治療院ブログ

アルコールは「量」よりも「タイミング」が妊娠率に影響する?

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妊活中の方からよくいただく質問のひとつが、
「お酒はどれくらいなら大丈夫ですか?」というものです。

「少しくらいなら平気?」
「毎日じゃなければいい?」
「ワインなら大丈夫?」

実は、この“少し”がどれくらいなのかを正しく知ることが大切です。

これまでの研究では主に飲酒量との関係が検討されてきました。しかし近年、月経周期のどの時期に飲むか(タイミング)まで解析した研究や、長期追跡による大規模コホート研究が報告され、より具体的な知見が蓄積されつつあります。

本記事では、スウェーデンおよびデンマークを中心とした代表的研究をもとに整理しました。

妊活中のアルコールの“具体的な量”の指標

「1杯」とはどれくらい?

海外論文でいう「1杯(1 drink)」は、
純アルコール約12〜14gを含む量を指します。

日本で分かりやすく言い換えると、

お酒の種類1杯の目安
ビール(5%)約330ml(小瓶〜グラス1杯)
ビール中瓶500ml → 約1.5杯分
ワイン(12〜14%)約120〜150ml(グラス1杯)
日本酒約1合(180ml)
焼酎(25%)約60ml
チューハイ(5%)約350ml

つまり、

ビール中瓶1本=約1.5杯
ワイングラス2杯=約2杯

というイメージです。

研究1.スウェーデンの18年間追跡研究

ストックホルム在住女性7,393人を18年間追跡した前向き研究では、飲酒量と不妊関連検査との関連が検討されました。

分類は以下の通りです。

  • 低飲酒:週2.5杯未満(例:ビール350mlを週2回まで)
  • 中等度:週2.5〜7杯未満
  • 高飲酒:週7杯以上

その結果、

  • 高飲酒群では不妊検査を受けるリスクが約1.6倍
  • 低飲酒群では不妊検査リスクが有意に低下

という関連が報告されています。

この研究は妊娠率そのものではなく「不妊検査受診」を指標にしていますが、習慣的な高飲酒が妊孕性に何らかの影響を及ぼしている可能性を示唆するデータといえます。

研究2.デンマークの追跡研究:年齢との関連

デンマークの女性7,760人を平均約5年間追跡した研究では、

30歳未満では明確な関連は認められず

30歳以上で週7杯以上の飲酒により不妊リスクが約2.26倍

という結果が報告されました。

この結果は、年齢が上がるほどアルコールの影響が顕在化する可能性を示しています。

妊娠力は年齢とともに自然に低下するため、そこに飲酒が加わることで影響が強まる可能性が考えられます。

研究3.妊娠までの期間(TTP)と飲酒量

デンマークの6,000人以上を対象とした研究では、妊娠までに要した期間(Time to Pregnancy)と飲酒量の関係が調査されています。

週1〜7杯程度では明確な妊娠率低下は認められなかった

14杯以上では妊娠率低下の傾向

と報告されています。

ただし、研究間で結果は一貫しておらず、低〜中等度飲酒の影響は一定していないというのが現状です。

なぜ結論が分かれるのか

アルコール研究が一律の結論に至らない理由として、以下が考えられます。

  • 個人のアルコール分解能の違い
  • 喫煙やBMIなどの交絡因子
  • 年齢差
  • 自己申告による誤差
  • 飲酒タイミングを考慮していない研究が多い

特に最近の研究では、排卵後(黄体期)の飲酒が妊娠率低下と関連する可能性が指摘されています。

黄体期は受精卵が着床準備を行う非常に繊細な時期です。この時期のアルコール曝露は、ホルモン環境や子宮内膜の受容能に影響を与える可能性が理論的に考えられます。

当院の推奨基準

妊娠率を上げたい場合は、

✔ できれば禁酒
✔ 飲むなら週1杯まで
✔ 排卵後(高温期)は飲まない
✔ 連日飲まない

を推奨しています。

特に30歳以上では、より慎重な判断が望ましいと考えます。

まとめ

✔ 1杯=ビール350ml程度
✔ 週7杯=毎日晩酌レベル
✔ 30歳以上で影響が強まる可能性
✔ 妊活中は週1杯以下がより安全
✔ 排卵後は禁酒が安心

妊活は「大丈夫かどうか」ではなく、
「少しでも妊娠率を上げる選択をするかどうか」です。

生活習慣を整えることは、
未来の妊娠率への投資でもあります。

監修:院長 宇都宮泰子

📚参考文献

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