
妊娠中に必要な栄養素とは?赤ちゃんとお母さんの健康を支える食事のポイント
妊娠中は、赤ちゃんの成長や胎盤の形成、血液量の増加などにより、通常より多くの栄養素が必要になります。
胎児は母体から栄養を受け取って成長するため、栄養不足は赤ちゃんの発育だけでなく、お母さんの身体にも影響を及ぼす可能性があります。特に葉酸・鉄・カルシウムなどは妊娠中に不足しやすく、意識して摂取したい栄養素です。
今回は、妊娠中に必要な栄養素と、その役割について解説します。


妊娠中に栄養が必要な理由
妊娠すると、母体ではさまざまな変化が起こります。
- 胎児の成長
- 胎盤の形成
- 血液量の増加
- 子宮や乳腺の発達
- 出産や授乳への準備
これらを支えるため、通常時よりも多くのエネルギーや栄養素が必要になります。
栄養不足が続くと、以下のようなリスクが高まる可能性があります。
- 胎児発育への影響
- 貧血
- 妊娠高血圧症候群
- 低出生体重児
1.エネルギー(カロリー)
妊娠中は、赤ちゃんの成長や母体の変化に伴い、必要なエネルギー量が増加します。
妊娠の進行に伴い、必要量は少しずつ変化します。
- 妊娠初期:通常とほぼ同じ
- 妊娠中期:付加量が必要
- 妊娠後期:さらに多く必要
ただし、「2人分食べる」という考え方ではなく、栄養価の高い食事を意識することが重要です。
2.タンパク質
タンパク質は、赤ちゃんの身体を作る基本的な材料です。
胎児の筋肉や内臓、血液、皮膚などの形成に必要であり、妊娠中は需要が増加します。
タンパク質が不足すると、胎児を含めた母体全体の栄養状態に影響を与える可能性があります。
タンパク質を多く含む食品
- 魚
- 鶏肉
- 牛肉
- 豚肉
- 卵
- 牛乳・ヨーグルト
- 豆腐
- 納豆
- 大豆製品
3.脂質
脂質は、胎児の脳や神経系の発達に必要な栄養素です。
また、脂溶性ビタミンの吸収を助ける働きもあります。
妊娠中は適切な脂質摂取が大切ですが、量だけでなく脂質の質にも注意が必要です。
積極的に摂りたい脂質
- 青魚(DHA・EPA)
- えごま油
- 亜麻仁油
- オリーブオイル
- ナッツ類
4.糖質
糖質は、母体と胎児の重要なエネルギー源です。
胎児は主にブドウ糖を利用して成長するため、妊娠中の極端な糖質制限はおすすめできません。
糖質不足になると脂肪の利用が進み、ケトン体が増加しやすくなるため注意が必要です。
おすすめの糖質源
- ご飯
- 雑穀米
- オートミール
- さつまいも
- じゃがいも
5.ミネラル
妊娠中は、血液量の増加や胎児への栄養供給によって、ミネラルの必要量も増加します。
特にカルシウム・鉄・亜鉛・ヨードは、意識して摂取したい栄養素です。
①カルシウム
カルシウムは、胎児の骨や歯を作るために必要です。
不足すると胎児は母体の骨に蓄えられたカルシウムを利用するため、お母さんの骨量低下につながる可能性があります。
カルシウムを多く含む食品
- 牛乳
- ヨーグルト
- チーズ
- 小魚
- 豆腐
- 小松菜
- ごま
②鉄
鉄は、血液を作るために欠かせない栄養素です。
妊娠中は血液量が増加し、胎児や胎盤へ鉄を供給する必要があるため、鉄の必要量が大きく増加します。
鉄不足は貧血の原因となり、疲れやすさやめまい、動悸などの症状につながることがあります。
また、鉄は胎児の脳や血液の発達にも重要な役割を担っています。
鉄を多く含む食品
- レバー
- 赤身肉
- かつお
- まぐろ
- 小松菜
- ほうれん草
- 大豆製品
鉄は、ビタミンCを含む食品と一緒に摂ると吸収率が高まります。
③亜鉛
亜鉛は、細胞分裂やDNA合成に関わるミネラルです。
胎児は急速な細胞分裂を繰り返しながら成長するため、妊娠中は十分な摂取が必要になります。
不足すると、味覚異常や免疫機能低下などが起こることがあります。
亜鉛を多く含む食品
- 牡蠣
- 牛赤身肉
- 豚肉
- 卵
- 納豆
- 大豆製品
④ヨード(ヨウ素)
ヨードは、甲状腺ホルモンの材料となる栄養素です。
甲状腺ホルモンは、胎児の脳や神経の発達に重要な役割を果たしています。
ヨードを多く含む食品
- 昆布
- わかめ
- のり
- ひじき
ただし、昆布などによる過剰摂取には注意が必要です。
6.ビタミン
ビタミンは身体の代謝を助け、母体と胎児の健康維持を支える重要な栄養素です。
妊娠中は、特にビタミンD・葉酸・ビタミンB群・ビタミンCを意識して摂取しましょう。
①ビタミンD
ビタミンDはカルシウムの吸収を助け、骨や歯の形成を支えます。
妊娠中に不足するとカルシウム利用効率が低下し、母体や胎児に影響を与える可能性があります。
ビタミンDを多く含む食品
- 鮭
- さんま
- いわし
- 卵黄
- きのこ類
また、ビタミンDは日光を浴びることで体内でも合成されます。
②葉酸
葉酸は、細胞分裂やDNA合成に関わるビタミンB群の一種です。
妊娠初期は、胎児の脳や脊髄のもととなる神経管が形成される重要な時期です。
葉酸不足は神経管閉鎖障害のリスク増加と関連することが知られており、妊娠を希望する時期から十分な摂取が推奨されています。
葉酸を多く含む食品
- ほうれん草
- 小松菜
- ブロッコリー
- 枝豆
- 納豆
- アボカド
③ビタミンB群
ビタミンB群は、糖質・脂質・タンパク質の代謝を助け、エネルギー産生に関わります。
また、赤血球の形成や神経機能の維持にも重要です。
ビタミンB群を多く含む食品
- 豚肉
- レバー
- 魚類
- 卵
- 納豆
- 大豆製品
④ビタミンC
ビタミンCには抗酸化作用があり、身体を酸化ストレスから守る働きがあります。
また、鉄の吸収率を高めるため、妊娠中の貧血予防にも役立ちます。
ビタミンCを多く含む食品
- キウイ
- いちご
- 柑橘類
- ブロッコリー
- パプリカ
妊娠中の栄養管理で大切なこと
妊娠中は、特定の栄養素だけを摂るのではなく、バランスの良い食事を心がけることが大切です。
- 主食・主菜・副菜をそろえる
- タンパク質を十分に摂る
- 鉄やカルシウムを意識する
- 極端な糖質制限をしない
- 偏食を避ける
毎日の食事は、お母さん自身の健康と赤ちゃんの健やかな成長を支える大切な土台です。無理なく続けられる食生活を意識しながら、妊娠期間を過ごしていきましょう。
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📚参考文献
- 厚生労働省「日本人の食事摂取基準」
- 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)策定検討会報告書」
- こども家庭庁「妊娠中と産後の食事について」
- 国立健康・栄養研究所「妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針」
- 厚生労働省 e-ヘルスネット「葉酸とサプリメント―神経管閉鎖障害のリスク低減に対する効果」
- Mindsガイドラインライブラリ「産婦人科診療ガイドライン-産科編2023」
この記事の監修者


院長:宇都宮 泰子 (うつのみや やすこ)
FEMICA認定妊活指導士/鍼灸学修士/MBA(経営管理修士)
はり師・きゅう師(国家資格)
- 日本フェムライフ統合ケア協会 代表理事
- 日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー
- 日本生殖医学会会員
不妊・不育症を専門とし、東洋医学と生殖医療の両面から体質改善をサポート。大学院研究員としての研究活動も行いながら、臨床現場で妊活支援に従事している。
※本記事は一般的な医学情報を提供するものであり、診断・治療を目的とするものではありません。治療方針は必ず主治医の指示に従ってください。
妊娠中の体調管理や食事の不安もご相談ください
妊娠中は、赤ちゃんの成長を支えるために栄養バランスが大切になる一方で、つわり・胃もたれ・貧血・冷え・腰痛など、体調の変化に悩まれる方も少なくありません。
宇都宮鍼灸良導絡院では、お母さんの身体に負担をかけすぎないよう配慮しながら、妊娠中の体調管理をサポートしています。食事や栄養のこと、妊娠中の過ごし方で不安がある方も、お気軽にご相談ください🍀







