卵子の質を整えるサプリと食事|妊活中に意識したい栄養素
「卵子の質をよくするサプリはありますか?」「採卵前に、食事やサプリでできることはありますか?」とご相談いただくことがあります。
妊活中、とくに体外受精や採卵を控えている方にとって、卵子の質はとても気になるテーマです。
ただし、最初に大切なことをお伝えすると、サプリメントだけで卵子を若返らせたり、必ず妊娠率を上げたりできるわけではありません。卵子の質には、年齢、卵巣機能、生活習慣、体質、酸化ストレス、ホルモン環境など、さまざまな要因が関係します。
その一方で、栄養状態を整えることは、卵胞が育つための体内環境づくりとして大切です。この記事では、「卵子の質 サプリ」「卵子を育てる 食事」「妊活 サプリ」「CoQ10 妊活」「採卵前 サプリ」と調べている方に向けて、妊活中に意識したい栄養素とサプリメントの注意点を解説します。
- 卵子の質は、年齢、卵巣機能、生活習慣、酸化ストレス、ホルモン環境など複数の要素が関係します。
- サプリメントだけで卵子を若返らせたり、妊娠率を必ず上げたりできるわけではありません。
- 妊活中は、葉酸、たんぱく質、鉄、亜鉛、ビタミンD、抗酸化栄養素などを食事から意識することが大切です。
- CoQ10、イノシトール、メラトニンなどは研究されていますが、効果には個人差があり、医学的根拠が十分でないものもあります。
- DHEAやハーブ系サプリ、複数サプリの併用は、自己判断ではなく医師や専門家に相談してから取り入れましょう。

目次
卵子の質を整えるために、まず知っておきたいこと
「卵子の質」という言葉はよく使われますが、医学的には一つの数値で簡単に測れるものではありません。
一般的には、成熟卵が得られるか、受精するか、胚盤胞まで育つか、染色体異常の有無、ミトコンドリア機能、酸化ストレスの影響など、複数の要素が関係します。
サプリメントや食事でできることは、卵子そのものを直接変えるというより、卵胞が育つ過程で必要な栄養を不足させないこと、酸化ストレスを増やしすぎないこと、ホルモンや代謝の乱れを整えることです。
そのため、サプリは「飲めば安心」というものではなく、食事・睡眠・血流・ストレスケア・治療方針とあわせて考えることが大切です。
妊活中にまず意識したい基本の栄養素
葉酸
葉酸は、DNA合成や細胞分裂に関わるビタミンB群の一種です。妊娠前から妊娠初期にかけての葉酸摂取は、赤ちゃんの神経管閉鎖障害のリスク低減と関連することが知られています。
妊活中は、食事から葉酸を意識しつつ、妊娠前からサプリメントで補うことも選択肢になります。
- ほうれん草
- 小松菜
- ブロッコリー
- 枝豆
- 納豆
- レンズ豆
- アスパラガス
ビタミンD
ビタミンDは、骨やカルシウム代謝に関わる栄養素として知られていますが、近年は生殖や免疫との関係も研究されています。ただし、「ビタミンDを飲めば卵子の質が上がる」と断定できる段階ではありません。
不足している場合には補う意味がありますが、過剰摂取は高カルシウム血症などのリスクがあるため、血液検査で確認しながら医師に相談するのが安心です。
- 鮭
- サバ
- イワシ
- 卵黄
- きのこ類
ビタミンE・ビタミンCなどの抗酸化栄養素
卵子や胚の発育には、酸化ストレスが関係すると考えられています。そのため、抗酸化に関わる栄養素を食事から意識することは、妊活中の体づくりとして取り入れやすい方法です。
ただし、抗酸化サプリを多く飲めばよいという意味ではありません。複数のサプリを重ねると、知らないうちに過剰摂取になることがあります。
- アーモンド
- ナッツ類
- アボカド
- かぼちゃ
- 柑橘類
- キウイ
- いちご
- ブロッコリー
- パプリカ
亜鉛
亜鉛は、細胞分裂やDNA合成、生殖機能に関わるミネラルです。妊活中の女性だけでなく、男性の精子形成においても重要な栄養素です。
亜鉛サプリを使う場合は、鉄や銅など他のミネラルとのバランスも関係するため、長期間の高用量摂取は避けましょう。
- 牡蠣
- 牛肉
- 豚レバー
- 鶏肉
- 卵
- チーズ
- ナッツ類
鉄
鉄は、月経のある女性で不足しやすい栄養素です。鉄不足があると、疲れやすさ、冷え、めまい、息切れなどにつながることがあります。
妊活中は、フェリチンを含めた鉄の状態を確認しながら、必要に応じて補うことが大切です。ただし、鉄は多ければよいものではなく、過剰摂取が長く続くと肝臓などへ負担となる可能性があります。
- 赤身肉
- レバー
- カツオ
- マグロ
- あさり
- 小松菜
- 大豆製品
採卵前に相談されやすいサプリメント
CoQ10|ミトコンドリアを意識する方に注目される成分
CoQ10は、細胞のエネルギー産生に関わる成分で、抗酸化作用もあります。卵子の発育にはミトコンドリアの働きが関係するため、妊活や採卵前のサプリとして注目されています。
一部の研究では、CoQ10が体外受精の結果に良い影響を与える可能性が示されていますが、出生率や流産率への影響については、まだ十分なデータがあるとはいえません。
食品では、牛肉、豚肉、イワシ、サバ、マグロ、ナッツ類などに含まれます。ただし、食品だけでサプリと同じ量を摂るのは難しいため、採卵前に使う場合は、通院中のクリニックに確認してから取り入れると安心です。
イノシトール|PCOS傾向がある方で検討されることがある
イノシトールは、インスリン抵抗性やホルモンバランスとの関係から、PCOS、多嚢胞性卵巣症候群の方で検討されることがあります。
ただし、PCOSの方すべてに必要というわけではなく、排卵、体重、ホルモン状態、血糖代謝などを総合的に見ながら判断することが大切です。
食品では、豆類、玄米、オレンジ、グレープフルーツなどに含まれます。
DHEA|自己判断で始めない方がよいサプリ
DHEAは、栄養素というよりホルモンに近い働きをもつ成分です。卵巣予備能が低い方や採卵数が少ない方に対して、クリニックによっては使用を検討することがあります。
ただし、DHEAは誰にでも必要なサプリではありません。アンドロゲンを上げる作用があり、にきび、毛深さ、脂質異常、ホルモン感受性疾患への影響などが問題になることがあります。
採卵前だからといって自己判断で飲むのではなく、必ず医師の管理下で検討しましょう。
メラトニン|睡眠と抗酸化の両面から研究されている
メラトニンは睡眠リズムに関わるホルモンで、抗酸化作用もあるため、体外受精の分野でも研究されています。
一部の研究では、卵子成熟、受精、胚の質に良い影響を与える可能性が示されていますが、出生率や臨床妊娠率については、まだ明確な結論が出ているとはいえません。
睡眠が乱れている方には、まず生活リズムを整えることが大切です。メラトニンサプリを使用する場合は、眠気や薬との相互作用もあるため、医師に確認しましょう。
L-カルニチン
L-カルニチンは、脂肪酸をエネルギーに変える過程に関わる成分です。卵子や精子のエネルギー代謝との関係から、妊活サプリに含まれることがあります。
食品では、牛肉、羊肉、豚肉、鶏肉、魚類などに含まれます。
ただし、L-カルニチンも「飲めば卵子が良くなる」と言い切れるものではありません。食事内容や体質、他のサプリとの重複を見ながら検討しましょう。
レスベラトロール・PQQ
レスベラトロールやPQQは、抗酸化やミトコンドリアとの関係から注目される成分です。
レスベラトロールはブドウの皮、ベリー類、カカオなどに含まれます。PQQは納豆、ピーマン、ほうれん草、キウイなどに含まれるとされています。
ただし、妊活中・不妊治療中の使用については、ヒトでの十分な根拠があるとはいえません。特に移植周期や妊娠の可能性がある時期は、自己判断で高用量のサプリを追加しない方が安心です。
卵子を育てる食事で意識したいポイント
卵子の質を整える食事では、特定の食品だけを食べるより、毎日の食事全体のバランスが大切です。
妊活中は、以下のような食事を意識してみましょう。
- 主食、主菜、副菜をそろえる
- 魚、肉、卵、大豆製品からたんぱく質を摂る
- 緑黄色野菜、海藻、きのこ類を取り入れる
- 良質な脂質として青魚、ナッツ、オリーブオイルなどを使う
- 甘いもの、菓子パン、加工食品に偏りすぎない
- 欠食や極端な糖質制限を避ける
妊活中の食事は、「これを食べれば卵子の質が上がる」という単純なものではありません。たんぱく質、鉄、亜鉛、ビタミンD、葉酸、抗酸化栄養素などを、日々の食事の中で無理なく整えていくことが大切です。
採卵前は、「少しでもできることを増やしたい」と思う一方で、サプリや情報が多すぎて不安になってしまう方も少なくありません。当院では、何かをたくさん足すことよりも、食事・睡眠・冷え対策・ストレスケアなど、毎日の生活の中で続けられることを見つけることを大切にしています。
DHEA、メラトニン、鉄、ビタミンDなどのサプリは、体質や治療内容によって合う・合わないがあります。不妊治療中の方や採卵周期・移植周期に入っている方は、自己判断で始める前に、通院中のクリニックや医師に確認しておくと安心です。そのうえで、冷えや睡眠、自律神経の乱れなどが気になる場合は、鍼灸の視点からできるケアを一緒に考えていきます。
採卵前サプリはいつから始める?
採卵前にサプリを始める場合、数日だけ飲むよりも、食事や睡眠を含めて数か月単位で体を整える意識が大切です。
ただし、治療スケジュールや採卵周期に入っている場合は、サプリの開始・中止タイミングをクリニックに確認しましょう。
特に、以下の方は自己判断で追加しない方が安心です。
- 不妊治療中でホルモン剤を使っている
- 採卵周期・移植周期に入っている
- 甲状腺、糖尿病、肝臓、腎臓の持病がある
- 抗凝固薬、ステロイド、免疫系の薬を使っている
- 妊娠の可能性がある
- DHEA、メラトニン、ハーブ系サプリを検討している
サプリメントの過剰摂取で注意したい成分
サプリメントは、足りない栄養を補うには便利ですが、多く飲むほど良いわけではありません。
ビタミンA
妊活中や妊娠の可能性がある時期は、レチノール型ビタミンAの高用量サプリに注意が必要です。妊娠中に過剰なビタミンAを摂取すると、胎児への影響が起こる可能性があります。
ビタミンD・カルシウム
ビタミンDやカルシウムは大切な栄養素ですが、過剰摂取は高カルシウム血症や腎臓への負担につながることがあります。血液検査で不足があるか確認しながら補うことが大切です。
鉄
鉄は不足している方には重要ですが、過剰摂取が長く続くと肝臓への負担や消化器症状につながることがあります。鉄サプリは、できれば検査値を確認したうえで選びましょう。
ハーブ系サプリ
ブラックコホシュ、カバなど一部のハーブ系サプリでは、肝障害の報告があるものもあります。不妊治療中は、ハーブだから安全と考えず、必ず医師や薬剤師に確認しましょう。
まとめ|卵子の質を整えるには、サプリより先に「土台」を見る
卵子の質を整えるために、サプリメントや食事を見直すことは大切です。
ただし、サプリは卵子を若返らせる魔法の方法ではありません。まずは、葉酸、たんぱく質、鉄、亜鉛、ビタミンD、抗酸化栄養素などを食事から意識し、不足しやすいものを必要に応じて補うことが基本です。
CoQ10、イノシトール、DHEA、メラトニンなどは、妊活や採卵前に注目される成分ですが、効果には個人差があり、医学的根拠が十分でないものもあります。
特にDHEAやメラトニン、複数サプリの併用は、自己判断で始めるのではなく、通院中のクリニックに確認してから取り入れると安心です。
妊活中の栄養は、「何を足すか」だけでなく、「今の体に何が足りていて、何が多すぎるのか」を見ることが大切です。焦らず、食事・睡眠・血流・ストレスケアを含めて、卵胞が育ちやすい体内環境を整えていきましょう。
卵子の質をよくするサプリはありますか?
CoQ10、イノシトール、メラトニン、ビタミンD、葉酸などは、妊活中に注目されることが多い成分です。ただし、サプリを飲めば卵子の質が必ずよくなるわけではありません。
卵子の質には年齢や卵巣機能、生活習慣、ホルモン環境なども関係します。サプリはあくまで不足しやすい栄養を補うものとして考え、食事や睡眠、体調管理とあわせて取り入れることが大切です。
採卵前にサプリはいつから飲むとよいですか?
採卵前の体づくりは、数日だけで変えるというより、数か月単位で整えていく意識が大切です。卵胞が育つ過程には時間がかかるため、食事、睡眠、血流、ストレスケアもあわせて見直していきましょう。
ただし、採卵周期に入っている場合や、ホルモン剤を使用している場合は、サプリの開始や中止のタイミングを自己判断せず、通院中のクリニックに確認することをおすすめします。
CoQ10は妊活に効果がありますか?
CoQ10は、細胞のエネルギー産生や抗酸化に関わる成分として、妊活や採卵前のサプリで注目されています。一部の研究では、体外受精の結果に良い影響を与える可能性も示されています。
ただし、妊娠率や出生率を必ず高めるとまでは言い切れません。年齢、卵巣機能、治療内容、体質によっても状況は異なるため、必要性を確認しながら取り入れると安心です。
卵子を育てるために、食事では何を意識すればよいですか?
特定の食品だけを食べるよりも、主食・主菜・副菜をそろえ、たんぱく質、鉄、亜鉛、葉酸、ビタミンD、抗酸化栄養素をバランスよく摂ることが大切です。
魚、肉、卵、大豆製品、緑黄色野菜、海藻、きのこ類、ナッツ類などを無理なく取り入れ、欠食や極端な糖質制限、甘いものや加工食品への偏りを避けるようにしましょう。
妊活サプリはたくさん飲んだ方がよいですか?
サプリメントは多く飲むほどよいものではありません。複数のサプリを併用すると、葉酸、鉄、ビタミンD、ビタミンA、亜鉛などが重複し、知らないうちに過剰摂取になることがあります。
とくにDHEA、メラトニン、ハーブ系サプリ、鉄、脂溶性ビタミンは注意が必要です。不妊治療中の方や採卵・移植周期に入っている方は、医師や薬剤師に確認してから取り入れましょう。
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📚参考文献
- 厚生労働省 e-ヘルスネット「葉酸とサプリメント」
妊娠前から妊娠初期にかけての葉酸摂取と、神経管閉鎖障害のリスク低減に関する内容を参考にしました。 - 厚生労働省「日本人の食事摂取基準」
妊娠前後に意識したい葉酸、鉄、亜鉛、ビタミンDなどの栄養素について参考にしました。 - American Society for Reproductive Medicine「Optimizing natural fertility」
妊娠を希望する方の生活習慣、栄養、葉酸摂取に関する考え方を参考にしました。 - NIH Office of Dietary Supplements「Vitamin D Fact Sheet」
ビタミンDの働き、過剰摂取、高カルシウム血症などの注意点を参考にしました。 - NIH Office of Dietary Supplements「Vitamin A Fact Sheet」
ビタミンAの過剰摂取、とくに妊娠中・妊娠の可能性がある時期の注意点を参考にしました。 - EFSA「Tolerable Upper Intake Level for Iron」
鉄の過剰摂取による肝臓への影響や安全性に関する情報を参考にしました。 - 2023 International Evidence-based Guideline for the Assessment and Management of Polycystic Ovary Syndrome
PCOSに対するイノシトールの位置づけや、医学的根拠の考え方を参考にしました。 - Does coenzyme Q10 supplementation improve fertility outcomes in women undergoing assisted reproductive technology procedures?
CoQ10と体外受精・顕微授精などの生殖補助医療における研究内容を参考にしました。 - Melatonin supplementation and outcomes of assisted reproductive technology: a systematic review and meta-analysis
メラトニン補充と卵子成熟、受精、胚の質、妊娠率などに関する研究内容を参考にしました。 - Mayo Clinic「DHEA」
DHEAのホルモン様作用、妊娠中・授乳中の注意点、ホルモン感受性疾患への影響について参考にしました。
この記事の監修者
院長:宇都宮 泰子
(うつのみや やすこ)
FEMICA認定妊活指導士/鍼灸学修士/MBA(経営管理修士)
はり師・きゅう師(国家資格)
- 日本フェムライフ統合ケア協会 代表理事
- 日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー
- 日本生殖医学会会員
不妊・不育症を専門とし、東洋医学と生殖医療の両面から体質改善をサポート。大学院研究員としての研究活動も行いながら、臨床現場で妊活支援に従事している。
※本記事は一般的な医学情報を提供するものであり、診断・治療を目的とするものではありません。治療方針は必ず主治医の指示に従ってください。
サプリや食事の見直しで迷ったら、ご相談ください
卵子の質を整えるために、サプリメントや食事を見直すことは大切ですが、「自分には何が合っているのか」「採卵前に何を意識すればよいのか」と迷われる方も少なくありません。
妊活中の身体づくりは、栄養だけでなく、冷え、血流、自律神経、睡眠、ストレスなども関わってきます。無理に何かを増やすのではなく、今の体の状態を見ながら、できることを一緒に整理していくことが大切です。
大阪市都島区にある宇都宮鍼灸良導絡院では、妊活中の方のお悩みに寄り添いながら、鍼灸や良導絡測定を通して、お一人おひとりの体質や生活習慣に合わせたサポートを行っています。
サプリや食事のこと、採卵前の体調管理、冷えや睡眠の乱れなど、気になることがありましたら、どうぞお気軽にご相談ください🍀






当院でも、「卵子の質のために、どのサプリを飲めばよいですか?」「採卵前に食事でできることはありますか?」というご相談をいただくことがあります。サプリメントを取り入れること自体は悪いことではありませんが、まずは今の食事内容、睡眠、冷え、月経周期、ストレスの状態などを一緒に整理することが大切だとお伝えしています。
特に、疲れやすい、手足が冷える、眠りが浅い、月経前に不調が強いといったお悩みがある方は、栄養だけでなく、自律神経や血流の乱れが関わっていることもあります。鍼灸や良導絡測定では、東洋医学的な体質の見方もふまえながら、妊活中の体づくりを無理のない形でサポートしていきます。