ビタミンDと不妊 服用のタイミング
ビタミンDを服用
クリニックの指導では、夕食後に服用するのが一番良いタイミングと推奨されています。
そして、産科と婦人科雑誌より、ビタミンDは骨代謝に必要な栄養素であるが,免疫調節作用もあわせもち,着床・妊娠維持にも重要である.血中250HビタミンDを指標として,体外受精の成績を検討したメタアナリシスでは,250HビタミンDが30 ng/mL以上の十分群では,30ng/mL未満の不十分群に比較して高い妊娠率(オッズ比1.46倍),出産率(オッズ比1.34倍)を認めている8).そのほか,ビタミンD不足と反復着床不全,習慣性流産との関係も報告されている9).
抜粋
出典:田村博史. (2021). 不妊症患者の食事、生活指導とサプリメント. 産科と婦人科, 88, 1465–1470.
【ビタミンDの働き】
不妊治療されている方の中でビタミン少ないため、サプリメントでビタミンを摂取されている方がいます。
ビタミンDの働きはカルシウムとリンの吸収を促進し、丈夫な骨を作る役割をしています。
また、細胞の成熟を助けています。血中のカルシウム濃度を一定に調節し、神経伝達や筋肉の収縮を正常に行う働きがあります。
ビタミンDが不足すると腸管からのカルシウムの吸収を低下と腎臓のカルシウムの再吸収が低下し、カルシウム不足になります。
そのため、骨の軟化症になりやすくなります。妊娠中にビタミンDの濃度が低下すると妊娠糖尿病や胎児発育遅延、妊娠高血圧症候群の合併のリスクが上がると言われています。
ビタミンDが不足の理由として、日光に当たることが減少したと考えられます。
不妊とビタミンDの関係卵子は年齢を重ねるごとに減少していきます。
ビタミンDの濃度が低くなると卵子の減少も早くなってしまうのです。
ビタミンDは卵子の数や質を維持するためには欠かせないのです。
卵子だけでなく、精子も同様です。ビタミンDが不足すると着床率も下がると言われています。ビタミンDは免疫調節因子として働いています。
そのため、自己免疫疾患の方はビタミンDの濃度が低下していると考えられています。
ビタミンDの受容体が子宮内膜や胎盤に存在していると言われています。
ビタミンDは卵胞の発育や着床、胎盤形成にとても重要とされています。
【ビタミンDを摂取する方法】
・日光を浴びる
体内でビタミンDが合成されるため、日光を浴びるようにしましょう。
・ビタミンDの多い食品を摂取する
ビタミンDが多い食品はしめじやエリンギ、まいたけなどのキノコ類、魚類です。
・サプリメントを服用する
参考文献:善方裕実. (2019). 周産期領域におけるビタミンD. 最新女性医療, 6, 88–95.