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排卵日・排卵後・高温期の飲酒は妊活に影響する? 妊娠を目指すときに知っておきたいアルコールとの付き合い方

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妊活中の方からよくいただく質問に、「排卵日前後にお酒を飲んでも大丈夫ですか?」「高温期の飲酒は避けたほうがいいですか?」というものがあります。

まず大切なのは、たった1回飲んだから妊娠できなくなる、とまでは言えないということです。ただし、研究をみると、飲酒量が増えるほど妊娠しにくさと関連する可能性があり、とくに排卵期〜高温期(黄体期)の飲酒は慎重に考えたほうがよいという報告もあります。妊娠が成立している可能性がある時期でもあるため、妊活中は「どこまでなら大丈夫か」よりも、「少しでも妊娠しやすい環境を整えるか」で考えるのが安心です。

この記事の要点まとめ
  • 排卵日や排卵後に1回お酒を飲んだからといって、すぐに大きな問題が起こると断定はできません。
  • ただし、習慣的な多量飲酒は、妊娠しにくさと関連する可能性が報告されています。
  • 近年の研究では、排卵後の高温期(黄体期)の飲酒が妊娠しやすさに不利に働く可能性も示されています。
  • 少量の飲酒については研究結果が一貫していませんが、妊活中は排卵後は控えると考えると安心です。
  • 迷ったときは、「絶対に大丈夫な量」を探すより、妊娠しやすい環境を整える選択を意識することが大切です。

排卵日や高温期に飲酒してしまったら、すぐに大きな問題になりますか?

1回の飲酒だけで直ちに大きな影響が出ると断定できるわけではありません。実際、女性の飲酒と妊娠しやすさの関係は研究によって結果がやや分かれており、少量〜中等量飲酒でははっきりした差が出なかった研究もあります。

ただし、妊活中は「妊娠成立前だから関係ない」とも言い切れません。公的機関では、妊娠中だけでなく、妊娠を希望している時点でも飲酒は避けるのが最も安全と案内しています。これは、妊娠に気づく前の時期も含めて、アルコール曝露を完全には避けにくいためです。

妊活中の飲酒は、どのくらいから影響が心配されるの?

海外研究では「1 drink」という単位がよく使われます。米国の標準では、1 drink は純アルコール約14gです。目安としては、ビール約350mL前後、ワイン約150mL前後、蒸留酒約45mL前後が1杯に相当します。

日本でイメージしやすくすると、次のような目安です。

  • ビール(5%)約330〜350mL:1杯
  • ビール中瓶(500mL):約1.5杯
  • ワイン(12〜14%)約120〜150mL:1杯
  • 日本酒 1合(180mL):おおよそ1杯強
  • 焼酎(25%)約60mL:1杯前後
  • チューハイ(5%)350mL:1杯

つまり、ビール中瓶1本やワイングラス2杯は、思っているより飲酒量が多くなることがあります。「少しだけ」のつもりでも、実際には複数杯分になっていることがあるため注意が必要です。

研究では、飲酒と妊娠しやすさの関係はどう報告されている?

習慣的な多めの飲酒は、妊娠しにくさと関連する可能性

スウェーデンの前向き研究では、女性7,393人を18年間追跡し、高飲酒群で不妊検査受診リスクの上昇が報告されました。これは妊娠率そのものを直接みた研究ではありませんが、習慣的な多めの飲酒が妊孕性に不利に働く可能性を示すデータのひとつです。

また、デンマークの研究では、女性7,760人を追跡した結果、30歳以上で週7杯以上の飲酒は不妊リスク上昇と関連し、30歳未満では明確な関連はみられませんでした。年齢が上がるほど飲酒の影響が表面化しやすい可能性があります。

少量〜中等量の飲酒は、研究結果が一貫していない

一方で、デンマークの前向きコホート研究では、週14杯未満では妊娠しやすさに明確な悪影響はみられなかったと報告されています。つまり、「少量でも必ず妊娠率が下がる」とまでは言えません。

さらに、系統的レビュー・メタ解析では、女性の飲酒量が増えるほど妊娠しやすさが低下する方向性が示されましたが、個々の研究差が大きく、少量飲酒の影響は一律に断定できないと読むのが妥当です。

排卵日・排卵後・高温期の飲酒は、特に気をつけた方がいい?

近年よく引用される2021年の前向き研究では、黄体期(高温期)で週3〜6杯の中等量飲酒、週6杯超の多めの飲酒が、妊娠成立のしやすさ低下と関連しました。また、排卵期周辺でも週6杯超の飲酒は妊娠しやすさ低下と関連していました。

この研究から言えるのは、排卵後の高温期は「飲んでも大丈夫」とは言いにくい時期だということです。ただし、これは関連をみた観察研究であり、「高温期の飲酒が必ず着床不全を起こす」と証明したものではありません。したがって、医学的に正確に言うなら、高温期の飲酒は妊娠率に不利に働く可能性があるため、避けるほうが無難という表現が適切です。

なぜ研究によって結論が違うの?

飲酒と妊孕性の研究は、自己申告による飲酒量の誤差、年齢、喫煙、BMI、排卵障害の有無、性交タイミングなど多くの要因の影響を受けます。そのため、「少しでも悪い」と言い切る研究もあれば、「少量なら大きな差はない」とする研究もあります。

その中でも比較的一貫しているのは、習慣的な多量飲酒は避けたほうがよいという点です。さらに、妊娠の可能性がある時期の安全性まで考えるなら、妊活中は控える方向で考えるのが現実的です。

妊活中の飲酒、どう考えればいい?

ここまでの研究と公的機関の案内を踏まえると、妊活中の現実的な考え方は次の通りです。

  • 妊娠率を少しでも高めたいなら、できるだけ飲まない
  • 少なくとも連日の飲酒や多めの飲酒は避ける
  • 排卵後〜高温期は飲まないほうが安心
  • 妊娠の可能性がある周期は「妊娠が分かるまで控える」と考えると安全

生殖医療のガイドラインでは、妊娠を希望する人のアルコール摂取について最小限〜中等量にとどめるとされ、公的機関ではよりはっきりと妊娠中・妊娠希望時は避けると案内しています。厳密には表現の強さに差がありますが、妊活中は控えめ、できれば避けるという方向性は共通しています。

よくあるご質問(FAQ)

Q1. 排卵日にお酒を飲んでしまいました。妊娠に大きく影響しますか?

1回の飲酒だけで、直ちに大きな影響が出るとまでは言えません。過度に自分を責める必要はありませんが、妊活中は排卵日前後から高温期にかけては、できるだけ控える方が安心です。

Q2. 排卵後や高温期の飲酒は、やはり避けた方がいいですか?

はい、本文の内容をふまえると排卵後〜高温期は避ける方が無難です。この時期は妊娠が成立している可能性もあるため、「少しなら大丈夫」と考えるより、控えて過ごす方が安心につながります。

Q3. 妊活中はどれくらいまでなら飲んでもいいですか?

少量飲酒の影響は研究によって差がありますが、明確に「この量なら安全」と言い切れる基準はありません。そのため、妊娠率を少しでも高めたい場合は、できれば飲まない、飲むとしてもごく少量にとどめるという考え方が現実的です。

Q4. 毎日ではなく、週末だけ飲む程度なら大丈夫ですか?

連日の飲酒よりは負担が少ない可能性がありますが、週末にまとめて飲むような飲み方は避けたいところです。特に排卵後や高温期に重なる場合は控える方が安心です。妊活中は量だけでなく、飲むタイミングも大切です。

Q5. 妊娠検査薬で陽性が出る前なら、お酒を飲んでも問題ないですか?

妊娠に気づく前の時期もあるため、「陽性前なら問題ない」とは言い切れません。妊娠を希望している周期は、妊娠判定前も含めて控える方がより安心です。不安になりすぎる必要はありませんが、今後は早めにセーブしておくと気持ちの面でも過ごしやすくなります。

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📚参考文献

この記事の監修者

宇都宮泰子 監修者写真

院長:宇都宮 泰子
(うつのみや やすこ)

FEMICA認定妊活指導士/鍼灸学修士/MBA(経営管理修士)
はり師・きゅう師(国家資格)

  • 日本フェムライフ統合ケア協会 代表理事
  • 日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー
  • 日本生殖医学会会員

不妊・不育症を専門とし、東洋医学と生殖医療の両面から体質改善をサポート。大学院研究員としての研究活動も行いながら、臨床現場で妊活支援に従事している。

※本記事は一般的な医学情報を提供するものであり、診断・治療を目的とするものではありません。治療方針は必ず主治医の指示に従ってください。

妊活中の生活習慣を見直したい方へ

排卵日や高温期の飲酒について調べていると、「少し飲んでしまったけれど大丈夫かな」「何にどこまで気をつけたらいいのだろう」と不安になることもあるかもしれません。

妊活では、ひとつの習慣だけが結果を左右するわけではなく、睡眠、食事、冷え、ストレス、月経周期の過ごし方など、日々の積み重ねを整えていくことが大切です。

宇都宮鍼灸良導絡院では、お身体の状態や周期に合わせながら、妊活中の生活面のご相談も含めてサポートしております。「病院の治療と併用しながら体調を整えたい」「自分に合った過ごし方を知りたい」という方は、どうぞお気軽にご相談ください。

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