
生理中に鍼灸は受けても大丈夫?妊活中の月経期ケアと注意点
「予約の日に生理が来てしまったけれど、鍼灸は受けてもいいのかな」
妊活中の方や、初めて鍼灸を受けられる方から、このようなご相談をいただくことがあります。
結論からお伝えすると、体調に大きな問題がなければ、生理中でも鍼灸を受けていただいて大丈夫です。
むしろ月経期は、経血の状態・生理痛・冷え・腰の重だるさ・だるさなど、ご自身の体の状態が表れやすい時期でもあります。妊活中の方にとっては、次の卵胞期や排卵に向けて体を整えていく大切なタイミングと考えることもできます。
ただし、出血量が極端に多い、強い腹痛がある、めまいや貧血症状がある、子宮内膜症・子宮筋腫・子宮腺筋症などを指摘されている場合は、無理をせず婦人科への相談を優先してください。
- 体調に大きな問題がなければ、生理中でも鍼灸を受けていただけます。
- 月経期は、不要になった子宮内膜を外へ出し、次の周期に向けて体を整える大切な時期です。
- 生理痛には、子宮収縮に関わるプロスタグランジンが関係しています。
- 冷えやストレス、自律神経の乱れは、生理中の不調に影響することがあります。
- レバー状の血の塊、黒っぽい経血、強い生理痛、長引く出血などは、体の巡りを見直すサインになることがあります。
- 妊活中は、月経期・卵胞期・排卵期・黄体期に合わせて、無理のないペースで体を整えていくことが大切です。
- 強い痛み、出血量の多さ、貧血症状、婦人科疾患が疑われる場合は、婦人科での相談も検討してください。


目次
生理中に鍼灸を受けてもよい理由
生理中は、厚くなった子宮内膜がはがれ、血液とともに体の外へ排出される時期です。
この時期は、下腹部の重だるさ、腰痛、冷え、眠気、気分の落ち込みなどを感じやすくなります。鍼灸では、その日の体調に合わせて刺激量を調整しながら、体の緊張をゆるめたり、冷えや巡りの悪さに対してケアを行ったりします。
生理中だからといって、必ず施術を避けなければならないわけではありません。
ただし、月経中は体が敏感になっている方もいます。そのため、いつもより痛みに敏感、だるさが強い、出血量が多いなどがある場合は、施術前に伝えていただくことが大切です。
月経期は「次の周期に向けた準備」の時期
月経周期は、主に次の4つの時期に分けて考えられます。
- 月経期
- 卵胞期
- 排卵期
- 黄体期
月経期は、妊娠が成立しなかった周期の子宮内膜を外へ出す時期です。
卵胞期は、次の排卵に向けて卵胞が育っていく時期です。排卵期は、排卵に向けてホルモンや自律神経の変化が起こりやすい時期です。黄体期は、妊娠に備えて子宮内膜の状態を維持していく時期です。
妊活中は、「生理が終わってから体を整える」のではなく、生理中から次の周期の準備が始まっていると考えるとわかりやすいかもしれません。
月経期のケアでは、無理に体を動かすというよりも、冷え・緊張・疲れをためこまないようにしながら、次の卵胞期へスムーズにつなげていくことを大切にします。
生理痛とプロスタグランジンの関係
生理痛には、子宮を収縮させて経血を外へ出す働きが関係しています。
このとき関わる物質のひとつが「プロスタグランジン」です。プロスタグランジンは月経に必要な働きを持っていますが、分泌が多くなりすぎると子宮の収縮が強くなり、下腹部痛や腰痛、吐き気、下痢などにつながることがあります。
また、冷えやストレス、睡眠不足などによって自律神経が乱れると、血流や筋肉の緊張にも影響し、生理中の不調を感じやすくなることがあります。
鍼灸では、生理痛そのものだけを見るのではなく、冷え、胃腸の状態、睡眠、ストレス、首肩こり、腰の重だるさなども含めて、全身の状態を確認しながら施術を行います。
東洋医学で考える「瘀血」と月経の状態
東洋医学では、血の巡りが滞ったような状態を「瘀血(おけつ)」と考えることがあります。
生理中に次のような状態がある場合、瘀血のサインとして体の巡りを見直すきっかけになることがあります。
- レバー状の血の塊が出る
- 経血が黒っぽい
- 生理痛が強い
- 腰や下腹部が重だるい
- 生理がだらだら長引く
- 冷えると痛みが強くなる
もちろん、経血の色や量には個人差があります。少し塊が出たからすぐに問題というわけではありません。
ただし、毎回大きな塊が出る、痛みが強くて日常生活に支障がある、出血が長引く、貧血のような症状がある場合は、鍼灸だけで様子を見るのではなく、婦人科での確認も大切です。
生理中のお灸はしても大丈夫?
生理中でも、体調に問題がなければお灸をしていただけることがあります。
特に、冷えや下腹部の重だるさ、腰のだるさを感じる方は、足元や腰まわりを冷やさないことが大切です。お灸は、冷えや緊張を感じやすい方のセルフケアとして取り入れられることもあります。
ただし、出血量が多い日、のぼせやすい日、強い腹痛がある日、体調が悪い日は無理に行わないようにしましょう。
妊活中の方は、排卵後や妊娠の可能性がある時期には、自己判断で下腹部や腰まわりへ強い温熱刺激を加えすぎないことも大切です。お灸をする場所や頻度は、体質や周期に合わせて相談しながら行うと安心です。
妊活中は月経周期に合わせた鍼灸ケアが大切です
妊活中の鍼灸では、月経期・卵胞期・排卵期・黄体期それぞれの体の変化に合わせて施術内容を調整していきます。
月経期
不要になった子宮内膜を外へ出す時期です。冷えや痛み、経血の状態を確認しながら、次の周期へつなげるケアを行います。
卵胞期
卵胞が育っていく時期です。妊活中は、卵胞の成長や体調の変化を見ながら体を整えていきます。
排卵期
排卵に向けて体が変化する時期です。下腹部の張り、冷え、ストレス、睡眠状態なども確認しながら施術を行います。
黄体期
妊娠に備えて子宮内膜の状態を維持していく時期です。自律神経や血流、体の緊張を整えることを大切にします。
そのため、妊活中の方は「生理中だから休む」と決めつけるのではなく、体調に無理のない範囲で、周期に合わせたケアを続けることが大切です。
目安としては、週1回程度のペースで体を整えていくと、月経周期ごとの変化を確認しながら施術を進めやすくなります。
不妊治療を受けている方は、採卵周期・移植周期・服薬状況・通院スケジュールによっても体の状態が変わります。そのため、クリニックでの治療状況も確認しながら、無理のない施術計画を立てていきます。
生理中の鍼灸を控えた方がよい場合
基本的には生理中でも鍼灸を受けていただけますが、次のような場合は無理をしないでください。
- 鎮痛薬を飲んでもつらいほどの生理痛がある
- 立っているのがつらいほど腹痛が強い
- 出血量が急に増えた
- ナプキンを頻繁に替える必要がある
- 大きな血の塊が毎回出る
- 生理が8日以上続くことが多い
- めまい、息切れ、強いだるさ、貧血症状がある
- 発熱や強い吐き気がある
- 子宮内膜症、子宮筋腫、子宮腺筋症などを指摘されている
生理痛を「いつものこと」と我慢しすぎる必要はありません。
月経痛や出血量の異常の背景には、子宮内膜症、子宮筋腫、子宮腺筋症などが関係していることもあります。気になる症状がある場合は、婦人科で確認したうえで、鍼灸を併用していくと安心です。
生理中に来院するときのポイント
生理中に鍼灸を受ける場合は、無理のない服装でお越しください。
施術時は必要に応じてお着替えをご用意しております。出血が気になる方は、替えのナプキンや使い慣れた生理用品をお持ちいただくと安心です。
また、次のようなことを施術前にお伝えいただけると、より体調に合わせた施術がしやすくなります。
- 生理何日目か
- 出血量がいつもより多いか少ないか
- 生理痛の強さ
- 鎮痛薬を飲んでいるか
- めまいや貧血感があるか
- 妊活・不妊治療のスケジュール
生理中は体が敏感になりやすい時期でもあります。刺激量は調整できますので、気になることがあれば遠慮なくお伝えください。
生理中に鍼灸を受けると出血量が増えませんか?
施術後に体が温まり、巡りがよくなったように感じる方もいます。通常の範囲内であれば過度に心配しすぎる必要はありません。ただし、もともと出血量が多い方、貧血症状がある方、急に出血量が増えた方は、事前にご相談ください。
生理痛が強い日でも受けられますか?
体調に無理がなければ受けていただけます。痛みが強い日は、刺激量を調整しながら、リラックスしやすい施術を行います。ただし、立っていられないほどの痛みや、出血量が多い場合は無理をせず、婦人科への相談を優先してください。
生理中にお灸をしても大丈夫ですか?
体調に問題がなければ、お灸をしていただけることがあります。ただし、出血量が多い日、のぼせやすい日、強い腹痛がある日は無理に行わないようにしましょう。妊活中の方は、周期や体質に合わせて場所や頻度を相談することをおすすめします。
妊活中は生理中も鍼灸に通った方がよいですか?
妊活中は、月経期・卵胞期・排卵期・黄体期それぞれに合わせたケアが大切です。生理中も次の周期に向けた準備期間と考えられるため、体調に無理がなければ施術を続けることがあります。
どのくらいの頻度で通うのがよいですか?
体質や治療状況によって異なりますが、妊活中の方は週1回程度を目安にされる方が多いです。不妊治療のスケジュールや月経周期に合わせて、無理のないペースをご提案いたします。
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📚参考文献
- 厚生労働省「女性特有の健康課題|月経について」
月経の正常範囲、生理痛や月経中の不調を我慢しすぎないことについて参考にしました。 - 日本産婦人科医会「月経困難症」
月経困難症の分類、プロスタグランジンと子宮収縮、下腹部痛・腰痛・吐き気・下痢などの症状について参考にしました。 - 日本産婦人科医会「生理痛(月経痛)の原因とその対処方法を教えてください!」
月経血を体外へ排出する過程で痛みが起こること、月経痛の基本的な考え方について参考にしました。 - Cochrane Library「Acupuncture for dysmenorrhoea」
月経痛に対する鍼や指圧の研究レビューとして参考にしました。鍼灸の効果を断定せず、研究上の可能性と限界を踏まえて表現しています。
この記事の監修者


院長:宇都宮 泰子
(うつのみや やすこ)
FEMICA認定妊活指導士/鍼灸学修士/MBA(経営管理修士)
はり師・きゅう師(国家資格)
- 日本フェムライフ統合ケア協会 代表理事
- 日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー
- 日本生殖医学会会員
不妊・不育症を専門とし、東洋医学と生殖医療の両面から体質改善をサポート。大学院研究員としての研究活動も行いながら、臨床現場で妊活支援に従事している。
※本記事は一般的な医学情報を提供するものであり、診断・治療を目的とするものではありません。治療方針は必ず主治医の指示に従ってください。
生理中の不調や妊活中の体づくりでお悩みの方へ
生理痛や経血の状態は、妊活中の体のサインとして参考になることがあります。
「生理中に鍼灸を受けてもいいのかな」「生理痛があるけれど、妊活に影響しないかな」「冷えや血流の悪さが気になる」と感じている方は、まずはご自身の体の状態を知ることから始めてみてください。
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生理中の不調、冷え、血流、自律神経の乱れなどが気になる方は、無理のない範囲でご相談ください。西洋医学的な治療と併用しながら、東洋医学の視点も取り入れ、妊娠しやすい体づくりをやさしくサポートいたします。🍀







