
クレアチン・プロテインは精子に影響する?妊活中の筋トレサプリ注意点
「クレアチンやプロテインは精子に悪い?」
「妊活中でも筋トレサプリを続けて大丈夫?」
「プレワークアウトやテストステロンブースターは男性妊活に影響する?」
筋トレを続けながら妊活をしている男性にとって、サプリと精子の関係は気になるところだと思います。
結論からいうと、一般的なプロテインやクレアチンを適切に使用すること自体が、精子を悪くするとする十分な根拠は現在のところありません。
一方で、アナボリックステロイドやSARMs、成分表示が不明確な筋肉増強系サプリなどは、男性ホルモンの働きや精子形成に影響する可能性があるため注意が必要です。
また、プレワークアウトは製品によってカフェインなどの刺激成分や配合量が大きく異なります。
妊活中は「筋トレサプリはすべて危険」と考えるのではなく、何が入っているのか、どの程度使っているのかを確認することが大切です。
- 一般的なプロテインとアナボリックステロイドは別のものです。
- プロテインサプリの使用と精液所見の低下との関連が認められなかったヒト研究もありますが、製品や使用状況には個人差があります。
- 一般的なクレアチンが精子を減らすとする十分なヒトでの根拠は現在のところありません。
- 妊活中は、SARMs・アナボリックステロイド・成分不明の筋肉増強製品には特に注意が必要です。
- プレワークアウトは製品ごとの成分やカフェイン量を確認しましょう。
- 精液検査で異常を指摘されている場合は、使用しているサプリや薬を医師に伝えて相談しましょう。


プロテインは精子に悪い?ステロイドとは別物です
プロテインは、たんぱく質を補うための食品に近いサプリメントで、アナボリックステロイドとは別のものです。
若い男性を対象にした観察研究では、プロテインサプリを使用していた人で、精液量、精子濃度、総精子数、運動性、正常形態率が低下するという関連は確認されませんでした[1]。
ただし、この研究だけで「どのようなプロテインでも精子にまったく影響しない」と断定することはできません。
製品によって配合成分は異なるため、妊活中はできるだけ成分がシンプルで、品質管理が確認できる製品を選ぶとよいでしょう。
一方、アナボリックステロイドや外から補うテストステロンは、体内のホルモン調節を抑制し、精子形成に影響することがあります。
「プロテインを飲むこと」と「ステロイドやテストステロン製剤を使用すること」は分けて考える必要があります。
妊活中の男性でも、食事だけでたんぱく質が不足しやすい場合に、プロテインを補助的に使うことはあります。
ただし、プロテインだけに頼るのではなく、肉、魚、卵、大豆製品、乳製品など、普段の食事からたんぱく質をとることが基本です。
クレアチンは精子に悪い?妊活中の考え方
クレアチンは、筋肉のエネルギー代謝に関わる成分で、筋力トレーニングをする方に広く使われています。
クレアチンは体内でも作られ、肉や魚などの食品にも含まれています。
現時点では、一般的なクレアチンを適切な量で使うことが、精子を減らすと断定できる十分な根拠はありません。
クレアチンは精子のエネルギー代謝との関係から研究されている成分でもあります[3]。
ただし、クレアチンを摂取することで精子の状態や妊娠率が改善すると確立されているわけではありません。
そのため、妊活中だからといってクレアチンの摂取量を増やす必要はありません。
腎臓の病気がある方、治療中の病気がある方、複数のサプリを併用している方は、自己判断で量を増やさず、医師に確認しましょう。
クレアチンでテストステロンは上がる?
「クレアチンを飲むとテストステロンが上がるのでは?」と気になる方もいるかもしれません。
クレアチンは、アナボリックステロイドやテストステロン製剤ではありません。
クレアチン摂取と男性ホルモンの関係については研究されていますが、クレアチンを飲めばテストステロンが大きく上昇する、あるいは妊孕性が高まると断定できる十分な臨床データはありません。
また、クレアチンが精子や妊娠率を改善する目的で推奨されているわけでもありません。
妊活中は「精子のためにクレアチンを増やす」のではなく、筋力トレーニングや食事を補助する目的で適切に使用することが大切です。
妊活中に注意したいのは「ホルモン系」「成分不明」のサプリ
妊活中に特に注意したいのは、一般的なプロテインやクレアチンよりも、ホルモンに関わる可能性のある製品です。
たとえば、次のような表示があるものは、成分をよく確認しましょう。
- テストステロンブースター
- 男性ホルモンを高めるとうたうもの
- 筋肉を急速に増やすとうたうもの
- ホルモンバランスへの作用をうたうもの
- プロホルモン
- SARMs配合
- 海外製の成分不明サプリ
- 個人輸入の筋肉増強サプリ
これらの中には、ホルモンバランスに影響する成分や、表示されていない成分が含まれている可能性があります。
特にアナボリックステロイドや外因性テストステロンは、脳から精巣へのホルモンの指令を抑制し、精子形成が低下することがあります[4]。
SARMsについても、安全性が十分に確立しているとはいえず、妊活中に自己判断で使用することはおすすめできません。
妊活中や将来子どもを望む方は、「筋肉が増える」「男性らしさを高める」と強く宣伝されている製品ほど、中身を確認することが大切です。
プレワークアウトの危険性は?妊活中は成分を確認しましょう
プレワークアウトは、トレーニング前の集中力やパフォーマンスを高める目的で使われるサプリですが、製品によって成分や配合量が大きく異なります。
代表的な成分には、カフェイン、アルギニン、シトルリン、βアラニン、クレアチンなどがあります。
そのため、「プレワークアウトだから危険」「妊活中は必ず中止」というわけではなく、中に何が入っているかを確認することが重要です。
特に、カフェインなどの刺激成分を多く含む製品では、摂取量や使用時間によって睡眠や動悸などに影響することがあります。
夕方から夜にカフェインを多く摂ることで睡眠に影響するようであれば、摂取時間や量を見直しましょう。
また、海外を含めた一部の筋肉増強・パフォーマンス向上製品では、表示されていない成分が含まれていた事例も報告されています[6][7]。
妊活中は、成分や配合量が確認できない製品、SARMsやプロホルモンを含む製品、筋肉増強効果を強くうたう製品には慎重になりましょう。
テストステロンブースターはテストステロン製剤とは別物です
市販されている「テストステロンブースター」は、医療機関で使用されるテストステロン製剤と同じものではありません。
多くは植物成分やミネラルなどを組み合わせたサプリメントですが、配合成分は製品によって異なります。
有効性や安全性について十分なデータがない製品もあるため、「天然成分だから安全」「テストステロンブースターだから精子が増える」と考えることはできません。
妊活中で使用を検討している場合や、すでに精液所見の異常を指摘されている場合は、商品名や成分表示を医師に見せて相談すると安心です。
海外製サプリや個人輸入品で気をつけたいこと
海外製サプリや個人輸入品のすべてが危険というわけではありません。
ただし、製品によっては成分表示が不十分だったり、日本では医薬品に該当するような成分が含まれていたりすることがあります。
また、筋肉増強や減量を目的としたサプリでは、表示されていない成分が混入している可能性も指摘されています[6][7]。
妊活中の男性にとって問題になるのは、知らないうちにホルモンに関わる成分やステロイド様成分を摂取してしまうことです。
特に、次のような製品は避けるか、使用前に医師へ相談しましょう。
- 成分名が十分に確認できないもの
- 「短期間で筋肉が増える」と強く宣伝されているもの
- SARMsやプロホルモンを含むもの
- 販売元や製造元がはっきりしないもの
- 口コミだけで広がっている個人輸入品
- 多数の成分が配合されており、含有量が分かりにくいプレワークアウト
プロテインの選び方で気をつけたいこと
妊活中にプロテインを使う場合は、できるだけ成分がシンプルで、内容を確認しやすいものを選ぶとよいでしょう。
選ぶときは、次のような点を確認しましょう。
- たんぱく質量が明確に表示されている
- 成分表示がわかりやすい
- 糖質や脂質が目的に対して多すぎない
- ホルモン系成分や筋肉増強成分をうたっていない
- 過剰なカフェインや刺激成分が入っていない
- 品質管理や第三者機関による検査状況を確認できる
プロテインは、あくまで食事を補助するものです。
食事を抜いてプロテインだけで済ませるのではなく、主食、主菜、副菜を基本にしながら、不足しやすい分を補う形で使いましょう。
また、体重を増やすためのウエイトゲイナーには、糖質やカロリーが多く含まれるものもあります。
体重管理も男性妊活の一つのポイントになるため、自分の目的や体格に合った製品を選ぶことが大切です。
筋トレサプリよりも先に見直したい男性妊活の基本
精子の状態は、サプリだけで決まるものではありません。
妊活中の男性では、日々の生活習慣もあわせて見直すことが大切です。
まずは、次のような基本を確認してみましょう。
- 十分な睡眠時間を確保する
- 過度な飲酒を控える
- 喫煙している場合は禁煙を検討する
- 肥満がある場合は無理のない範囲で体重管理をする
- サウナや長時間の高温環境に注意する
- 過度なトレーニングや疲労の蓄積を避ける
- 発熱後は精液所見が一時的に変化することがあると知っておく
- 必要に応じて精液検査で現在の状態を確認する
筋トレそのものを妊活中にやめなければならないわけではありません。
運動は体重管理や健康維持、ストレス対策にも役立ちます。
ただし、筋肉を増やすことを優先するあまり、睡眠不足、極端な食事制限、過剰なサプリ摂取、ホルモン系薬剤の使用につながっている場合は見直しが必要です。
精液検査で異常がある場合は、サプリの使用歴も伝えましょう
精液検査で、精子濃度、総精子数、運動率、正常形態率などの異常を指摘された場合は、使用しているサプリや薬についても医師に伝えましょう。
医師に伝えるときは、次のような情報があると相談しやすくなります。
- サプリの商品名
- 成分表示の写真
- 1日の使用量
- 使用期間
- 海外製か国内製か
- 個人輸入かどうか
- 筋肉増強やホルモンへの作用をうたっているか
サプリを使っていることを言いにくいと感じる方もいるかもしれません。
しかし、薬やサプリの使用状況は、精液所見の原因を考えるうえで重要な情報になることがあります。
妊活中は、サプリや薬の使用歴も含めて医師に相談することが大切です。
妊活中の筋トレサプリは、食事の補助として考えましょう
筋トレサプリは、目的に合わせて適切に使えば、食事やトレーニングを補助するものになります。
しかし、妊活中は「筋肉を増やすこと」だけでなく、睡眠や食事、疲労、体重などを含めて健康状態を整えることも大切です。
一般的なプロテインやクレアチンは、アナボリックステロイドやテストステロン製剤とは別のものです。
一方で、SARMs、プロホルモン、成分不明の海外製サプリ、刺激成分の多いプレワークアウトなどには注意が必要です。
不安がある場合は、サプリを次々に追加する前に、精液検査で現在の状態を確認することも一つの方法です。
すでに精液所見に異常がある場合や、不妊治療を進めている場合は、使用しているサプリや薬を医師に伝えて相談しましょう。
まとめ|筋トレサプリは「何を選ぶか」が大切です
筋トレサプリがすべて精子に悪いわけではありません。
一般的なプロテインやクレアチンは、アナボリックステロイドとは別のものです。
現在の研究では、一般的なプロテインサプリの使用と精液所見の悪化との関連が認められなかった報告があります。一方、クレアチンについては精子のエネルギー代謝との関係が研究されていますが、男性妊活への効果が確立しているわけではありません。
妊活中に特に注意したいのは、アナボリックステロイド、SARMs、プロホルモン、成分不明の筋肉増強製品です。
プレワークアウトについても、製品名だけで判断するのではなく、カフェインなどの刺激成分や配合量を確認しましょう。
精子の状態はサプリだけで決まるものではないため、睡眠、食事、運動、飲酒、喫煙、体重、熱環境などもあわせて整えることが大切です。
不安がある場合や精液検査で異常を指摘されている場合は、使用しているサプリや薬も含めて医師へ相談してください。
男性妊活のご相談では、「筋トレをやめた方がいいですか?」「プロテインやサプリを全部やめるべきですか?」と聞かれることがあります。
当院では、筋トレやサプリを一律にやめるのではなく、現在の運動量や睡眠、食事、疲労の状態、使用している製品などを一緒に整理することが大切だと考えています。
精子の状態が気になる場合は、まず精液検査などで現在の状態を確認し、必要に応じて泌尿器科や生殖医療の主治医へ使用中のサプリについて相談してください。
Q. プロテインを飲むと精子に悪いですか?
A. 一般的なプロテインを適切に使用することが、精子を悪くするとする十分な根拠は現在のところありません。プロテインサプリの使用と精液所見の低下との関連が認められなかった研究もあります。ただし、製品によって配合成分が異なるため、ホルモン系成分や成分表示が不明確な製品には注意しましょう。
Q. クレアチンは妊活中でも使えますか?
A. 一般的なクレアチンが精子を減らすと断定できる十分な根拠はありません。ただし、妊活のために摂取量を増やす必要はなく、男性妊活への効果が確立しているわけでもありません。腎臓の病気がある方や治療中の方は医師へ確認してください。
Q. クレアチンを飲むとテストステロンは上がりますか?
A. クレアチンはテストステロン製剤やアナボリックステロイドではありません。男性ホルモンとの関係について研究はありますが、クレアチンを摂取すればテストステロンが大きく上昇すると断定できる十分な根拠はありません。
Q. プレワークアウトは精子に影響しますか?
A. プレワークアウトは製品によって成分が異なるため、一括して判断することはできません。カフェインなどの刺激成分の量や、成分表示、品質管理を確認しましょう。
Q. テストステロンブースターは妊活中でも大丈夫ですか?
A. 市販のテストステロンブースターは医療用のテストステロン製剤とは別物ですが、配合成分や安全性は製品によって異なります。妊活中で使用している場合は、成分表示を医師に見せて相談するとよいでしょう。
Q. 海外製サプリは避けた方がいいですか?
A. 海外製サプリがすべて危険というわけではありません。ただし、成分表示が不明確なもの、SARMsやプロホルモンを含むもの、販売元が確認できない製品には注意してください。
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📚参考文献
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[1] Tøttenborg SS, et al. Semen quality among young healthy men taking protein supplements. Fertility and Sterility. 2020.
プロテインサプリの使用と精液量、精子濃度、総精子数、運動性、形態との関連を調べた若年男性778人の観察研究です。 -
[2] International Society of Sports Nutrition Position Stand: protein and exercise.
運動習慣のある人のたんぱく質摂取と、プロテインを食事の補助として使用する考え方について参考にしました。 -
[3] Ostojic SM, et al. Creatine as a Promising Component of Paternal Preconception Diet. Nutrients. 2022.
クレアチンと精子のエネルギー代謝、男性妊孕性との関係についてまとめたレビューです。臨床的な有効性が確立していることを示すものではありません。 -
[4] American Urological Association / American Society for Reproductive Medicine. Diagnosis and Treatment of Infertility in Men: AUA/ASRM Guideline.
外因性テストステロンによるゴナドトロピン抑制や精子形成への影響について参考にしました。 -
[5] International Society of Sports Nutrition position stand: safety and efficacy of creatine supplementation in exercise, sport, and medicine.
クレアチンの安全性やスポーツ栄養での位置づけについて参考にしました。 -
[6] U.S. Food and Drug Administration. Caution: Bodybuilding Products Can Be Risky.
筋肉増強をうたう一部製品におけるステロイドまたはステロイド様成分などのリスクについて参考にしました。 -
[7] Kozhuharov VR, Ivanov K, Ivanova S. Dietary Supplements as Source of Unintentional Doping. BioMed Research International. 2022.
サプリメントに表示されていない成分が含まれる可能性や、筋肉増強系サプリの汚染リスクについて参考にしました。 -
[8] U.S. Food and Drug Administration. FDA 101: Dietary Supplements.
サプリメントの安全性や医薬品との規制上の違いについて参考にしました。 -
[9] National Institutes of Health Office of Dietary Supplements. Dietary Supplements: What You Need to Know.
サプリメントの品質、安全性、使用状況を医療者へ伝える重要性について参考にしました。
この記事の監修者


院長:宇都宮 泰子
(うつのみや やすこ)
FEMICA認定妊活指導士/鍼灸学修士/MBA(経営管理修士)
はり師・きゅう師(国家資格)
- 日本フェムライフ統合ケア協会 代表理事
- 日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー
- 日本生殖医学会会員
不妊・不育症を専門とし、東洋医学と生殖医療の両面から体質改善をサポート。大学院研究員としての研究活動も行いながら、臨床現場で妊活支援に従事している。
※本記事は一般的な医学情報を提供するものであり、診断・治療を目的とするものではありません。治療方針は必ず主治医の指示に従ってください。
男性妊活・精子の状態が気になる方へ
筋トレやサプリを続けていると、「このままで大丈夫かな」「精子に影響していないかな」と気になることもあると思います。
まずは精液検査などで現在の状態を確認し、必要に応じて医療機関へ相談することが大切です。そのうえで、睡眠・食事・運動・疲労回復など、日々の生活を整えていくことも男性妊活の準備の一つです。
大阪市都島区にある宇都宮鍼灸良導絡院では、男性妊活中の体調管理についてもご相談いただけます。お一人でも、ご夫婦でも、無理のない形でご相談ください🍀







