保険適用内で妊娠する!採卵でたくさんの卵が採れても安心できない?
目次
保険適用 採卵でたくさんの卵が採れても安心できない?
保険適用内で体外受精や顕微授精を行う際、多くの方がまず採卵に進みます。しかし、採れた卵が「数」や「見た目のグレード」が良くても、それだけでは十分ではありません。
なぜなら、卵子の「質」と精子の質が赤ちゃんへと育つ可能性を決めるからです。
質の悪い卵がもたらすリスク
これまで多くの方と接してきた中で、以下のようなケースが多く見られます
-
一度の採卵でたくさんの卵が取れたものの、質が十分でないため移植を繰り返す
-
結果的に着床しないまま保険適用回数を使い果たしてしまう
-
自費治療に移行し、精神的にも経済的にも負担が増大する
このような状況を防ぐためには、採卵前に「卵活(卵子の質を高めるための準備)」を行うことが非常に重要です。
卵子の質を高めるために必要なこと
二次卵胞が成熟し排卵されるまでには約3か月かかります。
この期間に身体の環境を整えることが、質の良い卵子を育むための鍵となります。
- 生活習慣の見直し
- 栄養バランスの取れた食事
抗酸化作用のある食品(緑黄色野菜、ベリー類、ナッツ)や、必須脂肪酸を含む魚類やオリーブオイルの摂取が効果的です。 - 十分な睡眠
質の高い睡眠は、ホルモンバランスを整え、卵子の質の維持に寄与します。 - 適度な運動投稿一覧
ウォーキングやヨガなどの軽い運動は、血流を改善し、卵巣機能をサポートします。 - ストレス管理
ストレスはホルモンバランスを乱すため、リラクゼーション法や趣味を通じて適切に管理することが大切です。 - 鍼灸
採卵の前に鍼灸を受けていただくことで卵子の質を向上させることも可能です。
クリニック選びの重要性
クリニック選びは、不妊治療を成功させるための重要なステップです。以下のポイントを参考に慎重に選びましょう。
- 生殖医療専門医の在籍
不妊治療を専門とする医師が在籍し、生殖医療の専門資格を持つクリニックを選ぶことが大切です。特に、生殖医療専門医の資格を持つ医師がいるクリニックは、豊富な経験と最新の知識を活かした治療を提供してくれます。 - 治療実績と経験
<通いやすさや診療時間も重要ですが、それ以上に治療実績と経験豊富な医師がいることが成功への鍵です。年間の治療件数や成功率を公開しているクリニックは信頼性が高いと言えます。 - その他のポイント
男性不妊への対応が可能かも確認してください。
保険適用内で治療を無駄にしないために
保険適用の治療には回数制限があります。そのため、早い段階で身体の準備を整えることが、無駄なく効果的な治療を受けるための鍵となります。
当院では、採卵前の身体づくりを全力でサポートしています。一人ひとりに寄り添いながら、妊娠への最短ルートを目指すお手伝いをいたします。
参考文献
- 高橋俊文(2021)「不妊治療を受ける前の心構え一 患者と医療者に知っておいて欲しいこと一」『日本遺伝カウンセリング学会誌』42号、p.415~418