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妊活に鉄分は必要?フェリチン・鉄不足の症状と食事のポイント

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妊活中、「鉄分をしっかり摂った方がいい」「フェリチンを調べた方がいい」と聞いたことはありませんか?

鉄は、血液中のヘモグロビンをつくり、全身へ酸素を運ぶために欠かせない栄養素です。特に月経のある女性は鉄を失いやすく、妊娠すると必要量も変化するため、妊娠前から不足しないよう意識しておくことが大切です。

一方で、「フェリチンを○○以上にすれば妊娠しやすくなる」「鉄を摂れば卵子の質が上がる」と単純に考えることはできません。

この記事では、妊活中に知っておきたい鉄とフェリチンの役割、鉄不足のサイン、1日に必要な量、食事やサプリメントの考え方について分かりやすく解説します。

この記事の要点まとめ
  • 鉄はヘモグロビンの材料となり、全身へ酸素を運ぶために必要な栄養素です。
  • フェリチンは体内に蓄えられている鉄の状態を知るための指標のひとつです。
  • ヘモグロビンが正常でも、鉄の貯蔵量が少なくなっている「貧血を伴わない鉄欠乏」の場合があります。
  • 妊活中のフェリチンに「全員が50ng/mL以上を目指す」といった統一された基準はありません。
  • 鉄不足が疑われる場合は、自己判断で高用量の鉄サプリを飲むのではなく、医療機関で血液検査を受けることが大切です。

妊活中に鉄分が大切な理由

鉄は、赤血球に含まれるヘモグロビンの材料となる重要なミネラルです。

ヘモグロビンは肺から取り込んだ酸素を全身へ運んでいます。そのため鉄が不足すると、十分な酸素を身体の組織へ届けにくくなり、疲れやすさや息切れなどにつながることがあります。

また鉄は、ヘモグロビンだけでなく、細胞の働きやエネルギー代謝などにも関わっています。

月経のある女性は定期的に鉄を失うため、不足しやすい傾向があります。妊娠すると母体の血液量が増え、妊娠中期・後期には鉄の必要量も増えるため、妊娠前から食生活を整えておくことは大切です。

フェリチンとは?「貯蔵鉄」を知るための指標

フェリチンは、体内に鉄を蓄えておくためのたんぱく質です。

身体に取り込まれた鉄の多くはヘモグロビンなどとして利用され、一部は肝臓や骨髄などに蓄えられます。この鉄の蓄えを評価する際に使われる検査のひとつが血清フェリチンです。

鉄が不足してくると、まず蓄えていた鉄が利用されるため、ヘモグロビンが低下するより前にフェリチンが低下することがあります。

そのため、一般的な血液検査で「貧血ではありません」と言われていても、鉄の貯蔵量が少なくなっている場合があります。一般に「隠れ貧血」と呼ばれることがありますが、医学的には貧血を伴わない鉄欠乏などと表現されます。

フェリチンは何ng/mLあればよい?

妊活中の方から、「フェリチンは50ng/mL以上必要ですか?」と相談されることがあります。

しかし、妊娠を希望するすべての女性がフェリチン50ng/mL以上を目指すべきだという統一された公的基準はありません。

WHOでは、健康な成人の場合、フェリチン15µg/L未満を鉄欠乏の判断に用いる目安のひとつとしています。ただし、フェリチンは感染症や炎症などでも上昇するため、数値だけで鉄の状態を判断できない場合があります。

実際の診断では、ヘモグロビン、MCV、血清鉄、総鉄結合能、トランスフェリン飽和度、フェリチンなどを必要に応じて確認します。検査結果については、自己判断せず医師に確認しましょう。

鉄不足は妊娠しにくさと関係する?

鉄の状態と女性の妊孕性については、現在も研究が続いています。

不妊女性ではフェリチンが低い方が多かったとする観察研究や、鉄の摂取量と排卵障害による不妊との関連を報告した研究があります。

一方で、妊娠を希望する女性を対象とした研究では、鉄の摂取量と妊娠しやすさとの関連が一貫して認められているわけではありません。

そのため、現時点では「鉄を摂れば妊娠率が上がる」「フェリチンを高くすれば卵子の質が良くなる」とは断定できません。

大切なのは、妊娠率を上げる目的で必要以上に鉄を摂ることではなく、鉄欠乏や貧血がある場合に適切に評価し、不足を放置しないことです。

鉄不足でみられることがある症状

鉄不足が進むと、次のような症状がみられることがあります。

  • 疲れやすい、だるい
  • 息切れや動悸を感じる
  • めまいや立ちくらみ
  • 頭痛
  • 集中しにくい
  • 顔色が悪いと感じる

ただし、これらの症状は鉄不足だけで起こるものではありません。

特に、月経量が多い、以前から貧血を指摘されている、極端な食事制限をしている、強い疲労感が続いているといった場合には、一度医療機関で相談しておくとよいでしょう。

妊活中の女性は鉄を1日どれくらい摂ればよい?

厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、月経のある成人女性の鉄の推奨量は次のように示されています。

  • 18〜29歳・月経あり:10.0mg/日
  • 30〜49歳・月経あり:10.5mg/日
  • 18〜29歳・月経なし:6.0mg/日
  • 30〜49歳・月経なし:6.0mg/日

妊娠すると必要量は変わり、2025年版では妊娠初期に+2.5mg/日、妊娠中期・後期には+8.5mg/日の付加量が設定されています。

ただし、これは健康な人を対象とした食事摂取基準です。すでに鉄欠乏や鉄欠乏性貧血がある場合の治療量とは異なります。

ヘム鉄と非ヘム鉄の違い

食品に含まれる鉄は、大きくヘム鉄と非ヘム鉄に分けられます。

ヘム鉄

ヘム鉄は、肉や魚介類などの動物性食品に含まれる鉄で、非ヘム鉄より吸収されやすい特徴があります。

主な食品には次のようなものがあります。

  • 赤身の牛肉・豚肉
  • かつお
  • いわし
  • まぐろ
  • あさりなどの魚介類

非ヘム鉄

非ヘム鉄は、大豆製品や野菜、豆類などに含まれています。

  • 納豆・豆腐などの大豆製品
  • 小松菜
  • ほうれん草
  • 枝豆
  • レンズ豆・ひよこ豆などの豆類

非ヘム鉄はヘム鉄に比べて吸収されにくいものの、ビタミンCを含む食品と組み合わせることで吸収されやすくなります。

鉄を効率よく摂る食事のポイント

1.肉・魚・大豆製品をバランスよく取り入れる

鉄だけを意識するのではなく、肉、魚、卵、大豆製品などのたんぱく質源を偏らないように組み合わせましょう。

2.非ヘム鉄はビタミンCと組み合わせる

野菜や大豆製品に含まれる非ヘム鉄は、ビタミンCを含む野菜や果物と組み合わせる方法がおすすめです。

例えば、次のような組み合わせがあります。

  • 納豆+ブロッコリー
  • 小松菜+パプリカ
  • 豆料理+トマト
  • 赤身肉+野菜のおかず

3.「妊活に良い食品」だけに偏らない

鉄分が多い食品だけを大量に食べても、妊娠しやすくなるわけではありません。

妊活中は、鉄に加えて、葉酸、たんぱく質、ビタミンD、カルシウム、亜鉛なども含め、主食・主菜・副菜をそろえた食事を基本にしましょう。

4.レバーの大量・頻回摂取には注意する

レバーには鉄が多く含まれていますが、ビタミンA(レチノール)も非常に多い食品です。

妊娠を希望している方や妊娠初期の方は、ビタミンAの過剰摂取を避ける必要があるため、「鉄が多いから」とレバーを頻繁に大量摂取することはおすすめできません。

鉄サプリは妊活中に飲んだ方がいい?

鉄サプリメントは、不足している方にとって有用な場合がありますが、妊活中のすべての方が高用量の鉄を摂る必要があるわけではありません。

鉄サプリメントでは、便秘、吐き気、腹痛、胃の不快感などが起こることもあります。また、妊活用サプリ、マルチビタミン、鉄サプリなどを重ねることで、知らないうちに摂取量が多くなることもあります。

貧血を指摘されている場合やフェリチンが低い場合には、原因や不足の程度によって必要な補充量が異なるため、主治医に相談して使用しましょう。

こんな場合は医療機関へ相談を

次のような場合は、食事だけで様子を見るのではなく、婦人科や内科などで相談することをおすすめします。

  • 月経量が非常に多い
  • 月経が長期間続く
  • 過去に貧血や鉄不足を指摘されている
  • 疲労感、息切れ、動悸、めまいなどが続いている
  • 鉄サプリを飲んでいるのに数値が改善しない
  • 食事制限や菜食などで鉄不足が心配

鉄不足の背景に、月経過多や子宮筋腫など別の原因が隠れていることもあります。症状が続く場合は、原因も含めて確認してもらいましょう。

当院からひとこと

妊活を始めると、「フェリチンはいくつあればいい?」「何を食べれば卵子にいい?」と、一つひとつの数値や食品が気になってしまうことがあります。

鉄は大切な栄養素ですが、数値を必要以上に高くすることが目的ではありません。まずは不足しているかどうかを適切に確認し、必要があれば医療機関で治療や栄養指導を受けることが大切です。

当院では、病院での不妊治療や検査を優先しながら、食事、睡眠、冷え、胃腸の状態、ストレスなども含め、妊活中の身体づくりを一緒に考えています。

当院でよく受けるご相談

Q. フェリチンは50ng/mL以上ないと妊娠できませんか?

A. そのような基準はありません。妊活中のすべての方にフェリチン50ng/mL以上を推奨する公的な基準はなく、ヘモグロビンなど他の検査値や症状も含めて判断します。

Q. ヘモグロビンが正常なら鉄不足ではありませんか?

A. ヘモグロビンが正常でも、フェリチンが低下して鉄の蓄えが少なくなっている場合があります。気になる場合は医療機関で相談してください。

Q. 鉄サプリを飲めば妊娠しやすくなりますか?

A. 鉄サプリによって妊娠率が上がるとは断定できません。鉄欠乏が確認されている場合には補う意味がありますが、自己判断による過剰摂取は避けましょう。

Q. 妊活中はレバーをたくさん食べた方がいいですか?

A. レバーには鉄が多い一方、ビタミンAも多く含まれています。妊娠を希望する時期は、継続的な大量摂取を避け、赤身肉、魚介類、大豆製品、野菜など複数の食品から鉄を摂りましょう。

Q. 月経量が多いのですが、鉄不足になりやすいですか?

A. 月経による出血量が多い方は鉄不足のリスクが高くなることがあります。経血量が非常に多い場合は、鉄不足だけでなく月経過多の原因についても婦人科へ相談してください。

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📚参考文献

この記事の監修者

宇都宮泰子 監修者写真

院長:宇都宮 泰子
(うつのみや やすこ)

FEMICA認定妊活指導士/鍼灸学修士/MBA(経営管理修士)
はり師・きゅう師(国家資格)

  • 日本フェムライフ統合ケア協会 代表理事
  • 日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー
  • 日本生殖医学会会員

不妊・不育症を専門とし、東洋医学と生殖医療の両面から体質改善をサポート。大学院研究員としての研究活動も行いながら、臨床現場で妊活支援に従事している。

※本記事は一般的な医学情報を提供するものであり、診断・治療を目的とするものではありません。治療方針は必ず主治医の指示に従ってください。

妊活中の食事や体調について見直したい方へ

妊活中は、鉄やフェリチンをはじめ、さまざまな検査値や栄養素が気になるものです。ただし、一つの数値だけを目標にするのではなく、必要な検査や治療を受けながら、食事や睡眠など日々の生活を整えていくことも大切です。

貧血や鉄不足が疑われる場合には、まず医療機関で検査を受け、必要な治療について主治医にご相談ください。

大阪市都島区にある宇都宮鍼灸良導絡院では、不妊治療の状況や体調を伺いながら、食事・睡眠・冷え・ストレスなども含め、妊活中の身体づくりやコンディション調整をサポートしています。

病院での治療と並行して身体を整えたい方や、「今の生活で見直せるところはあるかな」と感じている方も、お気軽にご相談ください🍀

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