼灸で最初は不安でしたが痛みもなくこれなら続けられそうと思い通わせて頂きました。

毎回レーザーと鍼灸を受けていましたが、終わった後にはポカポカして身体が温まっているのを実感しました。

自宅での温活と併せて冷え症は改善したと思います。

1番変化を感じたのは生理痛とドロッとした経血 がほとんどなくなったことでした。

毎回その時の体調や治療のスケジュールに合わせた施術をして頂いたおかげで、便秘や腰痛などのマイナートラブルの改善や、採卵での凍結結果の改善、移植時の内膜が厚くなったりたりと通い始める前と比べて良くなったなと感じることがたくさんありました。

いつも正嗣先生にお願いしていたのですが、クリニックで聞けなかったことや疑問に思ったことを質問すると分かりやすく教えて下さり転院の相談にも乗って頂きました。

施術中も世間話をしたり楽しく受けることが出来ました。

 

▢同じように悩まれている方ヘアドバイス(ご自身でやって良かったこと、若しくは続けることが出来たセルフ妊活など)、やメッセージがあればお願いいたします。

 不妊治療を始めてから約2年半、保険での移植6回が上手くいかず、いつまで続けたらいいのか、でも諦められないからもう1回頑張ろうと思った矢先のまさかの自然妊娠でした

驚きしかなく、最初はまた流産してしまうかもしれないと不安ばかりでしたが、何とか安定期を迎えることが出来てひとまずホッとしているところです。

不妊治療中は、先も見えないしいつまで続くのか分からない不安と恐怖で治療のことでいつも頭がいっぱいでした。

周りに気軽に話せることでもなかったので、余計に一人で抱えこんでいた様に思います。

こちちに通うようになって、病院以外で治療について話せる場所があったのはとても大きいことでした。

先生たちの豊富な知識と色んな方の経験談などを聞かせてもらって、自分の中の疑問が解決していくことで次はこうしてみようと前向きに治療に向かえたと思います。

ありがとうございました。

 

※【免責事項】すべての方にあてはまるものではありません。効果の実感には個人差があります。  

宇都宮鍼灸良導絡院  

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