
不妊治療中こそ、肩こりや腰痛を放置しないで|痛みと自律神経、妊活のコンディション
不妊治療中の患者さまとお話ししていると、
「肩こりは昔からなので」
「腰は痛いけれど、いつものことです」
「妊活とは関係ないと思っていました」
という言葉をよく耳にします。
採卵、移植、ホルモン値、卵子の状態、子宮内膜……。
不妊治療をしていると、どうしても「妊娠に直接関係しそうなこと」が優先されます。
そのため、肩こりや腰痛、頭痛、身体のだるさなどは、
「これくらい我慢できるから」
と後回しになりがちです。
でも私たちは、妊活中だからこそ、こうした痛みを放置してほしくないと考えています。


痛みがあること自体が、身体へのストレスになります
肩や腰が痛い。
ただそれだけのように思えるかもしれません。
しかし「痛み」は、その場所だけで起こっている問題ではありません。
痛みの情報は神経を介して脳へ伝えられ、それに対して身体はさまざまな反応を起こします。
慢性的な筋骨格系の痛みがある人では、健康な人と比較して心拍変動が低下する傾向があり、交感神経と副交感神経を含む自律神経調節の変化がみられることが、システマティックレビューでも報告されています。近年のメタ解析でも、慢性筋骨格痛では副交感神経系の働きの低下など、自律神経バランスの変化が確認されています。
ここで大切なのは、
「肩こりがある=必ず交感神経優位」
と単純に考えないことです。
痛みと自律神経は相互に関係しており、個人差もあります。
ただ、毎日「痛い」「つらい」と感じ続けている状態を、身体にとって何の負担もない状態とは考えにくいのです。
痛みを我慢していると、イライラしやすくなることも
痛みが続いている日は、
いつもなら気にならないことでイライラしたり、
仕事に集中できなかったり、
家に帰ると何もしたくなくなったり。
そんな経験はないでしょうか。
腰痛は身体を動かしにくくするだけでなく、生活の質や精神的な健康にも影響することが知られています。WHOも、慢性腰痛について身体面だけではなく、心理的・社会的要因を含めて考えることの重要性を示しています。
まして不妊治療中は、
「今回の採卵はどうだろう」
「胚盤胞になっているかな」
「移植したけれど結果が怖い」
「また次の治療を考えないといけない」
と、普段より心理的な負担が増えやすい時期です。
そこに慢性的な肩こりや腰痛まで加わっていれば、身体にも心にも余裕がなくなって当然だと思うのです。
私たちが考える「妊活のパフォーマンス」
ここでいう「妊活のパフォーマンス」とは、
肩こりを治せば妊娠率が上がる、という意味ではありません。
そうした直接的な関係を証明した十分な研究はありません。
私たちが考えているのは、もっと日常的な部分です。
よく眠れる。
朝起きたときに身体が楽。
仕事に集中できる。
食事を整える余裕がある。
治療について落ち着いて考えられる。
休日に少し外へ出ようと思える。
こうした状態も、長い不妊治療を続けていくうえでは、とても大切な「妊活のコンディション」だと思っています。
痛みを抱えながら頑張るより、
痛みという余計なストレスを一つ減らしてあげる。
それも身体づくりの一つです。
「これくらいの肩こり」で鍼灸を受けてもいい
もちろんです。
むしろ鍼灸が得意としている分野の一つが、肩や首、腰などの筋骨格系の痛みです。
慢性的な首の痛みに対する鍼治療を調べた2024年のシステマティックレビューでは、治療後の痛みや機能への効果が報告されています。一方で、偽鍼との比較では差が明確でない項目もあり、効果を過大に表現することはできません。
またWHOの慢性腰痛ガイドラインでも、鍼治療を含む「needling therapies」が非外科的治療の評価対象として取り上げられています。
当院でも、不妊治療中だからといって、お腹や骨盤まわりだけを診るわけではありません。
肩がつらければ肩を。
腰がつらければ腰を。
眠れなければ睡眠の状態を。
その日の身体全体を確認して施術していきます。
妊活中だからこそ「我慢しない」
不妊治療では、
「これくらい我慢しよう」
という場面がとても多くなります。
注射も、採血も、通院も、待ち時間も。
だからせめて、改善できる身体の痛みまで我慢する必要はないと思うのです。
肩こりも、腰痛も、頭痛も、
妊娠とは関係ないから後回し
ではなく、
今の自分の身体から出ているサインの一つ
として見てみてください。
身体が楽になること。
それ自体が、不妊治療を続けるための大切な身体づくりだと、私たちは考えています。
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この記事の監修者


院長:宇都宮 泰子
(うつのみや やすこ)
FEMICA認定妊活指導士/鍼灸学修士/MBA(経営管理修士)
はり師・きゅう師(国家資格)
- 日本フェムライフ統合ケア協会 代表理事
- 日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー
- 日本生殖医学会会員
不妊・不育症を専門とし、東洋医学と生殖医療の両面から体質改善をサポート。大学院研究員としての研究活動も行いながら、臨床現場で妊活支援に従事している。
※本記事は一般的な医学情報を提供するものであり、診断・治療を目的とするものではありません。治療方針は必ず主治医の指示に従ってください。
肩こりや腰痛も、妊活中の体調管理の一つです
不妊治療中は、採卵や移植、検査結果のことが優先され、肩こりや腰痛、頭痛などは「これくらいなら我慢できる」と後回しになりがちです。
しかし、痛みや身体の緊張が続くと、眠りにくい、疲れが取れない、気持ちに余裕がなくなるなど、日々のコンディションに影響することがあります。
大阪市都島区にある宇都宮鍼灸良導絡院では、不妊治療の段階や月経周期を確認しながら、お腹や骨盤まわりだけでなく、首肩こり、腰痛、頭痛、冷え、睡眠など、その日に感じている全身の不調もあわせて施術しています。
「妊活と関係がない症状だから」と我慢せず、今の身体について気になることがあれば、お気軽にご相談ください🍀







