排卵誘発剤「クロミッド」について
不妊治療でよく使われるクロミッド(錠剤)は「クロミフェンクエン酸塩」という排卵誘発剤です。
排卵が起こりにくい、排卵障害の方に使われて、タイミング法、人工授精、体外受精の排卵誘発に使われます。
この効果は、脳の視床下部にはたらきかけFSH(卵胞刺激ホルモン)の分泌を促進させ卵胞の成長と排卵を促します。
排卵誘発剤は他に「セキソビット」というクロミッドより効果が比較的ソフトな錠剤や「レトロゾール」というPCO(多嚢胞性卵巣)に効果的な薬剤もあります。
そして、クロミッドの副作用は子宮内膜の菲薄化(薄くなる)、胃弱(食欲低下、胃の気持ち悪さ)、目のかすみ、視力低下があります。
当院の患者さまの中にもクロミッドなどの副作用で「内膜が薄くなった。だから内膜が薄くなりにくいセキソビットに変更した。」「薬を飲み始めてから胃が気持ち悪くなった。」などを聞くことがあります。視力低下はまれにに聞くことがあります。
このクロミッドと一緒にプレマリン(錠剤)が併用されることがあります。
これはクロミッドの副作用を軽減してくれる効果があり、プレマリンが子宮内膜の肥厚化を促すため、クロミッドの子宮内膜菲薄化を防いでくれます。
また、早発卵巣不全で高FSHの場合、薬でもホルモン補充を行っても卵胞が成長しにくいため使用されます。
一般的な使用法は月経開始3日頃(D3頃)クリニックを受診し、血液検査でFSH、LHなどの女性ホルモンの数値、超音波(エコー)で成長中の卵胞の状態をチェックし、処方されて1日1回1錠(50mg)を5日間ほど服用し、またクリニックを受診します。
このお薬の成分は、体の血管の中の血液に含まれて脳や子宮、卵巣に運ばれていきます。
鍼灸で子宮卵巣や全身の血流をめぐり良くすることが妊娠しやすい体作りに大切なことと考えて日々患者さまの施術を行っています。
参考資料:英ウィメンズクリニック「はなぶさブログ」