治療院ブログ

プラスチックとホルモンの関係

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はじめに

私たちの生活に欠かせないプラスチック。その柔らかさや耐久性を保つために使われている「フタル酸エステル」は、知らないうちに体内に取り込まれていることがあります。

しかし、このフタル酸エステルは「内分泌かく乱化学物質(EDC)」として知られ、ホルモンの働きを乱す可能性があることが多くの研究で示されています。

妊活や不妊治療を行う方にとって、ホルモンのバランスは非常に重要です。

今回は、フタル酸エステルがどのようにホルモン系(内分泌系)へ影響するのか、そして健康全体にどのような影響を及ぼすのかを、最新の研究をもとに解説します。

内分泌系とは何か

内分泌系は、ホルモンを分泌する腺や器官(下垂体、甲状腺、副腎、卵巣、精巣など)で構成され、生殖能力、成長、代謝、血糖調節、体温調節、ストレス反応など、多くの身体機能をコントロールしています。

わずかなホルモンの乱れでも、生殖機能、胎児発達、代謝、免疫などに深刻な影響を及ぼすことがあり、内分泌系のバランスは生命維持に欠かせない非常に繊細なシステムです。

この繊細な仕組みに外から影響を与える化学物質が「内分泌かく乱化学物質(EDC)」と呼ばれます。

EDCはホルモンのように受容体に結合したり、ホルモン合成や分解、分泌を妨げたりすることで、体内のホルモン調整を乱す可能性があります。

フタル酸エステルとプラスチックとの関係

フタル酸エステル(phthalates)は、ポリ塩化ビニル(PVC)製品を柔らかくする可塑剤として使われており、医療用チューブ、食品包装、おもちゃ、化粧品、シャンプー、芳香剤などにも含まれています。

これらは化学的にプラスチックと強く結合していないため、使用中や加熱時に環境中に放出されやすく、食品や空気、埃、水などを介して体内に取り込まれることがわかっています。

実際、ヒトの尿や血液、母乳からもフタル酸エステルの代謝物が検出されています。

フタル酸エステルと内分泌かく乱の関係

フタル酸エステルは、体内でホルモン様の作用を示すことがあり、性ホルモン(エストロゲン・アンドロゲン)や甲状腺ホルモンの働きを妨げることが報告されています。

特に注目されているのは以下のような影響です。

  • 男性では:精子数や運動率の低下、テストステロンの分泌抑制、精巣発育障害
  • 女性では:卵巣機能低下、月経不順、子宮内膜症や子宮筋腫のリスク上昇
  • 胎児・子どもでは:発達・行動への影響、性分化異常、早発月経など

さらに、フタル酸エステルは視床下部—下垂体—性腺軸(HPG軸)や甲状腺軸(HPT軸)に影響し、ホルモン分泌のバランスを長期的に変化させることも示唆されています。

EDC曝露と疾患の関連

内分泌系に小さな障害が起きるだけでも、生物の機能には深刻な影響が出ることがあります。

EDC(内分泌かく乱化学物質)への曝露と、以下のような疾患との関連が報告されています。

  • 妊娠合併症(早産、妊娠糖尿病、胎児発育遅延など)
  • 生殖障害(不妊、精子形成異常、卵巣機能障害など)
  • 代謝異常(糖尿病、肥満、脂質代謝異常)
  • 甲状腺疾患や心血管疾患
  • 免疫異常や神経発達障害

これらは、ホルモンが関与するさまざまな生理機能にフタル酸エステルが干渉することで起こると考えられています。

妊活・不妊治療との関わり

妊活や不妊治療においては、ホルモンの微細な変化が大きな影響を及ぼします。

フタル酸エステルは、排卵や卵子の成熟、子宮内膜の受容能、さらには受精後の着床にも関与している可能性が指摘されています。

また、妊娠初期の曝露は胎児の性分化や成長発達にも影響を及ぼすため、妊娠を望む方・妊娠中の方は特に注意が必要です。

鍼灸治療ではホルモンバランスの安定や血流促進、自律神経の調整を目的として行うことが多く、こうした環境化学物質による負担を軽減するための「体質づくり」の一助としても期待できます。

フタル酸エステルの曝露を減らすために

  • プラスチック製の食品容器やラップを避け、ガラスやステンレス製品を使用する
  • プラスチック容器の電子レンジ加熱や直射日光下での使用を避ける
  • 「フタル酸エステルフリー」「可塑剤不使用」と記載された製品を選ぶ
  • 香料や柔軟剤、化粧品などの香り成分(フレグランス)にも注意する
  • 小さな子どもや妊娠中の方の周囲では、プラスチック製品の使用を最小限にする

まとめ

フタル酸エステルは、私たちの身の回りのプラスチック製品に広く含まれています。

これらが体内に入ると、内分泌系に作用してホルモンバランスを乱し、妊娠合併症や代謝異常、肥満、心疾患など多岐にわたる健康リスクと関連する可能性があります。

ホルモンのバランスを保ち、妊娠しやすい身体づくりを目指すためには、「食・環境・生活習慣」すべてを整えることが大切です。

鍼灸などの自然な方法で身体のリズムを整えながら、プラスチックや化学物質の影響をできるだけ減らしていくことが、未来の健康につながります。

📚参考文献

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