
35歳(チョコレート嚢腫)鍼灸で自律神経を整え体外受精で妊娠
大阪府からお越しのNさん(35歳)が妊娠されました。
チョコレート嚢腫と診断されていたNさん
Nさんが宇都宮鍼灸良導絡院に初めてお越しになったのは2020年12月。すでに1年の不妊期間があり、タイミング法と人工授精を続けておられました。通院中のレディースクリニックでは、左卵巣のチョコレート嚢腫(4cm、経過観察)が指摘されていました。
来院時の主訴と体質背景
公務員として多忙な日々を送られていたNさんは、以下の不定愁訴(ふていしゅうそ)にお悩みでした。これらは自律神経の乱れや全身・骨盤内の血流低下と関連し、妊活の妨げになることがあります。
- 肩こり
- 冷え性:特に足首やかかと周辺の冷えは、東洋医学では生殖器系の冷えと結びつけて捉えます。
- 手のひら・足裏の発汗過多:緊張に伴う交感神経優位(いわゆる「手に汗握る」状態)が慢性化したサインです。
こうした自律神経のアンバランスに対して、鍼灸は有効です。また、施術と並行してセルフケアとして自宅灸をおすすめし、継続していただいた結果、以下の効果が見られました。
- 手掌・足底の発汗が目に見えて軽減。
- 日々のセルフケアが自律神経の安定に寄与しました。
チョコレート嚢腫と月経痛へのアプローチ
Nさんは毎周期、左卵巣あたりの強い月経痛があり、ロキソニンを服用されていました。
チョコレート嚢腫(子宮内膜症性卵巣嚢胞)について
この疾患は20〜40代に多く、月経痛・過多月経・骨盤痛・排卵障害などを伴いやすいです。
東洋医学的な捉え方と施術方針
東洋医学では、チョコレート嚢腫を以下の全身の巡りの乱れとして捉え、体全体のバランスを整える方針をとります。
- 血行不良の「瘀血(おけつ)」
- 水分代謝低下の「痰湿(たんしつ)」
- ストレス過多による「肝鬱気滞(かんうつきたい)」
週1回の鍼灸で月経リズムや痛みの緩和を図り、Nさんも「痛みがやわらいだ」と体感されました。
体外受精へのステップアップ
人工授精を複数回試みるも妊娠には至らず、専門クリニックへ転院して体外受精へステップアップされました。鍼灸施術では、質の良い卵子を目指すために鍼灸にレーザーを併用し、卵巣血流の最適化に取り組みました。
採卵・移植の結果
- 採卵:6個の卵から胚盤胞を6個凍結という良好な結果に。
- 1回目の移植:わずかに陽性後に陰性。
- 2回目の移植:陽性反応を確認。続いて胎嚢・心拍も確認され、無事クリニックを卒業し産科へ転院されました。
妊娠後も、つわり、肩こり、腰痛への対処としてマタニティ鍼灸を継続されています。お身体の変化に合わせ、無理のない範囲で施術計画を調整しながらサポートしています。
まとめ:鍼灸が妊活にもたらすもの
自律神経の乱れや冷え、月経痛などの背景がある場合でも、鍼灸・セルフケア・医療の連携により、卵巣環境の改善や体調の底上げが期待できます。
Nさん、この度は本当におめでとうございます。安心で安全なマタニティ期を過ごせるよう、今後もしっかりとサポートいたします。
Nさん妊娠お喜びの声
▢ お悩みの症状またはご来院当初の目的をお聞かせください
当時はタイミング法で妊活しており、少しでも早く妊娠できたらいいと思い体質改善のために通い始めました。
▢ 鍼灸以外で妊娠(陽性反応)された方法に〇をつけてください
体外受精(シート法)
▢ ご自身で「これは良かった!」「自分に合っていた!」と思われた妊活があればお教えください
自宅灸 ・レーザー
▢ 鍼灸施術を受けていただいた感想をお聞かせください
妊娠目的ではありましたが肩こりがひどく、長年悩まされてきた肩こりが改善したので、妊娠しない期間も体調のためにとても良かったと思います。肩こりへのアプローチも毎回同じ方法ではなく、その日の状態をしっかり触診したうえでいろんな方法で治療していただいたので、とても良かったです
▢ 同じように悩まれている方へアドバイス(ご自身でやって良かったこと、若しくは続けることが出来たセルフ妊活など)やメッセージがあればお願いいたします。
先生もとても気さくなので、妊活で疑間に思ったこと、アドバイスを教えてもらえるのでとても頼りになり、お話しをすることでいい気晴らしにもなりました。妊娠しない期間も間違いなく、体質改善には繋がっているので、メンテナンスのためにも通院できて良かったです。