
月経痛・PMS・月経不順に鍼灸でできること
目次
月経痛・PMS・月経不順は「我慢するもの」ではありません
月経周期のある女性の多くが、月経に伴う身体や心の不調を経験しています。
なかでもご相談が多いのが、強い月経痛、月経前症候群(PMS)、月経不順です。
- 月経のたびに鎮痛薬が手放せない
- 月経前になるとイライラや落ち込みが強くなる
- 胸の張り、頭痛、むくみ、眠気がつらい
- 月経周期が安定しない
- 月経の不調で仕事や家事、子育てに影響が出ている
このようなお悩みがあっても、「月経痛はあるのが普通」「PMSは体質だから仕方ない」と、つらさを我慢している方は少なくありません。
しかし、月経に伴う不調は、身体からの大切なサインです。症状の背景には、ホルモンバランス、自律神経の乱れ、血流の低下、冷え、ストレス、婦人科疾患などが関係していることがあります。
この記事では、月経痛・PMS・月経不順が起こる背景と、鍼灸でできるサポートについてわかりやすくお伝えします。
月経に関する代表的な3つの不調
1. 強い月経痛
月経痛は、子宮が収縮して経血を外へ出そうとするときに起こります。多少の重だるさや違和感であれば自然な範囲のこともありますが、日常生活に支障が出るほどの痛みがある場合は注意が必要です。
医学的には、月経痛が強く生活に支障をきたす状態を「月経困難症」と呼びます。子宮内膜症、子宮筋腫、子宮腺筋症などが隠れている場合もあるため、痛みが強い方、年々痛みが増している方は婦人科での確認も大切です。
東洋医学では、月経痛は「冷え」「血の巡りの滞り」「気の巡りの乱れ」などと関係して考えます。特に、下腹部や腰が冷えやすい方、月経血に塊が出やすい方、ストレスで痛みが強くなる方は、巡りを整えるケアが大切になります。
2. 月経前症候群(PMS)
PMSとは、月経前の3〜10日ほど前から心身の不調があらわれ、月経が始まると軽くなったり消えたりする症状のことです。
- イライラする
- 気分が落ち込む
- 涙もろくなる
- 胸が張る
- 頭痛が出る
- むくみやすくなる
- 眠気やだるさが強くなる
東洋医学では、このような月経前の張り・痛み・イライラは、「気滞(きたい)」という状態と関係して考えることがあります。
気滞とは、身体の中をめぐる「気」の流れが滞っている状態です。ストレスや緊張が続くと、呼吸が浅くなり、首肩がこり、胸やお腹が張りやすくなります。その結果、月経前の不快感が強く出ることがあります。
PMSは「性格の問題」ではありません。ホルモン変動に対して身体が敏感に反応している状態と考えられるため、責める必要はありません。
3. 月経不順
月経周期は、一般的に25〜38日程度の範囲であれば正常範囲とされます。ただし、周期が極端に短い、長い、数か月月経が来ない、出血がだらだら続く場合は、ホルモンバランスの乱れや排卵の問題が隠れていることがあります。
月経不順の背景には、ストレス、急激な体重変化、睡眠不足、過度な運動、甲状腺機能の異常、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)、高プロラクチン血症などが関係することがあります。
特に、妊娠していないのに乳汁が出る、無月経が続く、頭痛や視野の異常を伴う場合は、高プロラクチン血症などの可能性もあるため、早めに婦人科で相談しましょう。
月経の不調は、生活の質にも影響します
月経痛やPMSが強いと、身体のつらさだけでなく、気持ちにも余裕がなくなりやすくなります。
痛みやイライラで周りにきつく当たってしまったり、子育て中にお子さんへ強く言ってしまったり、そのあとで「またやってしまった」と自分を責めてしまう方もいます。
ですが、それはあなたの性格が悪いからではありません。月経に伴う不調によって、心と身体の余裕が奪われている状態かもしれません。
月経の状態が整ってくると、痛みが軽くなるだけでなく、気持ちの波が穏やかになり、日常生活を過ごしやすくなる方もいらっしゃいます。
鍼灸で月経痛・PMS・月経不順にできること
鍼灸では、月経痛やPMS、月経不順に対して、症状だけを見るのではなく、身体全体のバランスを整えることを大切にします。
- 下腹部や骨盤内の血流を整える
- 冷えやこわばりをやわらげる
- 自律神経のバランスを整える
- ストレスによる緊張をゆるめる
- 月経周期に合わせて身体の状態を整える
東洋医学では、月経の状態は「血」「気」「腎」「肝」「脾」などの働きと関係して考えます。
たとえば、冷えが強い方には温める施術を、ストレスで症状が悪化しやすい方には気の巡りを整える施術を、疲れやすく経血量が少ない方には身体の土台を補う施術を行います。
同じ「月経痛」でも、原因や体質は人によって異なります。そのため、宇都宮鍼灸良導絡院では、症状の出方や月経周期、生活習慣、冷え、睡眠、ストレスの状態を確認しながら、その方に合った施術を行います。
鎮痛薬を使っている方へ
月経痛が強いときに鎮痛薬を使用すること自体が、必ずしも悪いわけではありません。痛みを我慢しすぎることは、生活の質を下げてしまいます。
ただし、毎回の月経で鎮痛薬が手放せない、薬を飲んでも効きにくい、以前より痛みが強くなっている場合は、痛みの背景に婦人科疾患が隠れている可能性もあります。
「薬で抑えれば大丈夫」と我慢し続けるのではなく、婦人科での確認とあわせて、鍼灸で身体の状態を整えていくことも選択肢のひとつです。
婦人科の受診をおすすめしたいサイン
月経の不調には、鍼灸でサポートできるものもありますが、まず医療機関での確認が必要なケースもあります。
- 月経痛が年々強くなっている
- 鎮痛薬を飲んでも痛みがつらい
- 月経量が急に増えた、または極端に少なくなった
- 出血が長く続く
- 月経が3か月以上来ない
- 妊娠していないのに乳汁が出る
- 強い頭痛や視野の異常がある
- 妊活中で月経不順が続いている
このような場合は、子宮内膜症、子宮筋腫、子宮腺筋症、排卵障害、甲状腺機能の異常、高プロラクチン血症などが関係していることもあります。
鍼灸だけで判断せず、必要に応じて婦人科で検査を受けることが大切です。
鍼灸を続けることで、月経の状態が整いやすくなります
月経の不調は、1回の施術ですべてが変わるというよりも、身体の巡りや自律神経の状態を少しずつ整えていくことが大切です。
当院では、週に1回程度の鍼灸を続けることで、1〜2か月ほどで月経痛やPMS、月経の質に変化を感じる方もいらっしゃいます。
もちろん、症状の程度や体質、婦人科疾患の有無によって変化のスピードには個人差があります。
大切なのは、「つらい月経が当たり前」とあきらめないことです。月経の状態は、今の身体の状態を教えてくれるサインでもあります。
この記事のまとめ
- 月経痛・PMS・月経不順は、我慢するものではなく身体からのサインです。
- 強い月経痛は、子宮内膜症や子宮筋腫などが隠れている場合もあります。
- PMSは性格の問題ではなく、ホルモン変動や自律神経、ストレスの影響を受けることがあります。
- 鍼灸では、冷え・血流・自律神経・気の巡りを整え、月経に伴う不調をサポートします。
- 痛みが強い、月経不順が続く、乳汁分泌や視野異常がある場合は、婦人科での確認も大切です。
よくある質問
月経痛は鍼灸で改善できますか?
月経痛の背景に、冷え、血流の滞り、自律神経の乱れ、ストレスによる緊張などが関係している場合、鍼灸で身体を整えることで痛みが軽くなる方もいます。ただし、子宮内膜症や子宮筋腫などが隠れている場合もあるため、痛みが強い方は婦人科での確認もおすすめします。
PMSのイライラにも鍼灸はよいですか?
PMSによるイライラや気分の落ち込みは、自律神経やホルモン変動、ストレスの影響を受けることがあります。鍼灸では、緊張をゆるめ、気の巡りを整えることで、月経前の心身の不調をやわらげるサポートを行います。
月経不順でも鍼灸を受けられますか?
受けていただけます。月経不順の背景には、ストレス、睡眠不足、冷え、体重変化、排卵の問題などが関係していることがあります。鍼灸では身体全体のバランスを整えることを目指します。ただし、3か月以上月経が来ない場合や妊活中の場合は、婦人科での検査も大切です。
鎮痛薬を飲んでいても鍼灸は受けられますか?
基本的には受けていただけます。鎮痛薬を使うこと自体が悪いわけではありませんが、毎回薬が必要なほど痛みが強い場合は、痛みの原因を確認することが大切です。鍼灸では、痛みが出にくい身体づくりを目指して施術を行います。
どのくらいの頻度で通うとよいですか?
症状が強い時期は、週1回程度を目安に身体を整えていくことをおすすめしています。月経周期に合わせて施術を続けることで、月経痛やPMS、月経の状態の変化を確認しやすくなります。
月経痛・PMS・月経不順でお悩みの方へ
「毎月のことだから仕方ない」と思っていても、月経の不調が続くと、身体だけでなく気持ちにも余裕がなくなってしまいます。
宇都宮鍼灸良導絡院では、月経痛・PMS・月経不順のお悩みに対して、冷えや血流、自律神経、ストレスの状態を確認しながら、お一人おひとりの体質に合わせた鍼灸施術を行っています。
婦人科での検査が必要な場合は、その可能性も踏まえながら、無理のない形で身体づくりをサポートいたします。
月経のつらさをひとりで抱え込まず、まずはお気軽にご相談ください。
参考文献
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