
携帯を枕元に置いて寝ても大丈夫?脳や妊活(ホルモン・血流)への科学的知見
脳への影響
携帯電話が発する電磁波(無線周波・RF)は、WHO国際がん研究機関(IARC, 2011)で「ヒトに対して発がん性の可能性がある(グループ2B)」と分類されています。ただし、これは 「明確な証拠がないが可能性を否定できない」 という意味で、コーヒーや漬物と同じカテゴリーです。
INTERPHONE多国間疫学研究(13カ国対象)では、10年以上の使用者でも脳腫瘍リスクの明確な増加は認められませんでした。
短期的な影響(脳の電気的活動・認知機能・睡眠・血圧など)を調べた複数のヒト試験でも、有害な変化は一貫して確認されていません。組織の温度上昇などの熱的影響は、現在の携帯出力レベルでは無視できる程度です。
妊活(ホルモン・血流)への影響
欧州委員会科学委員会(SCENIHR, 2015)やWHOのレビューによれば、現状の携帯電話レベルの電磁波によって 生殖機能や発達に悪影響があるという確固たる証拠はない とされています。
一部の動物実験では、非常に強い・長時間の曝露で精子数や精巣細胞が減少する報告がありますが、ヒトで同等の影響を示すデータはありません。
妊婦の腹部や胎児への吸収量を評価した数値モデル研究でも、通常の携帯使用レベルでは有害な影響は認められていません。
ホルモン分泌や睡眠・血流への影響
一部の動物実験では、強力な電磁波曝露によりメラトニン分泌が変化する結果がありますが、ヒトでの影響は確認されていません。
メラトニンは睡眠や抗酸化作用、妊娠維持に関与しますが、現状では「携帯電磁波が妊活に影響する」という十分な証拠はありません。
睡眠や血流への影響を調べたヒト研究(PLoS ONE, 2015など)では、一部の睡眠指標に関連が見られる場合があるものの、明確な健康被害とは判断されていません。
海外での予防的な対応
フランスやポーランドなど一部の国では、妊婦や子供に対し長時間の携帯使用を控えるよう推奨しています。
科学的に重大な悪影響が証明されていなくても、「不安材料は避けたい」という予防原則の立場から、妊活中や妊娠中は枕元に置かず少し離すことが望ましいと考えられます。
まとめ
現時点で、「携帯を枕元に置くことで脳や妊活(ホルモン・血流)に重大な悪影響がある」ことを示す確実な科学的証拠は存在しません。ただし、長期的影響や若年層への影響についてはまだ研究が継続中であり、妊活中・妊娠中は予防的に距離をとることが安心です。
📚参考文献
- IARC Monographs on the Evaluation of Carcinogenic Risks to Humans, Vol. 102 (2013)
- INTERPHONE Study Group. Brain tumour risk in relation to mobile telephone use: results of the INTERPHONE international case–control study. Int J Epidemiol. 2010;39(3):675-694.
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