治療院ブログ

炎症を高める食事と子宮内膜症:今日からできる食べ方ガイド

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要点まとめ
  • 食事が体内の炎症状態に影響し、子宮内膜症のリスクと関連する可能性が示されています。
  • 炎症との関連を評価する「食事性炎症指数(DII)」が低い=抗炎症的な食べ方ほど、子宮内膜症の有病割合が低い傾向でした。
  • 日本の食卓でも、緑色・黄色野菜、青魚、緑茶・コーヒーなどを上手に取り入れ、加工肉や砂糖飲料、精製穀類の頻度を整えることで、炎症負荷を下げる食べ方に近づけます。

研究のポイント(かみ砕き版)

米国の大規模調査 NHANES の女性3,410名を解析し、各人の食事から DIIスコア(炎症を“高めやすい/抑えやすい”度合い)を算出。

DIIが低い群(より抗炎症的)を基準にすると、中間群で1.18倍、高い群で1.57倍の割合で子宮内膜症がみられました。

追加解析では、非肥満、非糖尿病、高血圧、経産婦、経口避妊薬を使用している女性の一部サブグループで、DIIと子宮内膜症の関連が相対的に強く示されました。

結論として、炎症を抑えやすい食事パターンは、子宮内膜症の予防に寄与する可能性が示唆されています。

参考:Frontiers in Nutrition 2023;10:1077915

※本研究は観察研究であり、「因果関係を断定」するものではありません。とはいえ、抗炎症的な食べ方は代謝・心血管・腸内環境など、幅広い面でプラスになりやすいのが利点です。

DII(食事性炎症指数)とは?

世界の膨大な文献から、栄養素・食品と炎症マーカーの関係を点数化した指標です。

  • スコアが低いほど:炎症を抑えやすい食事パターン
  • スコアが高いほど:炎症を高めやすい食事パターン

日本の食文化に合わせた算出法も提案されており、日常の“頻度調整”で方向性を整えられるのが実践のコツです。

今日から試せる「頻度の整え方」

下は“頻度の目安”です。すべてを完璧に守る必要はありません。まずは「増やしたい食品」を一つ増やし、「控えたい食品」を一つ減らす——小さな置き換えからでOKです。

抗炎症に寄与しやすい食品(増やす)

  • 緑色野菜:週14回以上(毎食少量でも可)を目指す
  • 黄色野菜:週7回以上
  • 青魚(サバ・イワシ・サンマなど):週2〜5回
  • 緑茶・コーヒー:計1日1〜2杯程度を目安に(砂糖・クリームは控えめに)
  • 果物・生ジュース:週5回以上(果物は皮むき・噛む形での摂取を基本に)

炎症を高めやすい食品(頻度を整える)

  • 加工肉・肉の過多:毎日は避け、週2〜6回程度までに
  • 砂糖入り清涼飲料:週5回以上は控える(基本“日常は無糖”に)
  • :他の動物性たんぱくとのバランスを取り、週5〜6回以上の常態化は見直す
  • 白米・精製小麦(パン・麺): 白米は1日3杯以上を見直し、雑穀・玄米を一部置き換え/パンや小麦麺の“毎日”習慣を全粒粉・蕎麦・麦ご飯などに一部置換
  • 青魚以外の魚の偏り:白身魚に偏るなら青魚も混ぜる
  • トマトの大量常食:トマト自体は栄養豊富ですが、週5〜6回以上の“偏り”が続く場合は野菜の種類を分散(色・種類の“虹色化”)

補足:アルコールは少量のワインやビールがDII上は減点寄与とされる報告もありますが、依存や肝機能、睡眠の質低下などのデメリットも。飲まない人は無理に摂る必要はありません。飲む場合も適量を必ず守りましょう。

和食で整えるコツ(実例)

  • 主食:白米→麦ごはん・雑穀米を“半分置き換え”
  • 主菜:青魚(焼き魚、味噌煮、缶詰活用)を週2〜3回
  • 副菜:緑+黄色を意識(例:小松菜のおひたし+かぼちゃ煮)
  • 汁物:具だくさん味噌汁に海藻・きのこ・豆腐を
  • 間食:ジュース→緑茶・麦茶・無糖コーヒー/果物へ
  • 外食:フライ・揚げ物の“毎回”を回避し、焼く・蒸す中心に

サプリメントは“食の土台”のあとに

オメガ3(EPA/DHA)、ビタミンD、マグネシウム、ポリフェノール系などは個別状況で有用になりうる一方、まずは食事と生活習慣(睡眠・ストレス・喫煙・運動)を整えるのが先決です。

サプリは品質・用量・相互作用の確認が必須。服薬中の方は医療者に相談を。

生活習慣のセットで“炎症トータル”を下げる

  • 睡眠:7時間前後、同じ就寝・起床リズム
  • 運動:有酸素+レジスタンスを各週2〜3回、合計週150分目安
  • ストレス:深呼吸・瞑想・軽い散歩/湯船での入浴
  • 禁煙:喫煙・受動喫煙は強い炎症ドライバー。完全禁煙を。

まとめ

何を足し、何を減らすか」の頻度調整で、DIIは下げられます。

緑・黄の野菜、青魚、無糖の温冷飲料をふやし、加工肉・砂糖飲料・精製穀類の“毎日”習慣を見直す。小さな置き換えを2〜3週間続けると、体感(むくみ・便通・だるさ)から変化が出るケースも多いです。

📚参考文献

  • Frontiers in Nutrition. 2023;10:1077915.“Dietary inflammatory index and risk of endometriosis: analysis from NHANES.”(米国NHANESデータを用いた観察研究)

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