
年齢別AMH中央値と、正しい理解について
目次
AMH(抗ミュラー管ホルモン)とは
AMH(抗ミュラー管ホルモン)は、卵巣内に残っている卵胞の数の目安となるホルモンであり、卵巣予備能を評価するうえで非常に重要な指標です。
不妊治療や妊活において、自身の卵巣の状態を客観的に知るために広く用いられています。
年齢別AMH中央値(JISART:日本人女性15,000例以上の解析)
日本生殖医学会関連のデータとして、日本生殖補助医療標準化機関(JISART)による日本人女性15,000例以上の解析では、年齢別AMH中央値は以下のように報告されています。
- 27歳以下:4.69 ng/mL
- 28歳:4.27 ng/mL
- 29歳:4.14 ng/mL
- 30歳:4.02 ng/mL
- 31歳:3.85 ng/mL
- 32歳:3.54 ng/mL
- 33歳:3.32 ng/mL
- 34歳:3.14 ng/mL
- 35歳:2.62 ng/mL
- 36歳:2.50 ng/mL
- 37歳:2.27 ng/mL
- 38歳:1.90 ng/mL
- 39歳:1.80 ng/mL
- 40歳:1.47 ng/mL
- 41歳:1.30 ng/mL
- 42歳:1.00 ng/mL
- 43歳:0.72 ng/mL
- 44歳:0.66 ng/mL
- 45歳:0.41 ng/mL
- 46歳以上:0.30 ng/mL
このように、AMHは年齢とともに徐々に低下し、特に35歳以降、そして40歳以降では低下の速度が大きくなることがわかります。
「27歳以下」「46歳以上」が年齢区分で示されている理由
ここで重要なのは、27歳以下と46歳以上が単一年齢ではなく、「まとめた年齢区分」として示されている点です。これは、日本生殖医学会関連の解析において、統計的に信頼できる中央値を算出するために、症例数が十分に確保できる範囲で単一年齢ごとの解析が行われているためです。
27歳以下では不妊治療を受ける方の割合が比較的少なく、単一年齢ごとの十分な症例数を確保することが難しいため「27歳以下」としてまとめて報告されています。
また、46歳以上では卵胞数の減少に伴いAMHが非常に低値となることが多く、症例数自体も少ないため、「46歳以上」として報告されています。
AMHは妊娠の可否を直接示す指標ではない
AMHは卵巣の状態を知るうえで非常に重要な指標ですが、日本生殖医学会および日本産婦人科学会は、AMHが妊娠の可否を直接示すものではないとしています。
AMHは卵子の数の目安を示す検査であり、卵子の質や妊娠の成立を直接評価するものではありません。
AMHが低値でも妊娠に至るケースはある
実際に、AMHが低値であっても妊娠・出産に至る例は数多く報告されています。
当院においても、AMHが低いと診断された方が、鍼灸によって血流や自律神経の状態を整えた結果、採卵結果が改善し、妊娠・出産に至った例を多数経験しています。
まとめ
AMHは現在の卵巣予備能を知るうえで非常に重要な指標ですが、その数値だけで妊娠の可能性が決まるわけではありません。
身体全体の状態を整え、卵子が育ちやすい環境を整えることが重要です。


📚参考文献
この記事の監修者


院長:宇都宮 泰子
(うつのみや やすこ)
FEMICA認定妊活指導士/鍼灸学修士/MBA(経営管理修士)
はり師・きゅう師(国家資格)
- 日本フェムライフ統合ケア協会 代表理事
- 日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー
- 日本生殖医学会会員
不妊・不育症を専門とし、東洋医学と生殖医療の両面から体質改善をサポート。大学院研究員としての研究活動も行いながら、臨床現場で妊活支援に従事している。
※本記事は一般的な医学情報を提供するものであり、診断・治療を目的とするものではありません。治療方針は必ず主治医の指示に従ってください。
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