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体外受精の前に腹腔鏡手術を検討するケース|原因不明不妊・卵管癒着・子宮内膜症との関係

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不妊治療を続けていると、「検査では大きな異常がないのに妊娠しない」「体外受精に進む前に、腹腔鏡手術を検討してみてはどうか」と提案されることがあります。

腹腔鏡手術は、すべての方に必要な治療ではありません。しかし、原因不明不妊、卵管周囲の癒着、子宮内膜症、卵巣嚢腫などが関係している可能性がある場合には、妊娠しにくさの原因を確認したり、必要に応じて癒着をはがしたりする目的で検討されることがあります。

この記事では、体外受精の前に腹腔鏡手術が検討されるケースや、妊活においてどのような意味があるのかを、できるだけわかりやすく解説します。

腹腔鏡手術とは?

腹腔鏡手術とは、全身麻酔を行い、お腹に小さな穴を数か所あけて、そこからカメラや医療器具を入れて骨盤内を確認・処置する手術です。

お腹を大きく切る開腹手術とは異なり、傷が小さく、身体への負担が比較的少ない手術方法とされています。ただし、全身麻酔を伴う医療行為であるため、メリットだけでなく、手術の必要性やリスクについても主治医とよく相談することが大切です。

不妊治療における腹腔鏡手術では、子宮・卵巣・卵管の周囲を直接確認し、癒着、子宮内膜症、卵巣嚢腫、卵管周囲の異常などがないかを調べることがあります。必要に応じて、癒着剥離や病変の処置が行われる場合もあります。

体外受精の前に腹腔鏡手術が検討される理由

体外受精は、卵子と精子を体外で受精させ、受精卵を子宮に戻す治療です。そのため、卵管が完全に通っていなくても妊娠を目指せる場合があります。

一方で、卵管や卵巣の周囲に癒着がある場合、卵巣の位置や血流、卵子の育つ環境、骨盤内の炎症などが妊娠しにくさに関係していることがあります。

また、子宮内膜症がある場合には、卵巣や卵管の周囲に癒着が起こったり、骨盤内に慢性的な炎症が生じたりすることがあり、不妊の一因になると考えられています。

そのため、体外受精に進む前、または体外受精を何度か行っても結果が出にくい場合に、骨盤内の状態を確認する目的で腹腔鏡手術が検討されることがあります。

腹腔鏡手術が検討されやすいケース

腹腔鏡手術は、誰にでも必要なものではありません。一般的には、次のようなケースで検討されることがあります。

  • 原因不明不妊といわれている
  • 子宮内膜症が疑われる、または診断されている
  • 卵巣嚢腫、チョコレート嚢胞がある
  • 卵管周囲の癒着が疑われる
  • 卵管造影検査で卵管の通りや広がりに不安がある
  • 月経痛、性交痛、排便痛などが強い
  • 人工授精やタイミング療法を続けても妊娠に至らない
  • 体外受精の前に、骨盤内の状態を確認しておきたい

特に、検査上は大きな異常がないのに妊娠しない場合、通常の超音波検査や血液検査だけではわかりにくい骨盤内の癒着や子宮内膜症が隠れていることがあります。

原因不明不妊と腹腔鏡手術

原因不明不妊とは、排卵、精液検査、卵管の通過性、子宮の状態など、基本的な検査で大きな異常が見つからないにもかかわらず、妊娠に至らない状態を指します。

しかし、「原因がない」という意味ではなく、現在の検査では見つけにくい要因が隠れている可能性もあります。

たとえば、軽度の子宮内膜症、卵管周囲の癒着、卵子を卵管に取り込むピックアップ機能の低下、骨盤内の慢性的な炎症などは、通常の検査だけでは判断が難しいことがあります。

腹腔鏡では、骨盤内を直接観察できるため、原因不明とされていた不妊の背景が見えてくる場合があります。

卵管癒着と妊娠しにくさの関係

卵管は、卵子と精子が出会い、受精卵が子宮へ移動するために重要な役割を持っています。

卵管そのものが完全に詰まっていなくても、卵管の周囲に癒着があると、卵巣から排卵された卵子を卵管がうまく取り込めないことがあります。これをピックアップ障害と呼ぶことがあります。

卵管癒着は、子宮内膜症、骨盤内感染、過去の手術、炎症などがきっかけで起こることがあります。

腹腔鏡手術では、癒着の状態を確認し、必要に応じて癒着をはがす処置が行われる場合があります。その結果、自然妊娠や人工授精で妊娠を目指せる可能性が出てくるケースもあります。

子宮内膜症と腹腔鏡手術

子宮内膜症は、本来は子宮の内側にある子宮内膜に似た組織が、卵巣や腹膜、卵管周囲など子宮以外の場所にできる病気です。

子宮内膜症があると、骨盤内に炎症が起こりやすくなったり、卵巣や卵管の周囲に癒着が起こったりすることがあります。その結果、排卵、卵子の取り込み、受精、着床環境などに影響する可能性があります。

子宮内膜症による不妊では、病変の程度、年齢、卵巣予備能、痛みの有無、これまでの治療歴などを総合的に見て、腹腔鏡手術を行うか、早めに体外受精へ進むかを判断することが多いです。

特に、チョコレート嚢胞がある場合は、手術によって卵巣機能に影響が出る可能性もあるため、採卵を先に行うのか、手術を優先するのか、慎重な判断が必要です。

腹腔鏡手術をすれば必ず妊娠しやすくなる?

腹腔鏡手術によって、癒着や子宮内膜症の病変が処置されることで、妊娠を目指しやすくなる方もいます。

一方で、すべての方に妊娠率の向上が期待できるわけではありません。年齢、卵巣機能、精子の状態、卵管の状態、子宮内膜の状態、これまでの治療歴によって、手術のメリットは変わります。

特に年齢が高い場合や、AMHが低い場合には、手術による時間的なロスが不利になることもあります。そのため、「手術をすれば妊娠しやすくなる」と考えるのではなく、「自分の場合に手術を行うメリットがあるのか」を主治医と相談することが大切です。

手術後に自然妊娠を目指すケースもある

当院に来院される方の中にも、卵巣嚢腫、卵管の癒着、子宮内膜症などで腹腔鏡手術を受けられた方がいらっしゃいます。

手術後に骨盤内の環境が整い、鍼灸や生活習慣の見直しを行いながら、タイミング療法や人工授精で自然妊娠を目指される方もいます。

ただし、妊娠までの経過には個人差があります。手術後にどのくらいの期間、自然妊娠を目指すのか、どのタイミングで体外受精へ進むのかは、年齢や卵巣機能、不妊期間をふまえて考える必要があります。

体外受精を優先した方がよいケースもある

腹腔鏡手術は有効な選択肢になることがありますが、体外受精を優先した方がよいケースもあります。

  • 年齢的に治療を急いだ方がよい
  • AMHが低く、卵巣予備能が低下している
  • 男性不妊の要因が大きい
  • 卵管の状態よりも、受精や胚発育が課題になっている
  • すでに体外受精が必要と判断されている
  • 手術による卵巣機能への影響が心配される

このような場合には、腹腔鏡手術を行うよりも、先に採卵や体外受精を進めた方がよいと判断されることもあります。

大切なのは、「腹腔鏡手術か体外受精か」を一律に決めるのではなく、現在の年齢、卵巣機能、不妊原因、治療歴、希望する妊娠方法をふまえて、最適な順番を考えることです。

鍼灸でできるサポート

腹腔鏡手術そのものは医療機関で行う治療ですが、手術前後の体調管理や、妊娠を目指すための身体づくりとして、鍼灸を取り入れられる方もいます。

東洋医学では、骨盤内の血流、自律神経のバランス、冷え、胃腸の働き、睡眠、ストレスなどを総合的に見ながら、妊娠しやすい身体づくりを目指します。

手術後は身体が回復していく時期でもあるため、無理をせず、主治医の指示に従いながら、体調に合わせてケアを行うことが大切です。

この記事のまとめ

  • 腹腔鏡手術は、骨盤内を直接確認し、必要に応じて癒着や病変を処置する手術です。
  • 原因不明不妊、卵管癒着、子宮内膜症、卵巣嚢腫などがある場合に検討されることがあります。
  • 体外受精の前に行うことで、妊娠しにくさの背景が見つかる場合があります。
  • 一方で、年齢やAMH、治療歴によっては体外受精を優先した方がよいケースもあります。
  • 腹腔鏡手術が必要かどうかは、主治医と相談しながら、自分の状況に合わせて判断することが大切です。

よくある質問

腹腔鏡手術をすれば自然妊娠できますか?

腹腔鏡手術後に自然妊娠を目指せる方もいますが、必ず妊娠できるわけではありません。年齢、卵巣機能、卵管の状態、精子の状態、不妊期間などによって妊娠の可能性は変わります。

体外受精の前に腹腔鏡手術は必ず必要ですか?

必ず必要ではありません。子宮内膜症や卵管癒着が疑われる場合、原因不明不妊が続いている場合などに検討されることがあります。一方で、年齢やAMHによっては体外受精を優先することもあります。

腹腔鏡手術で卵管癒着は治りますか?

癒着の程度によっては、手術で癒着をはがす処置が行われることがあります。ただし、癒着が強い場合や卵管の機能が低下している場合には、自然妊娠よりも体外受精が選択されることもあります。

子宮内膜症がある場合、手術と体外受精はどちらが先ですか?

子宮内膜症の程度、痛みの有無、チョコレート嚢胞の大きさ、年齢、AMH、治療歴によって判断が異なります。卵巣機能への影響も考える必要があるため、主治医とよく相談することが大切です。

腹腔鏡手術後、いつから妊活を再開できますか?

手術内容や回復状況によって異なります。自己判断で再開せず、必ず手術を受けた医療機関の指示に従ってください。体調が整ってから、妊活や不妊治療の方針を考えていきましょう。

原因不明不妊や体外受精前の身体づくりでお悩みの方へ

検査では大きな異常がないのに妊娠に至らないと、「このまま体外受精に進んでよいのか」「他に見直せることはないのか」と不安になることがあります。

宇都宮鍼灸良導絡院では、不妊治療の状況やお身体の状態をお伺いしながら、骨盤内の血流、自律神経、冷え、胃腸の働き、睡眠、ストレスなどをふまえて、妊娠に向けた身体づくりをサポートしています。

腹腔鏡手術を検討されている方、手術後に妊活を再開される方、体外受精に向けて体調を整えたい方は、無理のない範囲でご相談ください。


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参考文献

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