治療院ブログ

体外受精と運動・ストレス「動いたほうがいいの?」「安静にすべき?」

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体外受精(ART)に取り組む中で、
「治療前は運動した方がいいのか」
「胚移植後は安静に過ごすべきなのか」
「ストレスはどこまで妊娠に影響するのか」
といった疑問を抱く方は非常に多いのではないでしょうか。

「動きすぎると着床しないのでは」
「ストレスを感じたら妊娠できないのでは」
と不安になり、必要以上に生活を制限してしまう方も少なくありません。

近年の研究を整理すると、運動とストレスについて、より冷静で現実的な理解が可能になってきています。

治療前の運動は、体外受精の成績と関連する可能性がある

ハンガリーで行われた研究では、体外受精または顕微授精に臨む女性26名を対象に、治療前の身体活動量と治療成績の関係が調べられました。

その結果、以下の関連が認められました。

  • 身体活動量が多い女性ほど成熟卵数が多い
  • 良好胚の割合が高い
  • 妊娠判定時のhCG値が高い

ここで注目されたのが、唾液中の酸化ストレスマーカー(8-OHdG)です。

「活性酸素が多い方が妊娠しやすい」のか?

身体活動量が多い群では8-OHdGが高値を示し、妊娠成立との関連が報告されました。

ただし、これは「活性酸素が多いほど妊娠しやすい」と単純に結論づけているわけではありません。

研究で示唆されているのは次のようなメカニズムです。

  • 運動により一時的に酸化ストレスが増加する
  • それに対する抗酸化防御機構が活性化する
  • そのバランスが保たれている状態が、生殖機能にとって好ましい可能性がある

活性酸素は「悪者」ではない

活性酸素はエネルギー代謝の過程で必ず産生される物質です。

過剰であれば細胞障害や老化を引き起こしますが、同時に次のような重要な役割も担っています。

  • 細胞内シグナル伝達
  • 免疫調節
  • 卵胞発育や排卵に関わる生理反応

重要なのは、活性酸素を「ゼロにすること」ではなく、
抗酸化システムとのバランスが保たれていることです。

運動がもたらす「良い酸化ストレス」

運動によって一時的に活性酸素は増えますが、それに反応して次の抗酸化酵素が誘導されます。

  • SOD
  • カタラーゼ
  • グルタチオンペルオキシダーゼ

この「適度な刺激によって身体が強くなる反応」はホルミシス効果と呼ばれ、生殖機能においても重要な意味を持つと考えられています。

移植前後は「安静にしすぎなくてよい」

米国の前向きコホート研究では、凍結融解胚移植(ホルモン補充周期)を受ける女性82名を対象に、活動量とストレス指標が検討されました。

  • 妊娠群と非妊娠群で身体活動量に差はなし
  • 活動量が多くても妊娠率は低下しない
  • 睡眠時間や心拍数に有意差なし
  • コルチゾール値と妊娠率に明確な関連なし

つまり、移植後に極端に安静にする必要はないと考えられます。

ストレスは「質」が重要

ストレスは「あるかないか」ではなく、その質が重要です。

ストレスの種類

  • 挑戦や期待を伴うポジティブなストレス(ユーストレス)
  • 抑圧感・無力感を伴うネガティブなストレス(ディストレス)

慢性的なネガティブストレスの影響

  • 交感神経の過活動
  • HPA軸の持続的活性化
  • 炎症反応の増強
  • 睡眠障害
  • HPO軸の抑制

日常生活での一時的な緊張までを過剰に恐れる必要はありません。
問題となるのは慢性的で強いネガティブストレスです。

では、どう過ごすのがよいのか

治療前

  • ウォーキング
  • 軽いジョギング
  • ストレッチやヨガ
  • 日常的な身体活動

無理なく継続することが大切です。

移植後

  • 特別に運動量を増やす必要はない
  • 極端に安静にする必要もない
  • 「普段どおり」を意識する

まとめ

  • 治療前の適度な運動は成績と関連する可能性がある
  • 一過性の酸化ストレスは防御機構を活性化する
  • 移植前後に極端な安静は不要
  • 問題となるのは慢性的なネガティブストレス

運動もストレスも、妊娠率だけを目的に管理するものではありません。
プレコンセプションケアとして、治療前からの運動習慣と無理のないストレスマネジメントを大切にしていきましょう。

📚参考文献

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