
妊活中・妊娠中の夜更かしは大丈夫?睡眠不足・寝る時間と妊娠への影響
「妊活を頑張っているのに、なかなか結果が出ない」
「仕事や家事で、つい寝る時間が遅くなってしまう」
「夜更かしすると、妊娠しにくくなるのでは?」
また、妊娠してから「昨日、夜更かししてしまった」「赤ちゃんに影響しないかな」と心配になる方もいると思います。
結論からいうと、夜更かしそのものが直接“不妊の原因”になると断定されているわけではありません。
ただし、近年の研究では、遅い就寝時間や不規則な睡眠リズムと不妊との関連が報告されています。
また妊娠中についても、慢性的な睡眠不足や睡眠トラブルと妊娠中の健康との関連が研究されていますが、1回夜更かしをしたからといって、それだけで赤ちゃんに重大な影響が出ると考える必要はありません。
妊活中は、「何時間寝るか」だけでなく、寝る時間・起きる時間をなるべく整えることも大切です。
この記事では、妊活と睡眠不足の関係、夜更かしが妊娠にどのように関わる可能性があるのか、妊活中に意識したい睡眠時間や寝る時間、妊娠中に夜更かししてしまった場合の考え方について、医学的に誤解のないように解説します。
- 夜更かしや睡眠不足が、直接不妊の原因になると断定されているわけではありません。
- ただし、遅い就寝時間や不規則な睡眠リズムと、不妊との関連を示した研究があります。
- 「22時45分までに寝る」という目安は研究上の参考であり、すべての方に当てはまる絶対的な基準ではありません。
- 妊活中は睡眠時間だけでなく、寝る時間・起きる時間をなるべく一定にすることが大切です。
- 妊娠中に一度夜更かしをしてしまったからといって、過度に心配する必要はありません。
- まずは、今より30分早く寝る、寝る前のスマホを控える、朝の光を浴びるなど、無理なく続けられることから始めましょう。


妊活中の夜更かしは妊娠率に関係する?
妊活中に夜更かしが続くと、「これが原因で妊娠しにくくなっているのでは」と不安になる方もいると思います。
近年、睡眠と妊娠の関係を調べた研究では、遅い就寝時間や乱れた睡眠リズムと、不妊との関連が報告されています。
2024年に発表された研究では、就寝時刻と不妊との間に非線形の関連がみられ、22時45分より遅い就寝で不妊との関連が強くなる傾向が示されました。
ただし、この研究は横断研究であり、「夜更かしをしたから不妊になる」という因果関係まで証明したものではありません。
そのため、医学的には、遅い就寝時刻と不妊との関連が報告されていることから、妊活中の生活習慣のひとつとして睡眠リズムを整える価値があると考えるのが適切です。
また、別の研究でも、就寝時刻・起床時刻・睡眠リズムと自己申告の不妊に関連がみられ、早寝早起きの群で不妊率が低い傾向が報告されています。
一方で、妊娠のしやすさには、年齢、卵巣機能、精子の状態、排卵、子宮内膜、体重、ストレス、食事、運動、基礎疾患など、さまざまな要素が関係します。
そのため、睡眠だけで妊娠のしやすさが決まるわけではありませんが、妊活中の体づくりの土台として、睡眠を見直すことは大切です。
「22時45分までに寝ないと妊娠しにくい」は本当?
妊活と睡眠に関する情報の中で、「22時45分までに寝たほうがよい」という内容を見かけることがあります。
これは、2024年の研究で、統計解析上22時45分付近にひとつの変曲点があったことに基づくものです。
ただし、これはその研究データ上の目安であり、すべての方に共通する絶対的な就寝時刻ではありません。
「22時45分を過ぎたら妊娠しにくくなる」と考えてしまうと、かえって不安やストレスが強くなることもあります。
大切なのは、特定の時刻にこだわりすぎることではなく、無理なく続けられる範囲で、寝る時間と起きる時間を整えていくことです。
たとえば、現在の就寝時間が深夜1時や2時になっている方は、いきなり22時台を目指すよりも、まずは30分早く布団に入ることから始めてみましょう。
なぜ夜更かしが妊活に不利になる可能性があるの?
体内時計の乱れがホルモン分泌に影響する可能性
人の体には、睡眠・体温・ホルモン分泌などを調整する体内時計があります。
夜更かしや不規則な生活が続くと、この体内時計が乱れやすくなります。
排卵や月経周期は、脳、卵巣、子宮のホルモンの連携によって成り立っています。
そのため、睡眠リズムの乱れが続くことと生殖機能との関係について、さまざまな研究が行われています。
夜間の光がメラトニン分泌を妨げる可能性
夜に強い光を浴びると、睡眠に関わるメラトニンの分泌が抑えられやすくなります。
メラトニンは、睡眠と覚醒のリズムを整える働きに関わるホルモンです。
寝る直前までスマホやパソコンを見続ける習慣は、寝つきや睡眠リズムに影響することがあるため、夜は少しずつ光や刺激を減らしていくとよいでしょう。
睡眠不足がストレスや疲労を強めやすい
睡眠不足が続くと、日中の疲労感、イライラ、不安感、集中力の低下が起こりやすくなります。
妊活中は、通院、仕事、家事、治療結果への不安などで、心身に負担がかかりやすい時期です。
睡眠が不足すると、その負担を回復する時間が十分に取れず、疲れやストレスを感じやすくなることがあります。
妊娠率を上げるために特別なことを増やす前に、まずは睡眠という基本の生活習慣を整えることも大切です。
妊活中の睡眠時間はどれくらいが目安?
「妊活中は何時間寝ればいいですか?」という質問はとても多いです。
現時点では、妊活中の睡眠時間について「必ず何時間寝れば妊娠しやすい」と断定できる統一基準はありません。
ただし、一般的な成人の睡眠時間としては、7〜9時間程度がひとつの目安とされています。
妊活中も、まずは日中に強い眠気や疲労感が残らない程度の睡眠を、安定して確保することを意識しましょう。
また、睡眠時間だけでなく、次のような睡眠リズムも大切です。
- 毎日なるべく同じ時間に寝る
- 毎日なるべく同じ時間に起きる
- 平日と休日で睡眠時間を大きくずらさない
- 寝る直前のスマホやパソコンを控える
- 朝起きたらカーテンを開けて光を浴びる
特に、平日は睡眠不足で、休日に昼まで寝るという生活が続くと、睡眠リズムがずれやすくなります。
休日も平日との差を大きくしすぎないことが、生活リズムを整えるポイントです。
肥満傾向がある場合は、夜更かしの影響を受けやすい?
2024年の研究では、BMIが25以上の群で、遅い就寝時刻と不妊との関連がより強くみられたと報告されています。
過体重や肥満は、排卵障害、インスリン抵抗性、ホルモンバランスなど、生殖機能に関係するさまざまな要因と関連することがあります。
研究では、そうした背景と睡眠リズムがどのように関係するのかについても検討されています。
ただし、ここで大切なのは、「体重があるから妊娠できない」と単純に考えないことです。
妊娠しやすさには、体重だけでなく、食事、運動、睡眠、ストレス、年齢、卵巣機能、男性側の状態など、さまざまな要素が関わっています。
体重だけを責めるのではなく、睡眠や食事、運動を少しずつ整えることが、妊活中の体調管理につながります。
妊娠中に夜更かししてしまったら?赤ちゃんへの影響は?
妊娠してから、「夜更かししてしまったけれど、赤ちゃんに悪い影響があるのでは」と不安になる方も少なくありません。
妊娠中は、ホルモンの変化、頻尿、つわり、胃の圧迫、腰痛、胎動などによって、眠りが浅くなったり、夜中に目が覚めたりしやすい時期です。
妊娠中の睡眠に関する研究では、主に習慣的な睡眠時間や長く続く睡眠トラブルと妊娠中の健康との関連が調べられています。
そのため、「昨日だけ寝るのが遅くなった」「数日あまり眠れなかった」という1回の夜更かしだけで、赤ちゃんに重大な影響があったと考える必要はありません。
一方で、睡眠不足が長く続く場合や、強いいびき、睡眠中の息苦しさ、日中の強い眠気などがある場合は注意が必要です。
妊娠中は睡眠時無呼吸症候群などの睡眠トラブルがみられることもあります。
眠れない状態や気になる症状が続く場合は、自己判断で我慢せず、産婦人科で相談しましょう。
妊活中・妊娠中に意識したい睡眠習慣
睡眠を整えるために、特別なことを一気に始める必要はありません。
まずは、毎日続けやすい基本的な工夫から始めてみましょう。
- できるだけ同じ時間に寝て、同じ時間に起きる
- 平日と休日で睡眠スケジュールを大きくずらさない
- 寝る前1時間はスマホやパソコンを控える
- 夕方以降のカフェインを控えめにする
- 就寝前の大食いや飲酒を避ける
- 日中に軽く体を動かす
- 朝や昼間に外の光を浴びる
- 寝室を暗く、静かで、暑すぎず寒すぎない環境に整える
妊娠中の場合は、夕食を遅くしすぎない、寝室環境を整える、自分が楽に休める姿勢を探すなどの工夫も役立ちます。
無理に完璧を目指す必要はありません。
できることをひとつずつ整えていくことが、妊活中・妊娠中の体調管理につながります。
今日から始めるなら「30分早く寝る」だけでも大丈夫
睡眠を改善しようと思うと、「今日から22時に寝なければ」と考えてしまう方もいます。
しかし、いきなり大きく生活を変えようとすると、かえって負担になって続かないこともあります。
まずは、次の3つから始めてみましょう。
- 今より30分早く布団に入る
- 寝る前1時間だけスマホを控える
- 朝起きたらカーテンを開けて光を浴びる
睡眠は、妊活の結果をすぐに変える魔法の方法ではありません。
しかし、睡眠は心身の回復や生活リズムを支える大切な習慣のひとつです。
妊活中こそ、「頑張ること」を増やしすぎるより、まずは体調を整えることを少しずつ積み重ねていきましょう。
Q1. 妊活中に夜更かしをすると妊娠しにくくなりますか?
夜更かしをしたからといって、必ず妊娠しにくくなるわけではありません。
ただし、遅い就寝時間や睡眠リズムの乱れと不妊との関連が報告されています。睡眠だけで妊娠のしやすさが決まるわけではありませんが、妊活中の生活習慣のひとつとして睡眠リズムを整えることは大切です。
Q2. 妊活中は何時間くらい寝るのが理想ですか?
妊活中の睡眠時間に「必ず何時間」という明確な基準はありません。
一般的には7〜9時間程度を目安に、日中に強い眠気や疲労感が残らない睡眠を安定して確保できるとよいでしょう。睡眠時間だけでなく、毎日なるべく同じ時間に寝て起きることも意識してみてください。
Q3. 何時までに寝れば妊娠しやすくなりますか?
研究では22時45分付近がひとつの目安として報告されていますが、これはすべての方に当てはまる絶対的な基準ではありません。
「この時間を過ぎたら妊娠しにくくなる」と不安になりすぎる必要はありません。まずは現在の就寝時間より30分早く寝る、休日も起床時間を大きくずらさないなど、無理のない範囲で整えていきましょう。
Q4. 寝る前のスマホは妊活に影響しますか?
寝る直前までスマホを見る習慣は、寝つきや睡眠リズムに影響することがあります。
妊活中は、寝る前1時間だけでもスマホを控え、照明を少し落として過ごすなど、無理のない範囲から取り入れてみましょう。
Q5. 妊娠中に夜更かししてしまった場合、赤ちゃんに影響しますか?
妊娠中の睡眠についての研究は、主に習慣的な睡眠不足や睡眠トラブルについて調べたものであり、一度の夜更かしだけで赤ちゃんに重大な影響が出ることを示したものではありません。
「昨日だけ遅くまで起きてしまった」という場合は、必要以上に心配せず、その後できる範囲で休息をとり、普段の生活リズムに戻していきましょう。
ただし、眠れない状態が長く続く、強いいびきや息苦しさがある、日中の眠気が非常に強いなどの場合は、産婦人科で相談してください。
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📚参考文献
- Zhang H, Zhang J, Chen W, et al. Association between bedtime and female infertility: a secondary analysis from a cross-sectional study. Front Endocrinol. 2024.
就寝時刻と女性不妊との関連をNHANESデータから検討した横断研究。22時45分付近に変曲点がみられましたが、因果関係を証明する研究ではありません。 - Liang Z, Liu J. Sleep Behavior and Self-Reported Infertility: A Cross-Sectional Analysis Among U.S. Women. Front Endocrinol. 2022.
米国女性を対象に、就寝・起床時刻や睡眠行動と自己申告の不妊との関連を検討した研究です。 - American College of Obstetricians and Gynecologists. Sleep Health and Disorders.
妊娠中に起こりやすい睡眠の変化や、不眠・睡眠時無呼吸症候群などの睡眠障害について解説しています。 - National Heart, Lung, and Blood Institute. Healthy Sleep Habits.
規則的な睡眠時間や睡眠環境など、健康的な睡眠習慣についてまとめられています。 - MedlinePlus. Problems sleeping during pregnancy.
妊娠中に睡眠が乱れやすい理由や、日常生活での睡眠の工夫について解説しています。
この記事の監修者


院長:宇都宮 泰子
(うつのみや やすこ)
FEMICA認定妊活指導士/鍼灸学修士/MBA(経営管理修士)
はり師・きゅう師(国家資格)
- 日本フェムライフ統合ケア協会 代表理事
- 日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー
- 日本生殖医学会会員
不妊・不育症を専門とし、東洋医学と生殖医療の両面から体質改善をサポート。大学院研究員としての研究活動も行いながら、臨床現場で妊活支援に従事している。
※本記事は一般的な医学情報を提供するものであり、診断・治療を目的とするものではありません。治療方針は必ず主治医の指示に従ってください。
妊活中の睡眠や生活リズムが気になる方へ
妊活中は、睡眠不足や夜更かしが気になって「この生活で大丈夫かな」と不安になることもあると思います。
睡眠だけで妊娠のしやすさが決まるわけではありませんが、睡眠や生活リズムを含めて、毎日の体調を整えていくことは妊活中の身体づくりのひとつです。
大阪市都島区にある宇都宮鍼灸良導絡院では、お身体の状態を確認しながら、鍼灸・温灸・スーパーライザーなどを組み合わせ、妊活中の体調管理をサポートしています。
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