
年齢とART妊娠率の関係
体外受精を検討している方、すでに治療を受けている方からよく聞かれるのが、「この年齢だと妊娠率はどれくらいですか?」という質問です。
今回は、日本産科婦人科学会(JSOG)が公表している2022年ARTデータをもとに、
- 年齢別妊娠率
- 1回あたり妊娠率と累積妊娠率の違い
- 数字の正しい受け止め方
について詳しく解説します。
目次
2022年 ARTにおける年齢別妊娠率(胚移植あたり)
- 26歳:約50%
- 27歳:約50%
- 28歳:約48%
- 29歳:約49%
- 30歳:約48%
- 31歳:約48%
- 32歳:約47%
- 33歳:約46%
- 34歳:約45%
- 35歳:約44%
- 36歳:約42%
- 37歳:約40%
- 38歳:約38%
- 39歳:約34%
- 40歳:約31%
- 41歳:約27%
- 42歳:約23%
- 43歳:約18%
- 44歳:約14%
- 45歳:約10%
- 46歳:約6%
- 47歳:約6%
- 48歳:約5%
※数値は公開グラフからの読み取りによる概算です。
データから見える傾向
- 35歳頃から緩やかに低下
- 40歳以降は低下幅が大きくなる
- 43歳以降は急激に低下
これは主に、
- 卵子の染色体異常率の上昇
- 胚の発育停止率の増加
- 正常胚の割合の低下
が影響していると考えられています。
「1回あたり妊娠率」と「累積妊娠率」は違う
今回の数字は、1回の胚移植あたりの妊娠率です。
つまり、「その1回で妊娠する確率」を示しています。
しかし、実際の治療では多くの方が複数回の移植を行います。
累積妊娠率とは?
累積妊娠率とは、複数回の治療を重ねた場合に最終的に妊娠する確率のことです。
例えば、1回あたり妊娠率が30%の場合、
- 1回目:30%
- 2回目:30%
- 3回目:30%
と単純計算はできませんが、回数を重ねることで最終的な妊娠率は上昇します。
累積妊娠率 = 1 − (1 − 1回あたり妊娠率)^回数
つまり「毎回30%」でも、6回行えば理論上は約88%まで上昇します。
ただし重要なのは、
- 各回が完全に独立とは限らない
- 年齢により正常胚獲得率が変わる
- 治療中断率の影響を受ける
ため、実臨床ではこの理論値より低くなることが多いです。「1回の数字が低い=妊娠できない」という意味ではありません。
ただし注意点もある
年齢が高くなるほど、
- 1回あたり妊娠率は低下
- 正常胚の獲得率も低下
- 治療継続率も下がる傾向
があります。
そのため、若年層ほど累積妊娠率の上昇幅は大きく、高年齢層では上昇幅が小さくなる傾向があります。ここが「年齢の影響」です。
同じ年齢でも結果は違う
妊娠率は年齢だけで決まりません。同じ年齢でも、
- 卵子の質
- 精子の質
- 胚盤胞到達率
- 子宮内膜環境
- 血流
- 慢性炎症の有無
- 生活習慣
- 睡眠
- ストレス
などによって結果は大きく変わります。
数字を見ると不安になる方へ
確かに、年齢とともに妊娠率は低下します。しかし、
- 妊娠する力がゼロになるわけではない
- 低い数字=妊娠できない、ではない
- 身体づくりでサポートできる部分もある
ということも忘れてはいけません。
当院でも40代で妊娠・出産された方は多くいらっしゃいます。
大切なのは、「数字に振り回されること」ではなく「今できることを積み重ねること」です。
まとめ
- ART妊娠率は年齢とともに低下する
- 40歳以降は低下幅が大きくなる
- ただしこれは1回あたりの妊娠率
- 累積妊娠率は別の概念
- 個人差は非常に大きい
正しい情報を知ることは大切です。しかし、その数字をどう使うかはもっと大切です。
不安の材料ではなく、戦略を立てる材料として活用していきましょう。
📚参考文献
この記事の監修者


院長:宇都宮 泰子
(うつのみや やすこ)
FEMICA認定妊活指導士/鍼灸学修士/MBA(経営管理修士)
はり師・きゅう師(国家資格)
- 日本フェムライフ統合ケア協会 代表理事
- 日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー
- 日本生殖医学会会員
不妊・不育症を専門とし、東洋医学と生殖医療の両面から体質改善をサポート。大学院研究員としての研究活動も行いながら、臨床現場で妊活支援に従事している。
※本記事は一般的な医学情報を提供するものであり、診断・治療を目的とするものではありません。治療方針は必ず主治医の指示に従ってください。
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宇都宮鍼灸良導絡院は、大阪市都島区にある妊活専門の鍼灸院です。体質改善から不妊治療のサポートまで、患者様一人ひとりに合わせた施術をご提供しています。妊活や体調のお悩みなど、どうぞお気軽にご相談ください🍀







