
妊活中にヨーグルトは効果的?子宮内フローラとラクトバチルス菌の関係とおすすめの選び方
妊活中の方から、「ヨーグルトを食べると子宮内フローラがよくなりますか?」「ラクトバチルス菌が入った市販のヨーグルトを選んだ方がいいですか?」とご相談をいただくことがあります。
子宮内フローラやラクトバチルス菌という言葉を聞くと、「何か食べ物で改善できるなら試したい」と感じる方も多いと思います。
ただし、現時点ではヨーグルトを食べることで子宮内フローラが直接改善するとは、医学的に言い切ることはできません。
一方で、ヨーグルトは腸内環境を整える食品のひとつとして、妊活中の身体づくりを間接的に支えてくれる可能性があります。
この記事では、妊活中にヨーグルトを取り入れる意味、子宮内フローラとラクトバチルス菌の関係、市販ヨーグルトを選ぶときのポイントを、できるだけ誤解のないように整理していきます。
- 子宮内フローラでは、ラクトバチルス属が多い環境が妊娠や着床と関係する可能性が研究されています。
- ただし、ヨーグルトを食べれば子宮内フローラが直接改善するという明確な根拠は、現時点では十分ではありません。
- 妊活中のヨーグルトは、子宮ではなく主に腸内環境を整える食品として考えるのが現実的です。
- 市販ヨーグルトを選ぶなら、まずは無糖タイプを基本にし、自分のお腹に合うものを選びましょう。
- ヨーグルトだけに期待しすぎず、食事・睡眠・ストレス・冷え・血流など、生活全体を整えることが大切です。


目次
子宮内フローラとは?妊娠との関係
子宮内フローラとは、子宮内膜に存在する細菌の集まりのことです。
以前は、子宮の中はほぼ無菌に近い環境と考えられていましたが、近年は子宮内にも細菌叢が存在し、妊娠や着床との関係が研究されています。
特に注目されているのが、ラクトバチルス属と呼ばれる乳酸菌の一種です。
研究では、子宮内膜の細菌叢がラクトバチルス優位な場合、ラクトバチルスが少ない場合と比べて、着床率・妊娠率・出産率に違いがみられる可能性が報告されています。
ただし、ここで注意したいのは、これらの研究は子宮内フローラと妊娠結果に関連がある可能性を示しているものであり、「ヨーグルトを食べれば子宮内フローラが整う」という意味ではないという点です。
ラクトバチルス菌入りヨーグルトは子宮に届く?
ヨーグルトには、乳酸菌やビフィズス菌が含まれているものがあります。
そのため、「ラクトバチルス菌が入ったヨーグルトを食べれば、子宮内フローラも良くなるのでは?」と考える方も少なくありません。
しかし現時点では、市販のヨーグルトを食べることで、子宮内フローラが直接改善するという明確な科学的根拠は十分ではありません。
腟内フローラや女性の生殖器内の細菌叢に対するプロバイオティクス研究はありますが、使用される菌株、投与方法、対象者の状態によって結果は異なります。
腟内に直接使用するタイプの研究や、特定のプロバイオティクス製剤を用いた研究を、そのまま一般的な市販ヨーグルトの効果として考えることはできません。
そのため、妊活中にヨーグルトを取り入れる場合は、子宮内フローラを直接変えるためではなく、腸内環境を整える食習慣のひとつとして考えるのが現実的です。
妊活中にヨーグルトが役立つ可能性がある理由
ヨーグルトの主な働きは、子宮ではなく腸内環境へのサポートです。
腸内環境は、便通だけでなく、免疫、炎症、栄養吸収、ホルモン代謝などにも関わると考えられています。
妊活中は、卵子や子宮だけに意識が向きやすいですが、日々の食事から栄養を吸収し、身体全体のコンディションを整えることも大切です。
ヨーグルトで期待できるサポート
- 便通を整えるサポート
- 腸内環境のバランスを整えるサポート
- たんぱく質やカルシウムの補給
- 食物繊維や果物と組み合わせることで、栄養バランスを整えやすい
- 間食の甘いものを減らす選択肢になる
ただし、ヨーグルトは薬ではありません。
食べたから妊娠率が上がる、子宮内フローラが必ず改善する、というものではなく、あくまで日々の食事の中で身体を整えるための選択肢のひとつです。
妊活中におすすめの市販ヨーグルトの選び方
「ラクトバチルス菌入りのヨーグルトはどれがいいですか?」と聞かれることがありますが、特定の商品だけをおすすめするよりも、まずは選び方の基準を知っておくことが大切です。
1. まずは無糖タイプを選ぶ
妊活中に毎日取り入れるなら、まずは無糖タイプを基本にしましょう。
加糖タイプのヨーグルトは食べやすい一方で、砂糖の摂取量が増えやすくなります。
甘みが欲しい場合は、砂糖を多く入れるよりも、果物や少量のはちみつ、きな粉などを組み合わせると続けやすくなります。
2. 乳酸菌やビフィズス菌入りのものを選ぶ
市販のヨーグルトには、乳酸菌やビフィズス菌の種類が表示されているものがあります。
ただし、菌の働きは菌株によって異なります。
「ラクトバチルス菌入り」と書かれているから妊活に効果がある、子宮内フローラに届く、と考えすぎる必要はありません。
まずは、自分のお腹に合い、無理なく続けられるものを選ぶことを大切にしましょう。
3. たんぱく質を補いたい方はギリシャヨーグルトも選択肢
食事量が少ない方、朝食でたんぱく質が不足しやすい方は、ギリシャヨーグルトも選択肢になります。
ギリシャヨーグルトは一般的なヨーグルトよりたんぱく質を補いやすいものが多く、朝食や間食にも取り入れやすい食品です。
ただし、商品によって脂質や糖質の量は異なるため、成分表示を確認して選びましょう。
4. お腹が張りやすい方は少量から試す
ヨーグルトは身体によいイメージがありますが、すべての方に合うわけではありません。
乳製品でお腹が張る方、下痢をしやすい方、乳糖不耐症の方は、無理に続ける必要はありません。
少量から試す、乳糖の少ないタイプを選ぶ、豆乳ヨーグルトを検討するなど、自分の体調に合わせて取り入れましょう。
子宮内フローラが気になる方におすすめの食べ方
腸内環境を整えるためには、ヨーグルトだけでなく、乳酸菌などのエサになる食物繊維やオリゴ糖を一緒にとることが大切です。
菌と、その菌のエサになる食品を一緒にとる考え方は、シンバイオティクスと呼ばれます。
妊活中にヨーグルトを取り入れるなら、単品で食べるよりも、果物・きな粉・ナッツ・オートミールなどと組み合わせるとよいでしょう。
妊活中に取り入れやすい組み合わせ
- 無糖ヨーグルト+バナナ+きな粉
- ヨーグルト+オートミール+ナッツ
- ヨーグルト+ブルーベリー+くるみ
- ヨーグルト+小豆+すりごま
- ヨーグルト+少量のはちみつ+シナモン
果物やオートミールを組み合わせることで、食物繊維をとりやすくなります。
ただし、血糖値が気になる方、糖質制限を指導されている方、妊娠糖尿病の既往がある方は、主治医や管理栄養士の指導を優先してください。
ヨーグルトを食べるタイミングはいつがいい?
ヨーグルトを食べる時間に、厳密な決まりはありません。
朝食、昼食、間食など、ご自身が続けやすいタイミングで大丈夫です。
空腹時に単独で食べるよりも、朝食や昼食の一部として、オートミールや果物、ナッツなどと一緒に取り入れると、栄養バランスも整えやすくなります。
また、抗生物質を服用している場合は、ヨーグルトやプロバイオティクスを摂るタイミングについて、医師や薬剤師に確認しておくと安心です。
ヨーグルトが合わない方もいます
ヨーグルトは身体によいイメージがありますが、すべての方に合う食品ではありません。
乳糖不耐症の方、乳製品でお腹が張りやすい方、下痢をしやすい方は、無理に続ける必要はありません。
妊活では、「これを食べなければいけない」と考えすぎることが、かえってストレスになることもあります。
ヨーグルトは、あくまで選択肢のひとつです。
自分の体調に合わない場合は、納豆、味噌、ぬか漬けなどの発酵食品や、野菜、海藻、きのこ類などの食物繊維を意識する方法もあります。
東洋医学で考える腸と妊活のつながり
東洋医学では、胃腸の働きは「脾(ひ)」と関係が深いと考えます。
脾は、食べたものから気血を作り、全身に栄養を届ける働きに関わるとされています。
妊活中に胃腸が疲れていると、栄養をしっかり吸収しにくくなり、冷え、だるさ、むくみ、月経トラブルなどにつながることがあります。
また、ストレスや自律神経の乱れは、腸の動きにも影響します。
鍼灸では、自律神経、血流、胃腸の働き、冷え、睡眠などを確認しながら、妊娠しやすい身体づくりをサポートしていきます。
ヨーグルトなどの食事による腸内環境のサポートと、鍼灸による体質ケアを組み合わせることで、身体の内側から整える妊活につながります。
この記事のまとめ
子宮内フローラでは、ラクトバチルス属が多い環境が、妊娠や着床と関係する可能性が研究されています。
ただし、ヨーグルトを食べれば子宮内フローラが直接改善する、妊娠率が上がる、という明確な根拠は現時点では十分ではありません。
妊活中にヨーグルトを取り入れる場合は、子宮内フローラを直接変えるためではなく、腸内環境を整える食習慣のひとつとして考えるのが現実的です。
市販ヨーグルトを選ぶなら、無糖タイプを基本にし、乳酸菌やビフィズス菌入りのもの、たんぱく質を補いたい方はギリシャヨーグルトなどを選ぶとよいでしょう。
ただし、ヨーグルトが合わない方もいます。妊活中の食事は、無理に続けることよりも、自分の体調に合う形で整えていくことが大切です。
Q. ヨーグルトを食べると子宮内フローラは改善しますか?
現時点では、ヨーグルトを食べることで子宮内フローラが直接改善するという明確な根拠は十分ではありません。
ただし、ヨーグルトは腸内環境を整える食品のひとつです。腸内環境は免疫や炎症、栄養吸収などにも関わるため、妊活中の身体づくりを間接的に支える可能性があります。
Q. ラクトバチルス菌入りの市販ヨーグルトを選べばよいですか?
ラクトバチルス菌や乳酸菌が入っているヨーグルトは選択肢のひとつですが、「ラクトバチルス菌入りだから子宮内フローラに効果がある」とは言い切れません。
まずは無糖タイプで、自分のお腹に合い、無理なく続けられるものを選びましょう。
Q. 妊活中におすすめのヨーグルトはありますか?
妊活中に取り入れるなら、まずは無糖タイプがおすすめです。
たんぱく質を補いたい方はギリシャヨーグルト、脂質が気になる方は低脂肪タイプ、お腹が張りやすい方は少量から試すなど、体調に合わせて選びましょう。
Q. ヨーグルトはいつ食べるのがよいですか?
ヨーグルトを食べる時間に厳密な決まりはありません。
朝食、昼食、間食など、続けやすいタイミングで大丈夫です。オートミールや果物、ナッツなどと組み合わせると、栄養バランスも整えやすくなります。
Q. 子宮内フローラを整えるには、ヨーグルトだけで十分ですか?
ヨーグルトだけで子宮内フローラを整えようと考えるのは、少し負担が大きいかもしれません。
子宮内フローラや腸内環境は、食事、睡眠、ストレス、自律神経、血流、ホルモンバランスなど、さまざまな要因と関係します。
気になる症状がある場合や、子宮内フローラ検査について知りたい場合は、自己判断せず、婦人科や不妊治療クリニックで相談しましょう。
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📚参考文献
- Moreno I, Codoñer FM, Vilella F, et al. Evidence that the endometrial microbiota has an effect on implantation success or failure. American Journal of Obstetrics and Gynecology. 2016;215(6):684-703.
子宮内膜マイクロバイオームと着床・妊娠結果との関連について参考にしました。 - Moreno I, Garcia-Grau I, Perez-Villaroya D, et al. Endometrial microbiota composition is associated with reproductive outcome in infertile patients. Microbiome. 2022;10:1.
胚移植前の子宮内膜マイクロバイオーム構成と生殖補助医療の結果との関連について参考にしました。 - Le Roy CI, Kurilshikov A, Leeming ER, et al. Yoghurt consumption is associated with changes in the composition of the human gut microbiome and metabolome. BMC Microbiology. 2022;22:39.
ヨーグルト摂取と腸内マイクロバイオーム・代謝物の変化について参考にしました。 - Treven P, Paveljšek D, Bogovič Matijašić B, Mohar Lorbeg P. The Effect of Food Matrix Taken with Probiotics on the Survival of Commercial Probiotics in Simulation of Gastrointestinal Digestion. Foods. 2024;13(19):3135.
プロバイオティクスをどのような食品と一緒に摂るかによって、生存率が変わる可能性について参考にしました。 - Liu P, Lu Y, Li R, Chen X. Use of probiotic lactobacilli in the treatment of vaginal infections: In vitro and in vivo investigations. Frontiers in Cellular and Infection Microbiology. 2023;13:1153894.
腟内環境とラクトバチルス、プロバイオティクス研究の現状について参考にしました。
この記事の監修者


院長:宇都宮 泰子
(うつのみや やすこ)
FEMICA認定妊活指導士/鍼灸学修士/MBA(経営管理修士)
はり師・きゅう師(国家資格)
- 日本フェムライフ統合ケア協会 代表理事
- 日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー
- 日本生殖医学会会員
不妊・不育症を専門とし、東洋医学と生殖医療の両面から体質改善をサポート。大学院研究員としての研究活動も行いながら、臨床現場で妊活支援に従事している。
※本記事は一般的な医学情報を提供するものであり、診断・治療を目的とするものではありません。治療方針は必ず主治医の指示に従ってください。
妊活中の食事や体質づくりに迷ったら
ヨーグルトや乳酸菌、子宮内フローラの情報を調べていると、「何を食べればいいのか」「自分の身体に合っているのか」と不安になることもあると思います。
妊活中の身体づくりでは、ひとつの食品だけに頼るのではなく、胃腸の働き、冷え、血流、自律神経、睡眠、ストレスなどを含めて整えていくことが大切です。
大阪市都島区にある宇都宮鍼灸良導絡院では、鍼灸や良導絡測定を通して、お一人おひとりの体質やお身体の状態に合わせた妊活サポートを行っています。
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妊活中の食事は、「これを食べれば妊娠しやすくなる」という単品の考え方よりも、胃腸が疲れていないか、冷えやむくみが強くないか、睡眠やストレスで腸の動きが乱れていないかを一緒に見ることが大切です。
宇都宮鍼灸良導絡院では、ヨーグルトなどの食品も、体質やお腹の状態に合わせて無理なく取り入れることをおすすめしています。