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流産を防ぐ方法とは?【流産のサインと予防方法】

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「せっかく授かった命を守りたい」「どうしたら流産を防げるのだろう」と、不安に思う方は少なくありません。妊活や妊娠中は、ちょっとした体調の変化や生活習慣が赤ちゃんに影響するのではないかと気になってしまいますよね。

しかし実際には、流産には防げるものと防げないものがあり、医学的に分かってきたこと・誤解されやすいことが多く存在します。ここでは、流産の原因、予防できること、注意すべきサインを整理し、安心して妊娠生活を送るためのヒントをお伝えします。

初期流産の主な原因

妊娠12週未満、とくに10週ごろまでの「初期流産」の原因の多くは、赤ちゃん自身の染色体異常によるものです。これは偶然の出来事であり、残念ながら防ぐことはできません。

その他には、母体側の要因として次のようなものがあります。

  • 子宮の形態異常(子宮奇形や中隔子宮など)
  • 大きな子宮筋腫
  • 抗リン脂質抗体症候群(血液の異常によって血栓ができやすくなる病気)
  • コントロールされていない糖尿病や甲状腺の異常

これらの場合は、治療や予防的な対応が可能なこともあります。

一方で、「強い精神的ショックを受けたから流産した」「運動をしたから流産になった」というような思い込みは誤解です。正常な妊娠であれば、適度な運動や夫婦生活が流産を引き起こすことはありません。

流産のサインと受診の目安

  • 茶色〜鮮血の出血
  • 下腹部の強い痛み
  • 片側だけの急な痛みやふらつき

こうした症状があるときは、早めに産婦人科を受診してください。子宮外妊娠など別の病気が隠れていることもあります。

ただし「絶対安静」が流産を防ぐという根拠はありません。必要以上に寝たきりで過ごすのではなく、医師の指示に従い、無理のない範囲で日常生活を送りましょう。

予防できること

流産の大半は防げないものですが、生活習慣を整えることでリスクを減らすことは可能です。

1. 持病の管理

糖尿病や甲状腺の異常、高血圧などは妊娠前から主治医と相談し、きちんとコントロールしておくことが大切です。

2. 禁煙・禁酒

喫煙や飲酒は流産や胎児の発育不全のリスクを高めます。

3. カフェインの摂取量を控える

コーヒーや紅茶、緑茶は1日200mg以下を目安にしましょう(マグカップ1〜2杯程度)。

4. 食中毒予防

妊娠中は免疫力が下がるため、リステリア菌やトキソプラズマに注意が必要です。

  • ナチュラルチーズや生ハム、生肉・加熱不十分な魚介類は避ける
  • デリミートやホットドッグは必ず再加熱
  • 野菜や果物はしっかり洗う
  • 猫のトイレ掃除や園芸は手袋をして、手をよく洗う

5. 適度な運動

妊娠経過が順調であれば、ウォーキングや妊婦ヨガ、軽い筋トレなどはむしろ推奨されます。転倒やお腹への強い衝撃を避ければ、運動が流産につながることはありません。

6. 葉酸の摂取

妊活中から妊娠12週までは、葉酸を1日400µg摂ることが推奨されています。これは神経管閉鎖障害の予防に役立ちます。鉄分を含む妊婦用サプリを利用するのも良いでしょう。

医療的にできるサポート

  • 黄体ホルモン補充
    妊娠初期に出血があり、かつ過去に流産の経験がある方には、黄体ホルモン(プロゲステロン)の投与が有効とされています。
  • 抗リン脂質抗体症候群の治療
    この病気がある方は、低用量アスピリンとヘパリンの併用で再流産を減らせることがわかっています。
  • 子宮奇形への対応
    子宮中隔などの形態異常があり流産を繰り返す場合は、手術で改善できることがあります。

一方で、「絶対安静」「hCG注射」「子宮収縮を抑える薬」などは、流産予防効果がないとされています。

食事とつわりの工夫

古くから「黒豆」「キクラゲ」「白身魚」などが安胎によいといわれてきました。栄養豊富な食品を取り入れることは良いことですが、特定の食材が流産を防ぐという医学的根拠は乏しいのが現実です。

大切なのは、温かく消化の良い食事をバランスよく摂ること。つわりの時期は、無理に栄養バランスを整えようとせず、食べられるものを食べられるときに少量ずつ摂ることを優先してください。水分補給も忘れずに。

こころのケア

流産は、身体だけでなく心にも大きな負担を与えます。ストレスが流産を直接引き起こすことはありませんが、不安を一人で抱えるのはつらいものです。家族やパートナー、医療者に気持ちを共有したり、支援団体のサポートを受けることも大切です。

まとめ

  • 初期流産の多くは染色体異常によるもので、防ぐことはできません。
  • 生活習慣の工夫で予防できる部分もあり、禁煙・禁酒・食中毒予防・適度な運動・葉酸の摂取が推奨されます。
  • 出血や強い痛み、発熱があれば早めに受診を。長期の絶対安静は予防効果がありません。
  • 医療的に有効な治療は、条件を満たす一部の方に限定されます。

流産は決して「自分のせい」ではなく、医学的に避けられないことが多いものです。だからこそ、自分を責めるのではなく、今できる生活習慣やケアに取り組みながら、心身を大切にしていきましょう。

📚参考文献

  • ACOG Practice Bulletin: Early Pregnancy Loss/運動と妊娠(更新声明)
  • NICE NG126(子宮外妊娠と流産:診断と初期管理)と2021年プロゲステロン推奨更新
  • RCOG(イギリス産婦人科医会)患者向け解説(早期流産・反復流産)
  • CDC/FDA:リステリア・トキソプラズマ対策、妊婦の安全な食
  • 葉酸摂取:WHO/厚労省系情報/USPSTF(0.4mg/日推奨)

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