
妊活中に葉酸が必要な理由|摂取量・食べ物・サプリの選び方
妊活中に「葉酸を飲んだ方がいい」と聞いたことがある方は多いと思います。
ただ、「葉酸はいつから必要なの?」「食べ物だけで足りる?」「サプリは飲んだ方がいい?」「男性も葉酸を摂った方がいいの?」と迷う方も少なくありません。
葉酸は、妊娠初期の赤ちゃんの発育に深く関わる栄養素です。特に、脳や脊髄のもとになる神経管は、妊娠に気づく前のとても早い時期につくられます。
そのため、妊娠がわかってから慌てて始めるよりも、妊娠を考え始めたタイミングから少しずつ準備しておくことが大切です。
- 葉酸は、妊娠初期の赤ちゃんの神経管形成に関わる大切な栄養素です。
- 神経管は妊娠に気づく前の早い時期につくられるため、妊娠を考え始めた段階から意識することが大切です。
- 妊活中は、食事に加えてサプリメントなどから1日400μgの葉酸を補うことが勧められています。
- ほうれん草、ブロッコリー、枝豆、納豆、いちご、アボカドなどは葉酸を含む食材です。
- 男性妊活でも、葉酸だけに頼るのではなく、食事・睡眠・ストレス・生活習慣を含めて整えることが大切です。
目次
妊活中に葉酸が大切な理由
葉酸はビタミンB群の一種で、DNAの合成や細胞分裂、赤血球の形成に関わる栄養素です。
妊活中に葉酸が大切とされる一番の理由は、赤ちゃんの神経管閉鎖障害のリスクを下げることが期待されているためです。
神経管閉鎖障害とは、赤ちゃんの脳や脊髄のもとになる神経管がうまく閉じないことで起こる先天異常のことです。代表的なものに、二分脊椎や無脳症などがあります。
神経管は妊娠のごく初期、まだ妊娠に気づいていない時期に形成されるため、妊娠前から葉酸を十分に摂っておくことが勧められています。
葉酸はいつから摂ればいい?
葉酸は、妊娠を希望した時点から意識して摂り始めるのがおすすめです。
目安としては、妊娠の1か月以上前から妊娠初期まで、食事に加えてサプリメントなどから葉酸を摂ることが推奨されています。
妊活は予定通りに進むとは限りません。そのため、「妊娠したら飲む」ではなく、「妊娠を考え始めたら始める」と考えておくと安心です。
すでに妊娠がわかってから葉酸を始めた方も、「遅かった」と必要以上に不安にならなくて大丈夫です。気づいた時点から、食事とサプリを上手に取り入れていきましょう。
妊活中の葉酸の摂取量の目安
成人の葉酸の推奨量は、男女ともに1日240μgです。
妊娠を計画している女性、妊娠の可能性がある女性、妊娠初期の女性は、通常の食事に加えて、サプリメントなどから1日400μgの葉酸を摂ることが望ましいとされています。
ここで大切なのは、「食事をやめてサプリだけにする」という意味ではないことです。
葉酸は、野菜・豆類・果物などにも含まれます。まずは食事のバランスを整え、そのうえで妊活中に必要な量を安定して補うためにサプリを活用する、という考え方が現実的です。
食べ物だけで葉酸は足りる?
葉酸は、ほうれん草、ブロッコリー、枝豆、納豆、いちご、アボカドなどに多く含まれています。
たとえば、葉酸を多く含む食べ物には次のようなものがあります。
- ほうれん草
- ブロッコリー
- 枝豆
- 納豆
- いちご
- アボカド
- レバー
ただし、葉酸は水溶性ビタミンのため、ゆでる・長時間加熱するなどの調理で減りやすい特徴があります。また、食品中の葉酸はサプリメントの葉酸に比べて、体内で利用される量が安定しにくいとされています。
そのため、毎日食事だけで妊活中に必要な量を安定して摂り続けるのは、思っている以上に大変です。
食事から葉酸を摂ることは大切ですが、妊活中は「食事+サプリ」で考えると続けやすくなります。
葉酸が多い食べ物と取り入れ方
妊活中におすすめしやすい食材は、日常の食事に無理なく入れられるものです。
ほうれん草
ほうれん草は葉酸を含む代表的な葉物野菜です。おひたし、ごまあえ、味噌汁、炒め物などに使いやすく、日々の食事に取り入れやすい食材です。
長時間ゆでると葉酸が流れやすいため、短時間で加熱する、電子レンジを使う、スープにして汁ごと食べるなどの工夫がおすすめです。
ブロッコリー
ブロッコリーは葉酸に加えて、ビタミンCも含む食材です。蒸す、電子レンジで加熱する、スープに入れるなど、栄養を逃しにくい調理法と相性が良いです。
枝豆
枝豆は、葉酸をしっかり摂りやすい食材です。小鉢や副菜として取り入れやすく、たんぱく質も含まれるため、妊活中の食事に使いやすい食品です。
納豆
納豆は、葉酸だけでなく、たんぱく質や発酵食品としての良さもあります。朝食や夕食に1パック取り入れやすく、忙しい方にも続けやすい食材です。
いちご・アボカド
いちごはそのまま食べやすく、ビタミンCも一緒に摂れます。アボカドはサラダや和え物に使いやすく、良質な脂質も含まれます。
レバー
レバーは葉酸を非常に多く含みますが、妊活中や妊娠初期はビタミンAの過剰摂取に注意が必要です。葉酸目的で頻繁にたくさん食べるのではなく、食べる量や頻度に気をつけましょう。
葉酸サプリの選び方
妊活中の葉酸サプリは、まず「1日400μg程度の葉酸を補えるか」を確認しましょう。
選ぶときのポイントは、次の通りです。
- 1日量で葉酸400μg前後が摂れる
- 飲む量がわかりやすい
- 葉酸以外の栄養素が過剰になりすぎない
- ビタミンB12、B6、鉄、ビタミンDなどが含まれる場合は、自分に必要か確認する
- 複数のサプリを併用して、葉酸を摂りすぎない
葉酸はたくさん飲めば良いものではありません。サプリメントや強化食品からの葉酸は、年齢によって耐容上限量が設定されています。
特に、妊活サプリ・マルチビタミン・鉄サプリなどを複数飲んでいる方は、葉酸の合計量が多くなりすぎていないか確認しておきましょう。
葉酸の吸収を助ける食べ方
葉酸は、ビタミンB12やビタミンB6など、ほかのビタミンB群と一緒に働きます。
おすすめの組み合わせは、次のような食べ方です。
- 納豆+卵
- ほうれん草+魚
- ブロッコリー+鶏むね肉
- 枝豆+魚料理
- いちご+ヨーグルト
また、葉酸は水に溶けやすいため、調理法も大切です。
- 長時間ゆですぎない
- 蒸す
- 電子レンジで短時間加熱する
- スープにして汁ごと食べる
- 加熱後は早めに食べる
毎日完璧にしようとすると疲れてしまいます。まずは、葉物野菜・豆類・果物を少しずつ増やすことから始めてみましょう。
男性妊活にも葉酸は必要?
葉酸は女性だけに必要な栄養素ではありません。男性にとっても、DNA合成や細胞分裂に関わる大切な栄養素です。
精子は日々つくられており、その過程には栄養状態、睡眠、ストレス、喫煙、飲酒、運動習慣など、さまざまな要素が関係します。
葉酸と男性妊活については、精子の状態との関連を示す研究がある一方で、「葉酸サプリを飲めば必ず精子が改善する」とまでは言い切れません。
そのため、男性の場合も葉酸だけに頼るのではなく、食事全体を整えることが大切です。葉酸を含む野菜や豆類に加えて、亜鉛、たんぱく質、ビタミンC、ビタミンE、オメガ3脂肪酸なども意識できると良いでしょう。
タイミング法や人工授精、体外受精に取り組む場合も、男性側の体調づくりはとても大切です。妊活は女性だけが頑張るものではなく、ご夫婦で体を整えていくことが安心につながります。
妊活中の葉酸で注意したいこと
葉酸は大切な栄養素ですが、葉酸を摂ればすべてのリスクがなくなるわけではありません。
神経管閉鎖障害の原因は葉酸不足だけではなく、さまざまな要因が関係します。そのため、葉酸は「妊娠初期の赤ちゃんの発育を支えるために、できる準備のひとつ」と考えるのがよいでしょう。
また、サプリメントの過剰摂取にも注意が必要です。特にビタミンB12不足がある方では、葉酸の摂りすぎにより不足が見えにくくなることがあります。
持病がある方、薬を服用している方、不妊治療中でサプリを複数使用している方は、医師や専門家に確認しながら選ぶと安心です。
妊活中におすすめの葉酸レシピ:ほうれん草のごまあえ
葉酸を含むほうれん草を、日常的に取り入れやすいごまあえにしたレシピです。春菊や小松菜でも同じように作れます。
材料:2人分
- ほうれん草:2分の1束
- 白すりごま:大さじ1
- だし:大さじ1
- しょうゆ:大さじ1と3分の1
- 砂糖:小さじ2
作り方
- ほうれん草を水でさっと洗い、根元に十字の切れ目を入れます。
- 耐熱皿に置き、ラップをふんわりかけます。
- 600Wで1分30秒〜2分ほど加熱します。
- 冷水にさっとくぐらせ、水気をよくしぼります。
- 3cmほどの長さに切ります。
- あえ衣の材料を混ぜ、ほうれん草とあえます。
短時間加熱にすると、葉酸の損失を減らしやすくなります。忙しい日でも作りやすい副菜としておすすめです。
まとめ
妊活中に葉酸が大切とされる一番の理由は、妊娠初期の赤ちゃんの神経管形成に関わる栄養素だからです。
神経管は妊娠に気づく前の早い時期につくられるため、妊娠を考え始めた段階から葉酸を意識しておくことが大切です。
食事では、ほうれん草、ブロッコリー、枝豆、納豆、いちご、アボカドなどを少しずつ取り入れましょう。そのうえで、妊活中は食事に加えて1日400μg程度の葉酸をサプリメントから補う方法が現実的です。
葉酸は「これだけ飲めば妊娠しやすくなる」というものではありませんが、妊娠前から整えておきたい大切な栄養素のひとつです。
無理なく続けられる形で、毎日の食事とサプリを上手に組み合わせていきましょう。
葉酸は妊活中いつから飲み始めればいいですか?
葉酸は、妊娠を考え始めたタイミングから意識して摂り始めるのがおすすめです。赤ちゃんの脳や脊髄のもとになる神経管は、妊娠に気づく前のごく初期につくられるため、妊娠前から準備しておくことが大切です。
葉酸は食べ物だけで足りますか?
ほうれん草、ブロッコリー、枝豆、納豆、いちごなどにも葉酸は含まれています。ただし、葉酸は水や熱に弱く、調理で失われやすい栄養素です。毎日必要量を食事だけで安定して摂るのは難しいため、妊活中は食事に加えてサプリメントを活用する方法が現実的です。
葉酸サプリはどのくらい飲めばいいですか?
妊娠を計画している女性や妊娠初期の女性は、通常の食事に加えて、サプリメントなどから1日400μgの葉酸を摂ることが勧められています。ただし、複数のサプリを併用している場合は、葉酸の摂りすぎにならないように成分量を確認しましょう。
男性も葉酸を摂った方がいいですか?
葉酸はDNA合成や細胞分裂に関わる栄養素のため、男性にとっても大切です。ただし、葉酸サプリを飲めば必ず精子が改善するとは言い切れません。男性妊活では、葉酸だけに頼るのではなく、食事・睡眠・運動・喫煙・飲酒・ストレスなど、生活全体を整えることが大切です。
葉酸を飲めば妊娠しやすくなりますか?
葉酸は妊娠初期の赤ちゃんの発育を支える大切な栄養素ですが、葉酸を飲めば妊娠率が必ず上がるというものではありません。妊活中の体づくりのひとつとして、食事・睡眠・血流・ストレスケアなどと合わせて取り入れることが大切です。
レバーで葉酸を摂っても大丈夫ですか?
レバーには葉酸が多く含まれていますが、ビタミンAも非常に多いため、妊活中や妊娠初期は食べすぎに注意が必要です。葉酸を補う目的で頻繁にたくさん食べるのではなく、量や頻度を控えめにし、普段の野菜や豆類、必要に応じたサプリメントで補う方が安心です。
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📚参考文献
- 厚生労働省 e-ヘルスネット「葉酸とサプリメント-神経管閉鎖障害のリスク低減に対する効果」
妊娠を計画している女性に対して、食品に加えて葉酸を摂取することの重要性や、神経管閉鎖障害のリスク低減について説明されています。 - 厚生労働省 eJIM「葉酸・葉酸塩」
葉酸の働き、摂取量、サプリメント利用時の注意点について確認できる資料です。 - 健康長寿ネット「葉酸の働きと1日の摂取量」
葉酸の働きや1日の摂取量、上限量などについてわかりやすくまとめられています。 - CDC「About Folic Acid」
妊娠前からの葉酸摂取と、神経管閉鎖障害の予防に関する基本情報が掲載されています。 - 文部科学省「食品成分データベース」
食品に含まれる葉酸量を確認する際に参考になる、日本食品標準成分表に基づくデータベースです。 - Hoek J, et al. Paternal Folate Status and Sperm Quality, Pregnancy Outcomes.
男性の葉酸状態と精子の質、妊娠結果との関連について検討したレビューです。
この記事の監修者


院長:宇都宮 泰子
(うつのみや やすこ)
FEMICA認定妊活指導士/鍼灸学修士/MBA(経営管理修士)
はり師・きゅう師(国家資格)
- 日本フェムライフ統合ケア協会 代表理事
- 日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー
- 日本生殖医学会会員
不妊・不育症を専門とし、東洋医学と生殖医療の両面から体質改善をサポート。大学院研究員としての研究活動も行いながら、臨床現場で妊活支援に従事している。
※本記事は一般的な医学情報を提供するものであり、診断・治療を目的とするものではありません。治療方針は必ず主治医の指示に従ってください。
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