冬の養生と妊活 冬の過ごし方とツボ
冬の養生と妊活
寒さが厳しくなる冬は、動物も植物もひっそりと内にこもる季節です。私たちの身体も、この時期はエネルギーをできるだけ消耗せず、体内に蓄えることが大切です。冬にしっかりと蓄えを行わないと、生命力が芽吹く春を迎える準備が整いません。特に妊娠を目指す方にとって、冬は「腎」を補い、身体を整える絶好のタイミングです。
東洋医学と冬
東洋医学では、冬は「水」と深く関わる季節とされています。身体が冷えやすく、一度冷えると温まりにくくなるのが特徴です。「腎」は冷えに弱く、腎が冷えることでその機能が低下し、生殖機能やエネルギーの巡りにも影響を及ぼします。妊活においても冷えは大敵であり、冬は特に冷え対策を徹底することが重要です。
冬の過ごし方
冬を健康的に過ごし、妊娠力を高めるためのポイントを以下に挙げます。
- 体を芯から温める
お風呂は肩までゆっくりつかり、身体の芯までしっかり温めましょう。髪が冷えると身体も冷えるため、髪を洗った後はすぐに乾かすようにしましょう。 - 適度な運動
ストレッチや体操で体を動かし、エネルギーや血流を巡らせましょう。特に「腎」の経絡が通るふくらはぎの内側のラインを意識したストレッチがおすすめです。足首を直角に曲げ、つま先を外側に開くようにすると、ふくらはぎの内側のラインを効果的に伸ばせます。 - 食事で身体を整える
黒豆、いかすみ、しじみ、えび、味噌など、「黒いもの」や「鹹(しおから)いもの」を取り入れ、腎を補いましょう。これらの食品は血流を促し、冷えた身体を温める効果があります。 - 十分な休息
夜は早めに就寝し、たっぷりと睡眠を取ることでエネルギーを蓄えます。冬は内側にエネルギーを集める季節ですので、無理な活動を避けましょう。
ツボを活用したケア
身体を温め、妊活をサポートするにはツボの活用も効果的です。
- 復溜(ふくりゅう)
足首の内側、くるぶしの少し上に位置するツボで、腎を補い、冷えやむくみを改善します。 - 三陰交(さんいんこう)
足首の内側、くるぶしから指4本分上の場所にあるツボで、血流を促し、ホルモンバランスを整えます。
これらのツボを日々心地よい圧で刺激することで、冷えを和らげ、妊娠に適した環境を整える助けになります。
冬をじっくりと過ごしながら「腎」を補い、春に向けた健康的な身体をつくることで、妊娠力を高める一歩を踏み出しましょう。
参考文献
- 伊藤和憲(2021)『今日から始める養生学』インターナショナル親書
- 妊活中の適度な運動とは?過度な運動とは?
- 卵子の質を高めるために実践したい6つの方法